海の環境破壊が進む今日、本書では「オーシャン・ガバナンス」として自然科学はもとより社会科学の諸分野も含め、課題をトータルに取り上げ、人間と海との共存という変わらない人類のテーマを追究する。
森の構成者としての菌類(カビ、キノコ)を学ぶ。日本の森のミクロ生物学。
暗闇の空間に明滅する数多くの小さな光たちー近年、環境問題が我々の身近な問題になってきたのと同時に、ホタルへの関心がものすごい高まりを示している。本書では、この魅力的な昆虫の生態や生息環境から、飼育の方法、そして保護の話題に至るまでを、最新の知見を交えて、ビジュアルに紹介していく。自然環境を考える上での身近な指針にもなりうる「ホタル読本」の決定版。
本書は、広く生物進化の事実を明らかにし、生物進化を裏付ける多くの進化論や進化学説の発展過程を歴史的に解説した。読者には生物進化の全体像と主要な問題が容易に理解できるようにまとめてある。
生物はどのようにして今日の姿と形をもつようになったのか。目を見張る生物の形態は、個体発生を制御するメカニズムの進化によってもたらされた。驚くべきことに、ヒトもハエも同じ遺伝子群を使って進化してきたことが明らかとなった。ゲノム解析技術、遺伝学の成果、化石の新資料の発見を結びつけることで、動物・植物の発生と進化が共通の言葉で語られる。最新の研究成果を紹介するとともに、研究史の読み解きを通して、進化発生学の未来を考える。
本書では生命を環境というさらに広い脈絡で捉えてみた。生命体にとっての環境、人間にとっての環境、そして環境関連の制度・政策に関わる問題を学際的に考察することで、生命と環境についての新たな視点を獲得し、そこから現代の社会にふさわしい制度や倫理原則を構想するとともに、従来は分離されていた生命倫理と環境倫理とを統合的に捉えることをめざした。
二十世紀後半、人類は多量の資源を消費し、廃棄物を自然界にまき散らすライフスタイルをエスカレートさせた。そのため自然の多様性は失われ、固有種の絶滅、異常気象の発生など、多大な影響が地球規模で発生している。環境を改変する力を持つ唯一の生物であるヒトは、今こそ、持続可能な生態系を再生させるために叡智を結集しなければならない。里山再生や淡水生態系の復活など、自然再生の思想と方法をやさしく解説する。
古生物学は地質学とともに発展してきた。本シリーズの他の巻が古生物を対象とする生物学という視点に立つのに対し、この巻は、古生物学を地質科学との関連でとらえ、また生命の変遷を時間の流れの中に位置づけ、その視点から古生物学を紹介しようとするものである。この巻の前半では、古生物学から地質科学への貢献や、古生物研究の地質学的基礎などについてさまざまな角度から議論する。また巻の後半では、これまでの巻で扱うことができなかった地球生命史の視点で、時間軸に沿って総括的に、生命の進化・発展を概観する。いわばこのシリーズの締めくくりの部分である。
プロバイオティクス(保健効果)による特定保健用食品や薬品、バイオプリザベーション(食品保蔵)、生分解性プラスチックなど、伝統的な食品技術を基盤として多方面に発展しつつある乳酸発酵の研究開発最新事情を紹介。
歴史・文化・文学から読み解く言語の宇宙。スペイン語研究の歴史的名著、待望の翻訳。
「社会的企業」という新しい概念から、EU全15カ国の事例を詳細に分析、ポスト福祉国家におけるサードセクターを再定義して、経済と社会の転換と再生を理論的実証的に展望する意欲作。
社会に分散している才能や情報をネットワークで結合すれば、新たなエネルギーを生み出すことが可能だ!高齢化、環境問題、セキュリティ問題をチャンスに転換し、日本を世界のフロントランナーに変える画期的提案。
高校の生物教科書に失望した著者は、もっと面白い生物の教科書を作ろうと思い立つ。そして生命の起源、生物の多様性、免疫とアレルギー、脳と心の問題、がん細胞と遺伝子の関係など、日常生活に関わるテーマも盛り込み、生物学特有の概念や用語を分かりやすく解説した。最新の研究成果も随所で紹介し、各章には便利なサマリー付き。知的刺激に富んだ、現代人のための新テキスト。
東方拡大、さらに憲法条約の採択を成し遂げたEU。その先にあるのはいかなる共同体の姿か。果たしてEUは国家をも超えるのだろうか。この問いに答えるために、そもそもEUはどのような組織から構成される政体であり、また統合の起点となった1950年代から現在に至るまで、各国がどのような交渉をつみ重ねながら深化・発展させていったのかを明らかにしながら、その将来像を考察する。
人間は、遺伝によらない継承手段である文化を獲得した。それは脳の進化における小さな一歩であったが、生命の歴史上最大級の出来事となった。本書では、この出来事を出発点として動物の生き方と人間の生き方の違いを探り、人間理解をめざす。