・多くの研究機関において医工連携研究が推進されている。一方、新規性の高い医療技術開発の成果がわが国発の医療技術として製品化まで至り、さらに臨床で広く活用されている製品は限定的である。
・わが国はその平均余命が世界で最も長い国のひとつであり、優れた臨床医学の知見が蓄積されている。そのため、今後こうした臨床医学の知見を活用した新たな医療技術開発がさらに進められるべきであろう。
・本特集では“医学・工学の融合”、“医工連携”というキーワードで、産官学の有識者よる産業政策・研究開発振興策、人材教育、具体的な最先端の研究開発内容などの幅広い話題を取り扱っている。
■第1土曜特集 医学・工学の融合によるイノベーション
・はじめに
・健康・医療戦略(第2期)に基づく日本医療研究開発機構(AMED)の医療機器・ヘルスケアの研究開発支援ーー概況と最近の進捗
〔key word〕健康・医療戦略(第2期)、医療機器・ヘルスケアプロジェクト、日本医療研究開発機構(AMED)
・医工連携による新産業創出への期待
〔key word〕医療機器、研究開発、医工連携、学会連携、水平分業
・厚生労働省における医工連携研究支援の現状と課題
〔key word〕医工連携、人材育成、AI
・医工連携のための高度研究人材養成
〔key word〕医工連携、医工融合、教育
・バイオデザインーー医療テクノロジーイノベーターの世界的ネットワークへようこそ
〔key word〕医療機器、スタートアップ、人材育成、インキュベーション、バイオデザイン
・循環器分野医療機器開発・実用化における医工連携の重要性
〔key word〕アンメットニーズの探求、デジタルトランスフォーメーション(DX)、フロントローディング、メディカルアフェアーズ(MA)
・心臓シミュレータの研究開発と医工連携
〔key word〕心臓シミュレータ、UT-Heart、植込み型除細動器(ICD)、ノンコンタクトマッピングシステム、ヒス束ペーシング(HBP)
・バイオマテリアル研究開発とその人材育成における異分野・産学連携の重要性
〔key word〕バイオマテリアル、医療機器、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、再生医療、異分野・産学連携、人材育成
・先端医療材料開発と医工連携
〔key word〕アルギン酸、先端医療材料開発、医工連携
・臨床不整脈イメージングシステムの開発における医工連携
〔key word〕非発作性心房細動、ローター、マッピング、医工連携
・医工連携による不整脈診断技術開発
〔key word〕心房細動、カテーテルアブレーション、多電極マッピング、心臓光学マッピング
・外科治療支援技術開発における医工連携
〔key word〕外科治療支援、手術ロボット、医工融合、人材育成
・治療用医療機器における医工連携の重要性
〔key word〕医工連携、治療用医療機器、スタートアップ
・医工連携研究成果の産業界への導出における課題
〔key word〕医療機器、乳がん用磁気プローブ、社会実装
・医工連携による内視鏡外科分野における情報支援技術開発
〔key word〕内視鏡外科手術、人工知能(AI)、深層学習、解剖学的ランドマーク、リアルタイムAI画像解析
・医情連携による医用画像処理に基づく医療機器システムの開発
〔key word〕医情連携、医用画像処理、人工知能(AI)、機械学習(ML)、医療機器開発
・レギュラトリーサイエンス分野における医工医療機器開発者の育成
〔key word〕レギュラトリーサイエンス、医工医療機器開発者育成、クラス4治療機器
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
≪本誌の特長≫
◆リハビリテーション科医ほか関連各科の医師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など、リハビリテーションに携わる医師とスタッフのためのビジュアルで読みやすい専門誌!
◆リハビリテーション領域で扱う疾患・障害を斬新な切り口から深く掘り下げつつ、最新の知識・情報を紹介。臨床でのステップアップを実現する、多彩な特集テーマと連載ラインナップ!
≪特集テーマの紹介≫
● 呼吸サルコペニアは呼吸筋の力と量の低下が関与する病態であり、呼吸機能にとって極めて重要である。しかし呼吸筋の評価は一般的な医療評価に組み込まれておらず、臨床現場での正確な評価が不足している。この課題に対応すべく、2023年に国内の4つの学会合同チームによってポジションペーパーが提唱された。
●本特集では、呼吸サルコペニアに関する背景や定義、評価方法、予防・治療法、疾患との関連、将来展望について各分野のスペシャリストが解説。呼吸筋の評価や全身サルコペニアとの関係性にも焦点が当てられ、さらに治療と予防の観点からも示唆が与えられている。
●高齢化が進み呼吸サルコペニアがますます重要な健康課題になると予測されるなか、本特集で正確な理解を得て、リハビリテーションの現場で高品質な医療の提供に繋がることを期待する一冊。
【目次】
呼吸サルコペニア(Respiratory Sarcopenia)の背景と目的
呼吸筋の評価
加齢と全身サルコペニア・呼吸サルコペニア
呼吸サルコペニアの定義・診断・アウトカム
疾患と呼吸サルコペニア
呼吸サルコペニアの予防・治療・将来展望
TOPICS 再生リハビリテーションの現状と課題
■連載
巻頭カラー デザインが拓くリハビリテーションの未来
6.ウェアラブルロボット(歩行学習支援ロボット オルソボット(R))
ニューカマー リハ科専門医
蟹江健介
リハビリテーション診療におけるEvidence-Based Practice
6.診断・検査のEvidence-Based Practice
知っておきたい神経科学のキィワード
20.皮質内抑制と皮質間抑制
認知症の基礎知識とリハビリテーション
4.行動心理症状(BPSD)とリハビリテーション
リハビリテーション医療における安全管理の一工夫
II.回復期リハビリテーション病院における安全管理:2.回復期リハビリテーション病院における窒息対策:介助者の教育、見守り体制、窒息時の救急対応
リハビリテーション医学・医療の歴史秘話“あの時なにが?”
10.日本パラスポーツ学会
・日本ではコロナ禍で一挙に施設間のICT利用が盛んになったが、電子カルテから電子健康記録移行時に情報の統合をせず、他院のEMRを“見える”だけにしたが、統合された海外のEHRはパーソナルヘルスレコード(PHR)の時系列表示(PHR表示)が可能である。
・コンピュータが処理するためにはデータ統合が必要で、日本でよく使われる見える化ではできない。セキュリティに注意が必要なデータの統合が日本では遅れており、最近話題のサイバー攻撃の対策の遅れもその意味で同源といえる。
・本特集では、遠隔医療分野で注目を浴びるオンライン診療の現状と課題について、制度や政策上の現状や課題、診療面としてAI利用、遠隔ICUなどの最新の取組みについてについて各分野の専門家に著述いただく。
■遠隔医療、オンライン診療の現在と未来
・はじめに
・総論:遠隔医療、オンライン診療の現況ーー医療DX、技術基盤、セキュリティ
〔key word〕医療デジタルトランスフォーメーション(DX)、モバイルヘルス(m-Health)、EHR(electronic health record)、パーソナルヘルスレコード(PHR)、デジタル治療
・遠隔医療の制度や政策からの視点
〔key word〕遠隔医療、医師法、規制改革、診療報酬
・オンライン診療の現状と将来
〔key word〕オンライン診療、かかりつけ医、医師ー患者関係、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、医療連携
・精神科領域のオンライン診療とAI利用
〔key word〕精神医学、遠隔医療、オンライン診療、人工知能(AI)、機械学習
・わが国における遠隔ICUの今後の歩み
〔key word〕遠隔ICU、診療支援、AIトリアージ、value based medicine
・デジタル療法とSoftware as a Medical Device(SaMD)
〔key word〕デジタル療法(DTx)、SaMD(Software as a Medical Device)、治療用アプリ
・電子処方箋が変える薬局・薬剤師のあり方
〔key word〕受動的から能動的、対物業務から対人業務
・テレナーシング
〔key word〕テレナーシング、慢性疾患看護支援、在宅療養者、システマティックレビュー、メタアナリシス
・遠隔心臓リハビリテーション
〔key word〕心臓リハビリテーション、遠隔心臓リハビリテーション、遠隔医療、情報通信技術(ICT)、運動療法
●TOPICS 神経精神医学
・ダイヤモンド・プリンセス号隔離期間における乗船者のメンタルヘルス
●TOPICS 病理学
・新しい成人型浸潤性膠腫統合診断の実践
●連載 医療システムの質・効率・公正ーー医療経済学の新たな展開(12)
・財政学からみた医療費の将来
〔key word〕医療費、債務残高、技術進歩、健康、患者自己負担
●連載 遺伝カウンセリングーーその価値と今後(2)
・遺伝カウンセリングモデル
〔key word〕相互関与モデル(REM)、クライエント中心のカウンセリング、傾聴、教育モデル、カウンセリングモデル
●FORUM 戦後の国際保健を彩った人々(2)
・ロン・オコナーと岩村昇
●FORUM 世界の食生活(2)
・食は万病のもとか?--カナダ・イヌイット社会における食生活の変化
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
こんな入試がまかり通るのはなぜ?都立高校の入学者選抜に利用された英語スピーキングテストの問題点を徹底検証。
本書は、20年以上も前に行われた養老孟司氏の講演録をまとめたもの。しかし、デフレ、少子高齢化など、講演当時と日本社会はあまり変化していない。20年以上前の講演録であるにもかかわらず、現代を予見している内容になっている。9講演を収録している。
トランスジェンダーなど性的少数者に対する素朴な疑問・誤解から偏見・不安を煽るデマや陰謀論まで事実と人権に基づき一問一答。日本の性教育を再び後退させないため各分野のエキスパートが結集!
時代は大構想力の時代へ。様々な事例やインタビューから未来のデザインマネジメントの指針を示していく。
第一線で活躍する実力派講師が自らプレゼン!講師自身が考え方・研修内容を語ることで、研修で重要視されている“今どき”のテーマがわかる。講師の「専門性」「人となり」が伝わる。最高の講師が見つかる。「研修担当者」必携のサポートブック。
“宇沢弘文氏没後10年・森嶋通夫氏没後20年”特別企画。-誰もが幸せになる経済政策はあるのかーGDPから健康寿命への経済活動の目標転換。医療制度を中心にした経済の構築。-シン・経済学には十分な説得力があるー
かつての植民地支配や冷戦下の対外政策を歴史的背景として、欧米諸国による国際開発・援助事業を主に理論化してきた開発学は今、転換期を迎えている。経済成長により支援される側から支援する側へと転じた中国は、国際社会を結び直す開発学を打ち立てられるのか。中国における開発実践と学知形成の過程を辿り、新時代の開発学を展望する。
キャリアデザインに悩むすべてのセラピストに。「あなたらしい」キャリアのつくり方。「あなたにとっての本当に『ありたい姿』とは何ですか?」気鋭の著者がお届けする待望のキャリアデザイン入門。
誰も語らなかった作業療法士の真のエピソード。苦悩しながらも歩んだ先輩作業療法士の実践の軌跡。