本書は、スイスにおいてさまざまな理論と技法を柔軟に取り入れて実践と教育にあたっているベルン大学のベッカー教授を招き、わが国で同じくさまざまな試みを続けている研究者・臨床家が集まり、新しい精神分裂病治療のあり方を模索するために行なわれた国際シンポジウムが基となって生まれた。ベッカー教授が精神分裂病の疾患モデルとリハビリテーションの考え方を示し、さらにわが国の現状を踏まえて、生活技能訓練やEE研究とそれに基づく心理教育アプローチおよびそれらの統合を目指すアプローチなど、さまざまな心理社会治療プログラムをわが国に導入し実践を続けている第一人者が、そのアウトラインから臨床的有効性および今後の可能性までを詳述した本書は、今日の分裂病治療のあり方と今後の方向性を明確に示す。
ブルデューの原点。大学における形式的平等と実質的不平等の謎を科学的に解明する文化的再生産論の古典的名著。
本書は、1997年8月から10月にかけて長野県伊那市において行われたxDSLの公開利用実験に関するドキュメント情報の集大成である。伊那xDSL利用実験連絡会の発足の主旨と経緯、そして、伊那市の有線放送電話網に着目した点、さらに実際に参加した農業団体、自治体関係者、各企業の取り組みの模様を詳細に紹介し、xDSLの本質に迫る。併せて、4ブロック21ユーザーをHDSL、ADSLでネットワークを組み、ビデオオンデマンド・テレビ会議、電子紙芝居などの高速通信実験とインターネット接続を実現した、その驚くべき成果をレポートし、xDSLの現状と将来についても論及されている。
本書は活動分野の異なる2人の著者(それぞれロボット分野、建設機械を主な研究分野とする)が研究活動全般に関する知識を自らの経験にもとづいてわかりやすくまとめたもの。とりわけ企画については社会や業界の動向に左右されたそれではなく、個々のテーマをどう始め、推進し、発展させるかという観点から研究者の立場に立って扱っている。さらに独創技術を開発するためにはどのような研究をすべきかとの視点を重視しながら企画に対する考え方をとりまとめるとともに、研究生活の節目節目で経験した苦い思いを知恵として整理している。
本書はアクション・リサーチ、つまり現場での研究を通して、現実場面での問題を実践的に解決しようとする研究法に基づく本である。アメリカ全国の現場の訪問を生かし、数十年にわたって何十もの場面で合計何十万もの児童・生徒や数千の教育者が参加して実施されたものをもとに、著者たちが執筆した。
本書では、介護福祉士の養成に伴う実習を、「実習前」「実習中」「実習後」という時系別に分けて、それぞれの段階における実習教育の意義と、実習指導者の役割を明らかにしています。実習施設における実習担当者の視点から、実習教育の必要性や、各場面における指導上の留意点をまとめました。施設介護実習以外の場面での特徴と指導上の留意点についてもまとめています。
新世紀における日本経済の再検討-進む改革の中でさらに検討すべき課題を明らかにし、新たな視点と切り口で迫る。本書ではグローバル・スタンダード論の検証から、通貨危機、産業空洞化、年功給・採用問題、金融機関の国際化などの重要問題について、一段掘り下げた視点からの考察を行い、諸課題解決の方策を探究する。
「都市」という環境を生かし、子どもの興味・関心から始まる学習のさまざま。都市にある学校だからこそできる「総合的な学習」の姿を紹介する。
本書は、工学部原子力工学科、医学部、診療放射線技師養成過程などにおける保健物理学、放射線防護または放射線管理の講義の際の教科書的役割を果たすものである。現場の放射線管理担当者、あるいはこれから放射線取扱主任者試験を受ける方々にも、役に立つだろう。最近になって、放射線防護に関係の深い、わが国の放射線・原子力に関連する法令が、国際放射線防護委員会(ICRP)の1990年勧告を取り入れて改正されたのを機会に、全面的に改訂することにした。
欧米七か国と日本で取り組んでいる実践の特徴と共通点。
なぜ人は水辺に魅かれるのだろう?そんな素朴な疑問に、地元の人びとのくらしの視点からこたえるのが本書だ。琵琶湖からはじまり世界各地の湖に足をはこんだ著者が古写真などを活用しながらフィールドワークする。新しい学問の手法といえるだろう。
不適切な攻撃性は人生のどの段階においても変容可能である。それだからこそ予防的観点から暴力と発達・教育を論ずるのだ。怒りの科学の最先端の研究。
本書は、日本語教育に隣接する国語教育と英語教育も射程範囲に据えて、日本語教育学について理論と実践の両面から考察したものである。
本書は、日本への留学を希望する外国人学生を対象に書かれています。「日本留学試験」を実施している日本国際教育協会(AIEJ)のシラバスに準拠する内容で構成し、日本で学ぶにあたって必要とされる生物学の基礎知識を幅広く平易に記述するよう書かれている。
多言語社会日本の歴史構成-「国語」や「日本語」は多言語状況と、いかにむきあってきたのか。国民国家日本の「国語」「日本語」の呪縛から逃れ、抑圧と排除にもとづかない、相互承認にもとづく社会的アイデンティティを構築し、わたしのことばを手にするために必要とされるものとは。