本書の目的は文化人類学的調査によって得られたデータをもとに、以下の二点に焦点を当てながらスリランカ南岸海村の家族と地域社会の変化を考察することである。第一に家庭運営に責任をもつ女性の役割に注目する。アジアの海村は近年になって開発政策の影響を受け、グローバルエコノミーに巻き込まれ、その生産活動や人々の生活は急激な変化の途上にある。このような変化に家事の担い手である女性はどのようにし対応し、いかなる生き方を選択しているかをみていく。第二に漁撈活動を通じて、独立性の高い家々の集合体として臨海域で生活してきたこの地域の人々が、国家の政策に呼応する形で地域的なまとまりのある実体として集合していく過程を迫っていく。
女性史・女性学の成果。「女らしさ」をはじめ、文化として形づくられた女性像を問い直し、男性中心の思考法を再検討する。新しい女性像を確立するために。
相談は臨床的であり、社会的実践である!「相談の女性学」研究から導き出された勇気と批判的視点によって、相談という社会的実践の力を明らかにし、理論化して多くの人びととの共有をめざす。
変化の直中にあるアボリジニ社会。その歴史的背景や社会的実践のあり方を、しなやかで力強い生き方を見せる女性たちに着目して描き出す民族誌。男女の関係や平等のあり方は決してひとつではないことを示し、人類学的方法のオルターナティブを提案する。
本書は、わが国で行ってきた労働衛生工学の各課題はもとより、欧米のインダストリアルハイジーンで扱っている課題まで広く網羅して、労働衛生の国際化にも対応できるように考えている。
子どもの育ち方や遊び、女性の表出的役割などから、「自分探し」、ノスタルジー、孤児物語、ユーモアに至るまで、業績達成を超えて自由を考察し、アイデンティティを再編する。
“ジェンダー”と女性の“病”が交差するトポスでいま、何がおこっているのか?理論と実践、大学と現場、個人と社会はどう関わるかを真摯に問いかける気鋭の論集。行政・NPO・研究に携わる9人の報告。
人口減少社会の到来を前に、その原因を分析し展望を示す。男女の就業、子育て、家族の変化をふまえ、持続可能な社会のあり方をさぐる。社会政策学会第109回大会の大会報告を中心に編集。
社会保障は、幅広い生活の場において、最も有益・有効な制度であり、高齢化の中で、その帰趨は日本の前途を決定づけるであろう。社会保障の将来像を追究し、現在深刻化しつつある諸矛盾・諸問題に対し、分析者と研究者の目を持って見極めてきた著者の、永年にわたる研究・実践活動の集大成である。
なぜ、ひとりで生きる女性が増えたのか。彼女たちは、「家族への愛」と「自分らしく自由であること」を天秤にかけ、悩み戸惑いながら、自らのありかたを探しているところなのだ。フランス語版マリ・クレール誌に寄せられた手紙から読み解く、シングルの矛盾、現実、そして希望。