本書では、種々の加工茶について、その魅力を特に嗜好特性因子の「香り」というものに焦点をしぼって探っています。茶を一つの原点にして30年余り続けてきた香気分析に関する研究の過程と成果を、研究ノートとしてまとめました。
本書は2000年11月22・23日の2日間にわたり東京大学海洋研究所において開催されたシンポジウム「魚類神経科学研究の現状と展望」の内容を中心にまとめたものである。
本書は1部と2部から構成されている。第1部では「免疫の生物学」として、最新の免疫学の基礎的な原理と生物学的意義について解説、第2部では「免疫と病態制御」を扱い、主として臨床に則した事象の理解を助けるための項目を取り上げた。
世界の自然環境と地球環境の動向に関する隔年報告書。今回の特集は「環境の変化と人間の健康」。
マーシャル、ピグーを中心とするケンブリッジ学派、ラスキン、ホブソンを中心とするオックスフォード派が展開した創設期の厚生経済学と福祉国家論、センに連なる非厚生主義的基礎の歴史的な解明。そして、ケインズ、ベヴァリッジによる完全雇用・社会保障構想の実態を、国際共同研究の成果をもとに解き明かす試みである。
日本のコンテンツはどこへ向かうのか?個人の創造性が発揮され、多様性がある、豊かな未来とは?最先端で活躍する執筆陣が、文化創造産業の行方をシャープに分析。
マウスと昆虫の神経回路をつくる遺伝子Slit1/Slit2。ゼブラフィッシュとヒトの体の色を決定する遺伝子golden。胚の段階で細胞の将来を決定するように働くハエからヒトまで共通する遺伝子HOX。-すべての生物の構造・働きをつかさどる遺伝子の、世代を超えて性質を伝える仕組み、進化がおきる分子レベルの場面から、品種改良や犯罪捜査といった実用化の現場まで、遺伝子にかかわるあらゆる分野を鮮やかなビジュアル群とともに一冊に収録。
陶器や金物、野菜など日用品を素材とした一式造り物、物語や芝居の一場面を再現する人形造り物など、近世中期から現代までの多種多様な事例を紹介。自然の模倣として、都市空間の娯楽として造られる、その場限りの民衆芸術の諸相を探る。
ドラマティックな火山噴火は、地球内部で起きているダイナミックな現象と大きく関わっている。それらはどのような因果関係があるのだろうか?本書は、火山学の世界的権威である著者が、火山活動のプロセスと火山学における最新のテーマについて、プレートテクトニクス理論に基づきわかりやすく解説したものである。後半には、噴火予知、噴火が気候へ及ぼす影響、そして最後に火山の恩恵へと、より人類に身近かなテーマに沿った話題が展開される。全編を通じてちりばめられた、読者にとって魅力的であり、またイメージを膨らませる手助けとなる美しいカラー写真とわかりやすい図版は400点にものぼる。本書は地球科学分野の学生や研究者だけでなく、火山に興味のあるすべての人たちにとって、火山や噴火現象への理解を深めたり、またそれらが社会に及ぼす影響や恩恵についての知見を広めることに役立つだろう。
「古英語」「中英語」「中世受容」「通時研究」の4部構成で、31編の論考を収録。中世英語英文学研究における方法論の多様性と、その限りない可能性を探る。
本書は、マーケティング活動の一環である広告をコミュニケーション的行為として社会学的な観点から分析する(「社会学的視点による広告論」)と共に、ある社会における価値観をその社会に存在する広告を通じて分析する(「広告による社会学」)ための方法論を検討している。あるべき理想の広告コミュニケーションの形成に長年心を砕いてきた著者が、様々な広告論を昇華し、たどりついた到達点である。
基礎理論、興味深い応用、そして最新の研究から、代数・幾何・解析にまたがる新たな視点を得る。
グローバル化された世界では、経済と文化は人類史上の危機を迎える。この二大要因を結合して、J.ラスキンの固有価値論を現代情報化社会のなかで再構成し、従来の物的所有社会から知的所有中心の社会へと転換する新たなシステムを構想することが、いま緊急に求められている。自然の固有性を活かしつつ、人間社会の伝統文化と、個々人の創造性開発との共存に最大の価値を認めることにより、創造と知的所有を基礎とした新しい価値観に基づく経済学体系の再構築をはかって、公共政策の新たな方向性を強く示唆する労作である。