本書では、全生物をあらゆる局面から考察・紹介することは困難であることから、人間の生活に有益なもの(食糧、医薬品や素材などとして)や我々を取りまく自然環境の保全に活用されているものに生物資源を限定した。従って、ここでは生物産業学を学ぶ者にとって参考となるような微生物、植物、昆虫、魚類から哺乳類までの生物種を拾いあげ、その資源的特性や利用価値(活用例)などについて紹介した。
本書は1部と2部から構成されている。第1部では「免疫の生物学」として、最新の免疫学の基礎的な原理と生物学的意義について解説、第2部では「免疫と病態制御」を扱い、主として臨床に則した事象の理解を助けるための項目を取り上げた。
1分子観察や蛍光イメージングで明らかになってきた生命のしくみ。最先端技術の解説から最新の研究内容まで、これ1冊でつかめる。
能力、生態、体、数にせまる。イルカを研究したい、クジラを調べたい人のための最新学。
約50年前、世界で初めて著者が水産生物の集団遺伝の研究を始めたとき、国内でその真の価値に気づいていた人は皆無に等しかった。しかし現在、増養殖、管理漁業という面からも欠くことのできない実際的な学問として重要な位置を占めている。国際的に高い評価を得た研究の奇跡と今後の課題を詳述する。
脱「開発」論の旗手による文明変革の論理。経済効率至上主義と日常的消費行動の全面的見直しが環境・貧困・エイズ・暴力・モラル・南北問題の最大の知的解決法。
本国をはるか離れた中東地域で、二〇世紀初頭まで流通したオーストリアのマリア・テレジア銀貨。製造コストが額面よりも高い銅銭を発行し、しばしば「良貨が悪貨を駆逐する」事態をつくりあげた中華帝国。インドで流通した桁はずれの零細通貨、モルディヴ産貝貨…。日々の営みに欠かすことのできない貨幣。しかし、その歴史はいまだ謎に満ちており、「貨幣とは何か」という問いは、わたしたちを惹きつけてやまない。貨幣と市場の複雑で多層的な世界を「非対称性」という概念を手がかりによみとき、世界史のなかの貨幣現象を根本的にとらえなおす。古代から現代まで、グローバルな視野のもとに提示される、新しい歴史=貨幣論。
戦前から日本有数の商工業地帯であり、戦後重化学工業化の波に乗り、急速な大都市化を遂げた大阪。東京と比肩し「二眼レフ」構造を担ってきた大阪は今、産業構造の転換とともに「地盤沈下」「ローカル化」が進み、地方中枢都市と比肩されるまでその地位は変化した。本書は、大都市大阪の来歴から現在までの実態を把握し、その「特殊性」「固有性」を踏まえつつ、新たな政策・産業の動向を検証し、大阪再生のあり方を探る。
自国中心の狭い歴史・文化認識におちいらず、世界の多様性とどのように向き合うべきなのだろうか。これまでの枠組みにとらわれることなく、日本史・歴史学の最新の知と方法を多面的に紹介する。
金利自由化、銀行の大衆化がもたらしたものは、多様な金融商品・サービスの「生産者」「販売者」としての銀行であった。ドイツに30年余遅れて金利自由化をはたした日本が、いまドイツと同じ途を歩みはじめようとしている。戦後ドイツの経験と仕組みに学ぶ。
ビジョンの確認から設計、導入まで、ステップごとに細かく解説!。日本経営品質賞のプログラムを活用した改善・革新活動にとりくむ企業が増えている。また、バランス・スコアカードの活用を検討している組織も多い。この2つのプログラムをうまく活用して、表面的な導入ではなく、真の狙いである経営品質の向上を実現するにはどうすればいいのか?実践経験豊富な著者が、その活用のガイドを示す。一貫性のある、効果的な経営を目指すために…。
言語の科学は今まさに飛躍的に進歩しようとしている。かつて、化学物質の多様性は頭を悩ます問題であったが、化学者は、元素の周期表によって、多様性のなかに秩序と予測可能性を見出すことができるようになった。それとおなじように、新しい言語理論は、言語の多様性がすべての少数のパラメータで説明できることを示してくれる。パラメータを使えば、地球上に出現可能なすべての言語をつくるレシピが書けるはずだ。
日本には10万種を越える姓が存在し、その中には200万人以上が名乗っているものから、親戚以外にはまったく同姓がいない希少なものまである。この多様性は、どのようにすれば保たれるだろうか。夫婦別姓の問題が主として個人の権利という観点から論じられる中で、姓の種類の多さを文化的な豊かさの指標の一つとしてとらえ、多様性の維持という「生態学的」観点から姓のあり方に迫る。
本書は、制度の集合として経済システムをとらえることでその多様性とダイナミズムを分析する比較制度分析に基づいて、組織の経済的環境に対する業績管理会計の適合とその国際的多様性の要因を解明するための現実解明的な比較研究の成果を公開する目的で公刊するものである。当該要因を解明することは、内外の優れた国際比較研究による国際的多様性の社会的、文化的要因の解明を相互に補完し、経済学分野における経営管理システム総体と経済制度の補完性の解明の深化に資するとともに、文化的要因等に比して相対的に短期に変化する経済的要因、とくに報酬・雇用期間・技能形成を通じて制度的補完性を有する雇用システムにおける経済環境の変化にともなう変容に対する適応の研究に基礎を提供することが期待される。