本書は故国分義行教授と佐伯節子教授の『保育者のための小児栄養学』を全面的に改編した新版である。最近の小児栄養学が乳幼児の栄養学から、さらに上述の社会的変動に伴う学童・思春期の栄養学にいたるまで、その重要性が大きくなってきたので、従来の記載に最近の問題点を含めて広く詳細に記述することにしている。またわが国の最近の保育環境も「健康児の保育」から「病児を含めた保育」に拡大する状況を配慮して、「病児の栄養」についての基礎的な知見も加えている。
近年、健康指向が強まるとともに、ますます栄養学の重要性が認識され、またその発展も著しい。しかし人の一生には、さまざまな段階があるうえに種々の環境下にもおかれるので、健康を目指すためには、それぞれことなった段階・環境での正確な栄養学的対応が必要とされる。
1997年、「精神保健福祉法」が制定され、精神障害者への福祉の適用がなされるに伴い、精神保健福祉士や臨床心理士、社会福祉士、介護福祉士の諸資格制度、行政機関等におけるメンタルヘルス活動などが重視されている。本書は、将来これらの活動に携わるべく医療・看護・介護・福祉について学ぶ人々のための、臨床心理学、精神保健学の入門的解説書。発達の各時期の特徴とその時期に起こりやすい不適応症状、性と心の関わり、メンタルヘルス活動(治療・援助)の実際とその問題、の3つを柱とし、臨床事例を挙げながら、わかりやすく解説する。
日々の出来事から四季折々の話題までを心のキャンバスに描き出す名コラム。和英対照。本文漢字に振り仮名(総ルビ)付き。大学受験や就職試験に頻出。社会人の実力養成にも最適。
21世紀の幕開けを機に、糖尿病をもつ小児および思春期の青年のQOL向上を目指して、糖尿病管理のガイドラインを示したものが本書です。本書の内容は必ずしもすべてが学術的証拠に裏づけされているわけではありませんが、日本の小児・思春期糖尿病専門家の臨床経験を集積したコンセンサスガイドラインといえます。
昭和初期・東京-。不器っちょで筋骨薄弱、おっちょこちょいで鼻っ柱の強い江戸っ子らくだ君が、超ハイカラな中学校に入学した。個性的なクラスメートや先生に囲まれて、ケンカに恋愛、受験、性への目覚めなどを面白おかしく経験していくらくだ君。…だがやがて日本は果てしなき戦争の時代へと突入して-。昭和56年に出版された『学徒兵らくだ君』で人気を博した“江戸っ子らくだ君”が、ふたたび平成の世に帰ってきた。
糖尿病の患者さんや家族へ療養指導していると、いろいろな質問や疑問にうまく答えられず悩んだり迷ったりしたことは、医師に限らずあらゆる医療スタッフが経験されていることと思います。本書は、普段の診療時に医師、看護婦、薬剤師、栄養士、臨床検査技師、運動トレーナーが患者さんや家族からいろいろ質問された中から116問の質問とそれに対する答えと解説、ポイントをまとめたものです。
小児の食生活についての知識と技術を習得するための一冊。単に、食生活の知識と技術だけが述べられるのではない。食生活の基盤となっている子育てとの関係、とくに生活全般のなかで、子どもにいかに適切に食べさせることができるかを習得できるように解説されている。
どんな人でも、人を信じたいという気持ちがどこかにあるのではないか。他人というよりも、実際は他人を信じることができない自分自身に対して、信頼感をもてなくなってきているのが今の世の中なのではないだろうか。自分を信じられない、自分を大事に思えないという不安や苛立ちこそが、今、私たちのこころの奥底に深く根を張っている、そのものなのではないだろうか。では、人や自分を信じるというのはどういうことか?誰かを信じる強さというものがあるのなら、それはどのように発達していくのか?また、傷ついてしまった信頼感があるとすれば、それはどうやったら回復に向かうことができるのか?本研究は平成10年3月に筑波大学で博士(心理学)号を取得した論文「思春期以降における信頼感の発達」をもとに、補章「幼児期における信頼感の発達」を加筆し、まとめたものです。
本巻のテーマは「思春期・青年期」である。20世紀最後の10年にブレークしたわが国の学校教育におけるLD課題を土台に、21世紀における生涯学習体系の中でのLD課題に目を向けた。
(少年たちの)ショッキングな事件は、特異ではあるが、決して一般の子どもたちと無縁な世界の出来事ではない。子供たちに今、何が起きているのか、どうすれば「生きる力」を育むことができるのか。何がそれを阻んでいるのか。取材班は、時代がもっともよく反映される「事件」の現場に入り、その「理由(わけ)」を探ることから、取材をスタートさせた。
「家庭」+「学校教育」+「社会システム」気鋭の精神科医が3つの観点から子どもの心理を映し出す。
本書は、小児・思春期精神医学の臨床で遭遇することのあるさまざまな症例を記載して、精神医学的面接に関するさまざまな技法を具体的に学ぶことができる。
本書では、生理的特性を中心に展開されてきた栄養管理にとどまらず、食糧難の時代から飽食の時代を迎え、生活習慣病が危惧される今日、生活習慣の現状と問題点についてどう対応していったらよいのか、あわせて栄養管理の観点から考えてみた。
本書は思春期の暴力に関する対応と援助の要諦を説いた実践的な臨床書である。暴力を振るう若者を理解するためのキーワードとして、「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」の二つをあげ、臨床家としての視点から、今子どもたちの心に何が起きているのか、どうすれば立ち直らせることができるかを、事例に沿って詳述した。子どもの暴力のみを取り上げることで親の暴力を見逃す危険性を指摘し、暴力を生む条件としての虐待、PTSD、憑依・多重人格、また治療困難な来談しないケース、重症例のための入院治療の実際までも紹介している。
存在の意味は時間であり、時間とは私自身である。自己と他者の共通の場所としてのあいだ=いまが未来と過去を創り出し、時間の流れの源泉となる。分裂病の本質をアンテ・フェストゥム的意識における絶対の他の不成立にみる木村精神病理学の真骨頂。