帝大研究者小口太郎との熱恋!憲兵大尉甘利政一への秘かな慕情。満州の曠野を駆け、たくましく生きた「女」。大正ロマンから昭和激動の中へ!自立した女、タイピスト村上喜和子の波乱の生涯。「琵琶湖周航の歌」の調べが描きだす大河小説。
満州・日支の風雲に沈んだ謎の麗人・川島芳子。稀代のトリックスターが破格の文業でいま甦る。
シリーズ『ユーラシア・21世紀の潮流』(二〇〇二年取材)は、「アフガニスタン空爆」(〇一年秋)と、迫り来る「イラク攻撃」(〇三年春)のはざまで揺れ動く中東、中央アジアのイスラムの現在を最前線で記録したものである。本書は、その報告としてまとめられた。
モロッコの古都マラケシュの人々の心に深く旅し、その話し言葉・叫び声・つぶやき・歌などの神話的・呪術的に響きあう聴覚上の世界に、失われた「原初の言葉の顕現」と「人間の魂の始原の郷国」をさぐりだす。異文化にふれあいながら、作家カネッティの「死の意識」の風景のなかに、マラケシュが直面する内的現実を浮き彫りにした感受性あふれる紀行文学的文明論。
1995年1月17日未明ー阪神・淡路大震災の一撃がこの国の“リアル”に亀裂を入れた。虚構空間を多重化する「ライトノベル」、「おたく」「サブカル」「ヤンキー」たちの棲み分ける「小説」、「戦争」を描くセカイ系と成長をやめた「ニート」たちー新たな文学の地勢図を解き明かす、画期的文芸評論集。
高度成長に燃えた時代、巨大プロジェクトをめぐるミステリー。眠りから醒めた秘蔵の書が、今ニッポンに解き放たれる。
火山の噴火によってできた噴火口や溶岩流、活断層の活動によってできた大地形…。しかしときが経つにつれ、植物が生い茂り、人工物で覆い隠されます。本書の赤色立体地図は、植物や人工物がない本来の地形をみごとに見せます。かつての噴火や地震の生々しい爪跡を見ることができるのです。
森も建物もない活火山の素肌、よみがえる壮絶な火山活動。圧倒的迫力の3D地図を公開。特集・地形が教えてくれる、これからも起こる大災害。
日記帳付き。
歴史家は、自らの体験を後世に伝える現代の語り部たるべきである…戦中・戦後の激動の時代を生きた著者が、折にふれて発表してきた歴史随想50編を収む。歴史家の透徹した眼が、時代の一断面を鮮烈にとらえている。筆者一流の辛辣とユーモアで語る歴史エッセイ。