国際ビジネスの概要について、近い将来ビジネス社会に参加する若い人々を念頭において解説。これだけは知っておきたい基礎理論と実務をふまえた指針の両面を解説し、経営学的側面のみならず国際ビジネス・経営にとって欠かせない法的な側面にも力点をおいている。
生命の多様化の過程。原核細胞から真核細胞への化学進化と、ヒトの出現まで。
本書は、主にフランスの農業と食品工業を対象として、レギュラシオンとコンヴァンシオンという「市場原理中心主義を脱却し」新しく「制度を重視する」経済理論によって農業問題の経済分析と問題提起を行なった共同研究の成果である。
この地球に生命体が誕生してから、多種多様な分化や進化を経て、今日のように人間をはじめ多くの生物が生存している。この間、爆発的発展をとげた生物種が突然絶滅したり、その後、新たな種が誕生するということが気の遠くなる時間(40億年)の経過に伴い繰り返されてきた。その結果、単細胞生物から多細胞生物へ、水生生物から陸生生物へ(逆の場合もある)、陸生から空中へ、変温動物から定温動物へなどと、その生命体がその時点における地球環境や地理的条件に適応し、より有利な種を残すように進化してきた。この間、個々の生命体は相互依存し合うこともあり、小さな生命体は大きな生命体に寄生また共生し、あるものはミトコンドリアのように宿主の細胞内の一器官に変化する形を選択した生命体もあった。人間にとって有害である微生物でも形質転換することによって、しかもその生命体の特性をうまく利用することによって、新たな生物資源として有効活用が行える時代になっている。これは、あらゆるものが今後、人間の生活や地球環境の保全に有効な生物資源として活用され得ることを示唆する。本書では、全生物をあらゆる局面から考察・紹介することは困難であることから、人間の生活に有益なもの(食糧、医薬品や素材などとして)や自然環境の完全に活用されているものに生物資源を限定した。従って、ここでは生物産業学を学ぶ者にとって参考となるような微生物、植物、昆虫、魚類から哺乳類までの生物種を拾いあげ、その資源的特性や利用価値(活用例)などについて紹介した。
本書は、自然科学の立場から地球規模の環境問題を解説した、一般教育用の「環境科学」のテキストである。まず、現在の環境問題に大きく関わっている、化石燃料、原子力、新エネルギーなどのエネルギーについて解説した後、大気汚染、酸性雨、オゾン層の破壊、地球の温暖化、および生態系への影響についてわかりやすく解説する。数式の使用は最少限にし、図・表を多く用い、また本文中に小問を設けるなどして、自然科学になじみのうすい学生が理解できるよう配慮している。やや発展的な内容やトピックス、環境に関する統計データなどはコラム記事として説明を加えている。
本書は、最近のミクロ的基礎付けを重視したマクロ経済動学の理論・実証両面にわたる論文集である。
科学の危機を乗り越えるために。人類が月まで行ける科学技術の確立と、大震災やタンカー事故で思い知らされる科学技術の不在。こうした科学のひずみの拡大は人生の中年期の危機にも似ている。著者は、心理学の成果を援用して、科学に女性性を統合する必要を説く…。
本書は、「雑草とは何か?」を自由に考える研究会(雑草学会小集会)の討論課題を補強するかたちで、雑草にかかわる歴史、分類、適応、進化、生活の仕組みといった課題を収録したものである。いずれも専門的な解析に加え、人間の生活とかかわる植物である雑草のたくましい性格を考察している。「雑草」に対する執筆者ごとの解釈の違いは、雑草の認識が、どのように多様であるかを示している。本書では特に雑草に関する歴史や生物学的な特性を人間の文化や生活とのかかわりを踏まえて解説することにつとめている。また、できるだけ広い視点から雑草の種類を含めるようにしている。
本書では、免疫現象の特殊性と普遍性について、まずはじめに「総論」でふれた後、各章においては免疫系に特徴的な現象を分子レベルで理解できるように解説することを試みた。免疫全般を網羅しているのではないが、最近特に新しい進展がみられる分野に重点をおいて免疫学の特殊な現象、機構について紹介、解説し、疾患との関わりについても強調した。
熱帯などの知らない土地で、次から次へと思いもかけぬ形態と色彩を持った虫を採る時ほど無上の喜びを覚えることはない…。全世界に数百万種といわれる昆虫の世界の尽きせぬ魅力を語りつつ、ウォレスやファーブル以来の「虫と人」との関わりの歴史を説く。多様性を重んじる構造主義生物学の視角から、いまだにダーウィン進化論の影響を抜け出せない現代のネオダーウィニズムを鋭く批判した好著。
巨大な脳を手に入れたヒトは、生殖目的のセックスに飽き足らなくなり、自由で気持ちよい性に目覚める。やがて始まった性の逸脱。SM、ロリコン、フェティシズム、若年化、セックスレス…。私達の性はどこまで複雑化するのか。
近年、保健活動はヘルスプロモーションに見られるように、地域住民の思い(主観性)を重視する方向へと発展している。一方、福祉活動においてもノーマライゼーションは対象者の思い(自立性)の重視が基本である。ここに地域保健福祉という理念の根拠がある。とはいえ、地域保健福祉の実践はさまざまな要素が絡み合う複雑な活動であり、そう簡単に割り切れるものではない。本書で提起したのは、複雑な事象を無理に単純化してしまう誤りをおかさないための分析法である。その意味で、地域の保健福祉の従事者が日頃の貴重な体験を客観化し、分析し、表現することに役立つものと考える。また、本書で述べた地域保健活動の展開は「生活者としての多様性を持つ個人と地域社会(コミュニティ)をつなぐ」という今日的な課題に寄与するものでもある。保健・福祉・医療にかかわる人のための基本書。