多様性が承認される「自由」な社会。「自由な個人」として不平等な市場に組み込まれるわたしたち。文化か、経済か。承認か、再分配かーこのジレンマを乗り越えることは可能なのか。ポスト新自由主義を見すえるジェンダー研究の最前線。
政治代表における男女の不均衡を是正するため、候補者・議席の一定数を女性に割り当てる制度、ジェンダー・クオータ。いまや世界の趨勢となっているこの制度をヨーロッパ、アジア、南米の事例から検証し、日本で導入される政治的条件を探る、画期的な試み。
ジュリエットがロミオにスピード婚を迫った訳とは?フェミニズムと優生思想が接近した危うい過去に学ぶ。パク・チャヌク映画『お嬢さん』の一発逆転!“翻案の効用”とは、『マッドマックス』の主人公がもつケアの力と癒やし、「マンスプレイニング」という言葉はなぜ激烈な反応を引き起こすのか…etc.閉塞する現代社会を解きほぐす最新批評集!
行動設計を成功させるための「DESIGN」=Data(データ)+Experiment(実験)+SIGNpost(標識)。ハーバードの女性行動経済学者が示すエビデンスに基づく男女平等への道筋。
ジェンダー研究の狙いは、性的マイノリティへの擁護に留まらず、性が、なぜ、どのように、どのような状況で、ある人生の選択に作用したかを徹底して探究することであり、それを学ぶことは、自分が属し、利害を共有している社会への批判的知性を養うことである。独自の視座から、人間の性が社会に記した「結果」の検証を行った9本の論文で構成された本書は、異なった学問領域の相互的な影響のもとに進展している現在のジェンダー研究の多彩な成果を学ぶ、格好のテキストである。
本書は、近代における女性の創造力と労働の国家的統治という視点から、手芸という誰もが知っており、しかも誰もが見過ごしてきた「女の手仕事」を初めて浮き彫りにした画期的な手芸論である。
現代中国のジェンダー構造は、伝統中国や社会主義中国から如何に変化し、経済格差はどのように性別と関連し、消費社会はセクシャリティのあり方にどのような変化をもたらしたのか。また、近年の中国の民族主義は「慰安婦」問題をどのように捉えているのか。中国ジェンダー研究における第一線の研究者による最新成果。
伝統か、差別か。二者択一の議論を超えるために。
ジェンダーとは性別をどのように社会が意味づけてきたかという文化構築的なものであるが、ジェンダーから中国史を論じてきたものは、これまであまりなかった。中国社会におけるジェンダーのあり方ー社会の基礎とされてきた家族や法の構造から、男性や女性の日々の服装やふるまい方のあるべき姿と実態、さらには同性愛者や宦官などのセクシャル・マイノリティーがどのように存在していたのかに至るまでーを理解することは、中国の文化そのものを理解する上で欠かせない視点である。中国とその「周縁」社会におけるジェンダーの理念と表象、規範と現実の多様で流動的な情況を、様々な分野から論じる。
ジェンダー平等の達成を求めてー。ジェンダー・バックラッシュの実態と本質を明らかにし、日本の女性政策や運動の限界を乗り越える道を探る。
男女共同参画社会をめざして。転換期に立つ現代社会をどう変えていくのか。ジェンダーに敏感な視点に立ち、現状のジェンダー・バイアス是正を目的とする、学際的かつ実践的な学問としてのジェンダー学からの考察。
現代社会で育まれた先鋭な視点を通して第二波フェミニズムの諸テーマを再検討し、フェミニズムの新たなステージを切り開く。現代の生・性・思想に貫通するカラクリを探き出す挑戦的16編。