中国の教育と経済成長との関係について、さまざまな側面から分析。各種統計資料から新たに推計した系列による経済分析に加え、独自のフィールド調査によって得られた情報なども踏まえて中国の現状とその問題点を明らかにしている。またコラムではフィールド調査やインタビューを通して得られた話題や著者自身の滞在経験等を紹介。
第1部では、各項目をアイウエオ順に整理し、説明。第2部は、相互に関連性のある詳しい記述から成り、恋愛や性生活に関する事柄を、生物学、人間の感情、法律学の面から見たり、お互いに影響し合う要素という面から見たりしながらていねいに紹介。
グローバル化の進展の今日、すでに1970年代初頭、従来の「白豪主義」を一擲し、国是として「多文化主義」を推進してきたオーストラリアの歩みは、今や全世界にとって貴重な経験である。同国の言語教育政策の詳細な分析・考察を通じて、多文化主義が内包する「多様性」と「統一性」との矛盾・葛藤、さらにその持続的努力が拓きつつある「共存」の可能性を具体的に描き出した労作。
教育の質的向上は、OECD加盟各国の重要な政策的目標である。世界中で、あらゆる人々に生涯学習を利用可能にする機会を付与するための大規模な教育改革が進行中である。本書は、各国の豊富な実践の検討を通じて、それらから教訓を得られる機会を提供するものである。本書では、政策課題と、各国の動向の最新のレビューとその評価を収録している。
本書は、OECDが行った世界中のスクールリーダーシップの政策と実践についての研究に基づいている。様々な国際的な見方をすることで、4つのテコ入れ政策(責任の再定義、仕事の分散、魅力的な専門職、技能の開発)と幅広い政策オプションを明らかにして、政府がすぐにでもスクールリーダーシップを向上させ、将来に向けて持続可能なリーダーシップを構築する一助となるものである。
民主主義は必ずしも持続可能な発展を保証しないし、民主主義が持続可能な発展の不可欠の前提条件というわけでもない。それどころか、ときとして相互に敵対しさえする。民主主義の制度の下で、民主主義の正規の手続きに則って、持続可能な発展を阻害する近視眼的な公共政策が次から次へと決定され実施されることがあるという、民主主義の「病理」をどうすれば克服することができるのか。本書は、この難問に挑戦しようとしたものである。
音楽が伝えるものとは?音楽が聴く者の内面にもたらすものとは?『魂のエヴァンゲリスト』(辻荘一賞)、『マタイ受難曲』(京都音楽賞)を著した気鋭の音楽学者による、渾身のバッハ、ワーグナー…論の登場です。音楽への感動・情熱を根底におき、「キリスト教と音楽」を中心テーマに研究を深めてきた著者が長年にわたって綴った濃密な作曲家論であり、同時にオルガンについてのやさしく詳細明快な解説や、一三種の「パルジファル」録音の聴き比べなども収録した、バラエティに富んだ充実の書である。クラシック・ファンの基本ライブラリーとなる一冊。
いま私たちがわが国の学校で目にするのは、迅速化、効率化、力の能力化など、個人の有用性伸長に傾斜した業績・成功指向の教育と、それに伴う不断の競争及び人間の序列化だ。デューイらアメリカ進歩主義教育の核心には、当時既に胚胎していたこうした状況の根本的転換を意図した思想的起爆剤が込められていた。通念的理解を超え、彼らの思想の中核として、協同性、互恵性、完全化への意志等、倫理感覚に貫かれた社会性概念を析出した画期的研究。
分子生物学やバイオテクノロジーの進歩、治験制度・薬価制度(薬事法)、知的財産改革、国立機関・国立大学の法人化ー。これらの変化は、日本の医薬品産業のイノベーションシステムをどう変えるのか?製薬(ベンチャー)企業の経営者、技術経営・研究開発戦略分野の研究者、イノベーションに関する政策担当者、大学の産学連携担当者ら必読の書。
学習は、現場実践に潜むリスクを切り分けながら、ある実験として進んでゆく。学習理論の再検討から組織を見直してみるレッスン。人間の思考・学習を社会科学的にとらえ、高信頼性組織の遂行における「日常的実験」という領域の重要性をあきらかにする。