数学と物理学を結ぶ興味ある話題である「場の理論」のエッセンスを新しい観点から解説したものです。数学の話題としてだけでなく、理工系の学生にとっても重要な「変分法」とこの応用編である「調和写像」の理論の発展の様子を、その基礎から物理学への応用にいたるまでを、初学者向けに丁寧に解説してあります。
本書は、植物の種多様性の歴史的な展開を、系統の追跡を軸にまとめたものである。
本シリーズでは、日本で植物の種多様性の研究に携わって、世界に伍した成果をあげつつある活動的な研究者が、自分自身の研究成果を軸に、当該領域の研究の現状のとりまとめと将来の展望を整理する総説をもので、それらを集成することをめざした。本巻では植物の種多様性の現在における地球規模の広がりを、植物相の研究を軸にまとめている。
植物を対象とした多様性研究を現時点で総括し、全体像を概観するシリーズ。第3巻では地球上における多様な生物の生きざまを、種を軸に、いろいろなレベルの生き物を対象として解析する課題をまとめ、それらを集成している。
若き日のJ.W.ミルナー(当時26歳)がプリンストン大学で行った講義をもとに、J.D.スタシェフと書き下ろした入門書。ミルナーはこの講義から5年後にフィールズ賞を受賞している。特性類(Characteristic Class)は、1930年代にH.ホイットニーとE.シュティーフェルによってほぼ同時に研究が始められ、微分位相幾何学の重要な概念へと発展した。本書は特性類の理論のみならず、その歴史や変遷までも解説していて、この分野を概観したい学生・研究者に最適の入門書である。
日本語の音声・音韻研究のおもしろさを、できるだけ分かりやすく、できるだけ広範囲にわたって説いてこれからの研究に役立てること、これが本巻の目的である。
家族構成の分析を通して、世界像と歴史観を一変させる革命的著作。
PISA調査で優れた成績を収めている国々、そしてPISA調査の結果を踏まえて教育改革を進めている国々の教育システムについて、その成果の要因を詳細に分析、「頂点を目指す競争」事業を推進するアメリカの教育改革への教訓を主軸として、優れた実践から得られる教訓を明らかにする。
新自由主義(自由市場資本主義)的社会経済システムの欠陥は、2008年の国際金融危機で明白となった。自由市場資本主義を超えて、世界はどこに向かうのか。ポランニーを継承する比較社会経済分析により明らかにし、将来世界を展望する。
アメリカ精神医学会による「BPSDに対する抗精神病薬治療ガイドライン」翻訳版、完成!!認知症医療にかかわるすべての医師、看護・介護関係者にとっての実践書。抗精神病薬治療に関して重要な15の推奨声明を明確なかたちで記載。診療内容の解説を詳述、さらに結論を導くための手法や限界について記載。検索し得たすべての論文について、臨床試験の概要を薬剤ごとに掲載。エキスパート・コンセンサスの情報を提供。
「アメーバ経営」は、京セラを創業した稲盛和夫名誉会長が考案した経営管理手法であり、管理会計システムの仕組みにきわめて優れた叡智が結集されている日本的管理会計を代表する手法の1つである。本書は、アメーバ経営の導入にみる「プロトタイプ(原型)の管理会計システム」と「導入された管理会計システム」との比較分析を行っている。具体的には、アメーバ経営を導入しているホテル2社と、プロトタイプである京セラとの比較考察であり、それらの管理会計システムの「一致」と「相違」を明らかにし、その「多様性」の解明を試みるものである。
創薬や疾患との関わりで注目を集める「TRCチャネル」の最新研究・知見が満載!
●Transient receptor potential(TRP)チャネルは,1989年にショウジョウバエのtrp遺伝子が同定されて以来,世界で精力的に研究され,大きな機能的多様性を有するイオンチャネルファミリーを形成することが示されてきた.
●細胞のシグナル伝達因子や,温度・浸透圧などの環境因子など,物理学的・化学的刺激に対して広い範囲で応答するセンサーとして機能しており,このTRPチャネルは生命の基本的過程において重要な役割を担い,非常に多くの細胞機能に関わることが研究されてきた.
●TRPチャネル機能異常は多くのチャネル病を引き起こし,多くの後天的疾患や癌の発生においてTRPチャネルが重要な役割を果たしていることが明らかにされ,阻害薬あるいは刺激薬の有用性が大いに期待されている.
●TRPチャネルを制御することは,細胞機能,組織機能,ひいては個体機能を制御することにつながる可能性がある.今後,原子レベルでの構造解明がなされれば,TRPチャネルを標的とした薬剤の開発が考えられており,また疾患との関連についても研究が進むことが期待されている.
●本書では,このように多くの注目を集めるTRPチャネルについて,第一線の執筆陣が最新の研究・知見を詳しく解説!
【主な目次】
■はじめに
脊椎動物の温度感受性TRPチャネルの進化的な変化と環境適応
■TRPCチャネル
TRPCサブファミリーの分子構造と活性化・制御機序の新知見
神経・グリア細胞におけるTRPCチャネルの生理学的・病態生理学的重要性
TRPC1/4/5チャネルの生理機能および疾病との関連と標的創薬ーー特異的な活性化薬・抑制薬の発見による研究展開
TRPC3/C6蛋白質シグナル複合体形成の病態生理的意義
■TRPVチャネル
TRPV2を核とした心臓のメカノバイオロジー研究
心筋症・心不全治療をめざしたTRPV2阻害薬の開発
メカノセンサーTRPV2による神経回路形成の促進
温度感受性TRPチャネルと上皮バリア
脳疾患におけるTRPV4の関与
TRPV4とヒトの遺伝性疾──TRPV4病
TRPV4チャネル活性の制御機構
TRPV5, TRPV6と上皮Ca2+輸送
■TRPMチャネル
TRPM4チャネルと心血管の生理・病態生理
TRPM7と歯の石灰化制御機構
■項目別
微生物TRPチャネルの機能と役割
エネルギー代謝調節におけるTRPチャネルの役割
酸素センシングにおけるRedox感受性TRPチャネル
昆虫のTRPチャネルと感覚機能
温度センシング
TRPチャネルと痛み
消化管炎症,内臓痛,味覚受容機構におけるTRPチャネルの機能
カルシウム活性化クロライドチャネルとカルシウム透過性チャネルの相互作用ーーアノクタミン1とTRPチャネル