複雑さ・知識・学習を重視する現代進化経済学の立場から、20世紀の新旧のユートピア(中央集権的社会主義、純粋自由市場経済)を批判し、資本主義を超えた、将来の実行可能な社会経済システムを展望する。
自然遺産の4つの登録基準の一つに「生物多様性の本来的保全にとって最も重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには、科学上、または、保全上の観点からすぐれて普遍的価値をもつ絶滅の恐れのある種が存在するものを含む」という基準がある。本書では、この登録基準を満たしている主な世界遺産を特集。
市場や生命という複雑なしくみを解明する新たな方法を、著者たちは「逆システム学」と呼ぶ。それは、新古典派経済学や遺伝子決定論などの主流の学問研究を批判し、市場や生命の本質を多重フィードバックのしくみに見出すというものだ。経済学と生命科学の対話から浮かび上がる、まったく新しい科学の方法論。
「環境と企業」が21世紀の企業活動のキーワードなら、今まさに「経済大国」日本は何をすべきなのか?「環境と企業」を知り尽くし、日米の経営にも熟知した著者が答える21世紀の企業経営の本質。
ローカルな視点で資源・環境問題の実態を捉え、持続可能な発展を地球規模で考える。地球存続のために第一人者が提示する環境人類学の視点。
有機化合物の官能基が分子の構造や多彩な反応性を決定する。有機化学とはいわば官能基の性質を知り、その分子変換を研究する学問とも考えられる。本書では、有機化合物を官能基別に整理し、分子変換を体系的に学習できるように構成した。豊富な実例を示しつつ反応機構を簡潔にまとめた、有機化学を深く知るための格好のガイド。
形態学を成り立たせ、人々に興味を呼び起こすものは、形に含まれる「意味」である。生物の形態については古くからさまざまの説明ないしは意味づけがなされてきた。本書はそれらに検討を加えながら、生物の形とその意味について考察し、同時に、形態学とは何をする学問なのかを明らかにする。専門の解剖学の知識をフルに活用し、生物学をはじめ哲学や文学まで古今の文献を豊富に引用しながら、興味津々の議論が展開される。科学嫌いの人も思わず引き込まれる、破格の「形態学総論」である。
自然と人間がつくった“宝物”=里山。自然保護にかかわり三〇年余の植物生態学者が語る、トトロのふるさと財団設立。
森を破壊する文明から、森を核とする文明へ「森」から都市と自然を再生する。
明治以来130年余り。その間、日常普通に使われる日本語も大きな変貌をとげてきた-意外に知られていない現代日本語の語形や表記などの変化の過程を豊富な用例をあげて紹介する日本語エッセイ。
「アメリカ」とは何か?「民主主義」「発展」の裏に潜む、複雑な人種・民族問題、国家概念、支配・差別構造を歴史史料の緻密な分析をもとに時代の流れの中で的確に捉え、鋭く解き明かす。
エネルギー資源の消費国は現在、エネルギー源の多様化とエネルギー資源調達先の多様化とを同時進行させている。それがエネルギー消費国のトップ・プライオリティーとなっている。海上輸送路(シーレーン)とパイプラインの安全確保は、エネルギー資源のサプライ・チェーンを構築する上で不可欠の要素である。とにかく、エネルギー資源の消費量は、今後確実に増えていく。殊に、開発途上国の伸び率が高くなる。この顕著な例が、中国とインドである。では、エネルギー資源供給国はこのニーズに的確に応答できるのか。本書は、21世紀におけるこの火急な問題を分析の対象としている。その問題点は多岐に亘る。それをすべて網羅することは不可能に近い。だが、主要かつ緊急の課題については、その大半を包括していく。加えて、ミクロ分析にも眼を向けた。分析の内容を深めるためである。こうした作業を経て、本書は完結する。
もうネット社会に幻想はいらない、いま実像こそ必要だ。豊富な調査データを基に北欧や中国、韓国、アメリカを比較分析しながら、日本のネット社会の実像(ネットワーク・リアリティ)を浮き彫りにし、低迷する日本を根本的に変えていくシナリオを描き出す。
本書は保全生物学の入門書を意図している。保全生物学は21世紀にはわれわれにとって最も重要なもののひとつになるだろう。これは、遺伝子、種、および群集を枯渇させずに利用できるよう自然界についての情報をもたらすことにつとめ、われわれの惑星の豊かさを特徴づける生物の多様性を維持することを目的にしている。われわれは重大な挑戦を受けているが、それに正面から向かい、われわれがこの仕事を行なうための道具となるような知識を急いで開発しなければならない。このテキストは主として大学生レベルの教材として書かれたものである。本書は、読者が生物学についての基本的な知識を持ち、またある程度は生態学について知っているという前提で書かれている。