カタストロフィー理論は、およそ四半世紀前に世界的な一大ブームを巻き起こした。本書は、その根幹である初等カタストロフィーの主定理「R.トムの分類定理」の証明をその基本から厳密に展開する。
グローバリゼイションの名の下に、先進国とりわけ欧米諸国は、WTO(世界貿易機関)を媒介に「特許獲得」と「遺伝子工学」という新しい武器を巧みに使って、第三世界を再植民地化しようとしている。これはコロンブス以来行なわれてきた植民地政策の究極の形である。グローバル化は、長い時間をかけて世代を通して培われてきた「地域固有の知識」の価値を否定するばかりでなく、生命自体をも植民化しようとしている。市民は生物学的多様性と文化的多様性を守るために立ち上がらなければならない。世界的な環境科学者・物理学者の著者による反グローバル化の思想。
市場経済移行とはどのような変動なのか。歴史的文脈の中で、移行の初期条件とその展開を考察するとともに、その行方を解明する。
ファイバー束(fibre bundle)の概念は、1930年代に生まれ、Chern、Pontrjagin、Stiefel、Whitney、Milnor、Hirzebruchなどの研究により、微分幾何学、位相幾何学、(ゲージ理論などの)数理物理学において、欠くことのできない重要な概念へと発展してきた。本書は、ファイバー束、K-理論、特性類などの基礎的な概念を位相幾何、古典群、可微分多様体などの手法を用いて、懇切・丁寧に解説している。この分野の全体像を把握したいすべての人に必携の入門書である。
どこの学校にもいるセクシュアルマイノリティの子どもたち。当事者の視点から「人権と共生の教育」に新たな一歩を刻む。
グローバル化が進むなか相互に絡み合うエネルギー・食料・環境問題。
「言語学の本当の対象は語である」という立場から形態論に切り込む。「日本の言語学」への大いなる問題提起の書。
灼熱のサバンナで暮らすアフリカゾウ。彼らの耳はなぜあのように巨大なのか?どうしてニワトリの脚は赤いのか?ヘビのような形をした哺乳類がいない理由は?なぜ酷暑の砂漠でラクダは分厚い毛皮をまとっているのか?恐竜=温血動物説は立証できるか?気が遠くなるほどの時間をかけて進化がつくりだした生物の世界は、途方もない多様性と驚きに満たされている。果たしてそれらを一貫して説明できる原理はあるのか?あるとすればそれはどのようなものなのか?著者レイヴァーズは、数々の化石証拠や奇妙な現生動物たちに材を取り、彼らの形状や大きさ、その暮らしぶりにまつわる謎に迫ってゆく。この探究において中心的役割を果たすのが、生命活動に不可欠なエネルギー生成と熱処理を担う「代謝エンジン」の原理だ。一見したところ複雑きわまりない生物や進化のありようも、「代謝エンジン」の観点から眺めれば、驚くほど明瞭なかたちをとることになるのだ-古生物学、進化生物学、生態学をはじめとして、関連する諸分野を意欲的に横断。多数のイラストを交えた実例と、わかりやすくも高度な議論で巧みに織り上げた、斬新かつ面白く読める最良の入門書。
本書では、電子・電気的機能、熱的機能、機械的機能、化学的機能、光学的機能、表面機能、生態機能の7分野24種の特殊機能を持ったコーティングを取り上げ、斯界の第一人者の方々に、最新の技術開発の動向について執筆頂いている。
航空機事故は、いま急速に多様化している。それは航空機が輸送手段として確立し、多くの人が航空機にかかわるようになった結果と私は考えている。この多様化した航空機事故の新しい「流れ」を示そうと思い、この本を著した。この本で私は、一九五〇年代以後に起きた主要航空機事故六五件を、主観に基づき、事故の「流れ」の中に位置づけた。これにより現代機の弱点や今後の事故の趨勢を示す。
本書は、都市ー農村ー山村という「地域」における、経済生産から環境福祉までの広範な世界を扱おうとする専門家、技術者、学生、市民にとって、出来るだけ必要な、そして具体的に知っておくべき話題を取り上げ、地域環境科学のための「知の博物誌」を編集したものである。
絶滅危惧種やさまざまな生態系、法制度、時事問題など、生物多様性を学び、守るための100語を解説。
1999年7月に食料・農業・農村基本法が施行された。旧い農業基本法の制定から数えて、実に38年ぶりの新法である。2000年農業センサスは、この新基本法施行直後の2000年2月1日に実施された。したがってそこには、良くも悪くも、農業基本法下の農業と農村の到達点が記録されているわけである。と同時に、2000年農業センサスは、新しい基本法の時代を迎えて、日本の農業と農村のいわば初期条件を描き出している。本書は、このように文字どおり節目の年に実施された農業センサスの結果を分析した成果である。
性も「十人十色」。性同一性障害と同性愛の人びとが協同してつくった初めての本。