本書は、哲学、倫理学、美学、宗教民俗学、歴史学の各分野で活躍する著者たちによる刺激的なジェンダー批評の実践である。
サバイバーよ、勇気を出すな。“性暴力やセクハラ被害に遭ったら「泣き寝入り」しないで、「勇気を出して」裁判を起こして闘いましょう”そう簡単に言ってしまえるすべての人へ-。一人芝居『私は生き残った』を全国各地で上演し、深い感動を呼んでいる高橋りりすの初のエッセイ集。
本書は、ヴィクトリア期から第一次大戦前夜にかけて、イギリスの中流階級女性が自らの法的・社会的・経済的・政治的地位の改善を求めて展開したフェミニズム運動の全体像を描き出す。
大量生産・大量消費の社会のままでエコロジカルな未来を実現できるのだろうか?アルネ・ネス、ゲアリー・スナイダー他によるディープ・エコロジーの基本的テーマを扱った12章。
音楽療法からフリー・ミュージックまで最先端の音楽シーンに立ち会って考えたこと。
「父」を楽しませてやりなさいな。でも、彼の法に服従してはだめ。フェミニズム=「娘のテクスト」は「精神分析の聖典/正典/性典」=「父のテクスト」の内部に入り込み、解体し、未知なる生命を得る。交錯するテクスト間に渦まく欲望を味わい尽くし、精神分析とフェミニズム双方に新たな視座を拓くフェミニズム批評の到達点。
本書の主題は、人口転換と少子高齢化である。人口学の基礎的な概念をわかりやすく解説し、各種の指標ならびにデータの正確な読み方に留意した。人口問題の概論として、人口研究のメインストリームを論じている。最終章では、少子化に対する各国の政策対応の現状分析を超えて、政策提言に踏みこんだ。
性による不平等の是正は、フェミニズムにとっての喫緊の要件である。だが、性差のカテゴリーを前提とした議論は、逆に男女の非対称性を強化し、様々な反動を生み出している。性差のカテゴリー自体の虚構性と、その二項を自明として稼動する現代社会にひそむイデオロギーを暴露することから、フェミニズムの新たな可能性を考える。
西洋フェミニズムの「普遍的正義」の裏に、異なる文化への差別意識がひそんではいないかー。女性であり、かつ植民地主義の加害者の側に位置することを引き受け、「他者」を一方的に語ることの暴力性を凝視しながら、ことばと名前を奪われた人びとに応答する道をさぐる、大胆にして繊細な文化の政治学。
ロレンスが明かす女性の自立の根幹とは?「D.H.ロレンスと自然」という、一貫したロレンス文学研究のテーマの一環に、「女であること」を据えて、ロレンス小説における女性の自立を説き明かした力作、ここに登場。
正当な地位を獲得すればするほど進む若い世代のフェミニズム離れ。それはなぜか。近代主義的な言説の孕む幾重もの屈折を解きほぐす。
女性たちの間には「フェミニズム」への「あき」ともいえる感覚が広まっている。どんなことでもそれが繰り返されると「あきてしまう」。たとえ「問題」が何も解決していなくとも、「問題」の出し方に対して「あき」てしまうのである。本書はこんな感覚を前提として書かれた。自分の中にもあるそんな感覚に付合いながらも「何か変だ。そんなに簡単に結論を出してしまってよいのか」という自問を繰り返すことで書かれた。
多くの要素を簡潔な形にまとめた参考図書。人物、組織、キャンペーンの背景と、裁判事例、目標、達成されたことが含まれている。多くの行動が集中しているアメリカ合衆国とヨーロッパに重点が置かれているが、世界の他の地域に関する項目も多く掲載されている。フェミニズム運動については、序論で要約され、年表で時代があとづけられている。さらに詳しい情報資料を、大量の文献目録の形で提供した。
批判的社会構築主義の射程。グローバル化過程におけるジェンダー・ポリティクスについて、ウェストファリア・システムという制度とその揺らぎとの関連で考察する。
霊長類学、免疫学、生態学など、生物科学が情報科学と接合されるー。高度資本主義と先端的科学知が構築しつづける“無垢なる自然”を解読=解体し、フェミニズムの囲い込みを突破する闘争マニフェスト。
社会政策という政策領域を雇用と社会保障分野の両方におき、それぞれの領域での男女の関係、とりわけ女性がどのように位置付けられてきたかを歴史的に検討してゆく。