新学期初日、彼女を見つけた。窓際の一番後ろの席でうたたねしている姿から目が離せなくなった…(「椿と悠」)。なぜ最強の姉妹は近付く“観測者”を片っ端から殺していくのか。彼女たちを追い異国の地へ…(「恋澤姉妹」)。百合ー女性同士の関係性をモチーフに豪華作家陣が描く珠玉の七編とそれを彩る七点のイラスト。究極のコラボレーションが実現!
毎年のように訪れている北欧の国々-フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、アイスランド(エストニアもちょっとだけ)。建築、デザイン、ダンスをきっかけに始まった旅がいつしか北欧の味やファッションにも魅せられ、街歩きから島へ、森へと旅する場所も広がっていく。名物イベントで夏のスウェーデン人を観察、デンマークの“母”の家で過ごす時間、フィンランドじゃない国でサウナに目覚めた話。ノルウェー人いい人伝説、自分史上最高のシナモンロール体験など、ちょっとディープな北欧の旅。
25年ぶりに父が帰ってきた。イタリア人の若い女と恋仲になり、家族を捨てた男が。だが、園芸店を営む母・歌子にはすでに恋人がいた。次女の遙は父を許せずにいる一方で、職場の既婚者と不倫中だ。母と働く長女の真希は、隠し事をしている夫に不信感を抱いていて…。戻ってきた「異物」によって浮かび上がる、不都合な現実。夫婦とは、家族とは?7人の男女の目線から愛を問い直す長編小説。
パリで国際同性婚した著者が語る、「女の子同士」のリアル。
中東シスヨルダンの小さな村。学校にも通わず、鞭で打たれながら奴隷のように働く17歳の少女スアド。恋愛は死に値する行為と知りながら、恋する気持ちは止められなかった。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃の記録。
一九七〇年代後半、中東シスヨルダンの小さな村で、ある少女が生きながら火あぶりにされた……恋をして、性交渉を持ったために。重度の火傷を負いながら奇跡的に生き延びた彼女は、本名を明かすことも素顔をさらすこともないまま、この知られざる事実を証言することを決意した。残された命のすべてを賭けて。-これは、遠い過去の話でも、フィクションでもない。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃のノンフィクション!文庫化にあたり、書き下ろし特別原稿「日本の読者のみなさんへ」収録。
百合ー女性間の関係性を扱った創作ジャンル。創刊以来初の3刷となったSFマガジン百合特集の宮澤伊織・森田季節・草野原々・伴名練・今井哲也による掲載作に加え、“ソ連百合”として話題の南木義隆「月と怪物」、新鋭女性作家の共作「海の双翼」、『元年春之祭』の陸秋槎が挑む言語SF「色のない緑」、そして『天冥の標』を完結させた小川一水が描く新作宇宙SFの全9作を収める、世界初の百合SFアンソロジー。
あの日死んだはずの我が娘同然だった少女からの連絡ー。巨大キャンピングカーを所有する老夫婦と結婚式前夜の富豪カップルの射殺事件が起き、猟区管理官ピケットはその少女が犯人たちと一緒にいるらしいことを知る。大自然、父と息子、家族の絆。全米を代表する人気作家が贖いをテーマに描くサスペンス。
維新の激動に飲み込まれた江戸。諸大名の一斉帰国で人口は一挙に激減し、百万都市は瞬く間に衰退した。横行する浮浪士のテロ、荒廃する屋敷地、流動化する身分。江戸の秩序が解体してゆく東京で、人びとは時代の変化に食らいつき、生き延びる道を求めて必死にもがきつづけた。歴史に名を残さぬ人びとの明治維新史。
現在、社会経済政策の運営に成功している国々として注目される北欧諸国。「手厚い福祉の代わりに高い税負担」という従来のイメージを超えた革新性はいかにして築かれたのか。そのダイナミズムの秘密を追うとともに、日本への応用可能性を探る迫真の書。
リーマンショック後の二〇〇九年秋、欧米の格付け会社が、インドネシアの持続的成長能力と財政的安定を評価し、国債の格付けを引き上げた。以来、インドネシアの有望性は世界が注目するところとなる。二億四〇〇〇万近い人口と豊富な資源を背景とした潜在的な国力は、二〇〇四年、ユドヨノ政権になって以降の政治的安定によって、さらに強固な成長要因となっている。中国、インドに続く“アジアの大国”のこれからを展望する。
その遺体には頭部がなく、狩られた獲物たちと同じような「処理」が施されていた。まるで狩猟が生き物を面白半分に殺す行為だと世界に訴えるように。ワイオミング州知事からの特命を受けた猟区管理官ジョー・ピケットは、ハンター連続殺人の背後に卑劣な人間たちの深い闇が潜んでいることをつきとめていく。