「統計学=数理統計学」の常識を覆す。統計学体系、科学としての統計学のあるべき姿の問題提起。これまで日本で紹介されてこなかった、ソ連での統計学論争(1970-80年代)。そこで議論された、統計学体系における一般統計理論、社会統計学の位置づけとは?そして数理統計学との関係は?統計学の学問的性格を検討する試みが、今ここに。
霊長類学、免疫学、生態学など、生物科学が情報科学と接合されるー。高度資本主義と先端的科学知が構築しつづける“無垢なる自然”を解読=解体し、フェミニズムの囲い込みを突破する闘争マニフェスト。
国際化時代を迎えようとしている今日、そして人々の価値観も多様化しつつある現在、あらためて平等とはなにかを探求することが重要である。本書は、このような平等論のなかでも、最近活発な展開をみせており、かつその重要な分野をしめる男女平等論の体系化を試みたものである。
福祉政治の動態は、北欧でも、大陸ヨーロッパでも、イギリスでも、旧来の「3つの世界」の枠を越え出ようとしている。福祉国家はどこに行くのか。本書は、各国の動態分析をふまえて、福祉国家再編にかかわるキーワード群を掘り下げ、21世紀の福祉国家を展望する。
国境を越えるフィリピン人たちの日常と「戦術」をみる。国境を越えて広がるネットワークのなかで多様な背景をもつフィリピン人たちは、様々な問題にどのように向き合い日常を生きているのかー個人を中心とする民族誌の実践。
社会学の視点から、英国が1980年代以前の英国病(英国産業の衰退)を、「サッチャー革命」によってどのように克服してきたかについて、「企業と社会」の関係と、当時の産業の状況を踏まえ検証。さらに、英・米・日における企業社会を比較考察し、今後の企業社会のあり方を分析・追究している。「企業と社会」の関係をより客観的に、より公平な視点から捉え、様々な企業における事例を取り上げることによって、組織と人間の関係、組織理論、企業経営理論、労働への動機づけ、人間疎外、従業員のモラール、といった社会学的テーマを多角的に分析。それらがいかに「企業と社会」の関係改善のために役立つものになるかを実践的な視点から指摘している。
古代から近世にいたる台所空間の呼称を系統的にまとめることでその実像をとらえると共に、台所の原点である火と水の空間の成り立ちと地域性を建築計画的視点で分析。さらに戦後、「はれ」の空間となるまでの台所の発展過程と、そこで働く女性像の変容から、21世紀の家族のゆくえと台所のかたちを浮き彫りにする。
いかに虫に魅せられ、究めてきたのか。東西の「虫屋」の著述、人生観などを披瀝。虫と人とのただならぬ関係を明らかにする。東西の昆虫家のプロ・アマを問わず、後世に残るような本を著した人物について、その著作と評伝を書いた。