白くない百合を、なぜ漱石は「白い」と書いたのか?三島由紀夫は本当に松の木も知らなかったのか?泉鏡花、志賀直哉から安部公房まで、小説を植物学的に解剖すると…。
文芸編集者笹谷美緒は、取材のため、博多から寝台特急「あさかぜ4号」に乗り込んだ。だが、彼女の乗った個室寝台には、不吉な出来事を暗示するように不気味な黒百合の花が置かれていた。はたして、東京に着いた列車の中で女性の絞殺体が発見され、死体の傍らには、なぜか黒百合の花が。黒百合伝説に秘められた怨念か?鉄壁の完全犯罪トリックに挑む傑作推理。
鋭くやさしいユーモアに充ちた感性だけが書くことのできた、稀有な日記文学。
雪の降りしきる唐沢家の別荘につどう、仲の良い三人の嫁と、足の不自由な娘。そこに舞い込んだ一通の速達ー「俺は妹に代わり、おまえを痛めつけてやることに決めた」平穏な日々のぬくもりの中で暮らす四人の女達は、恐怖と疑惑の穴に突き落とされた。洒落者の義父に、あるいは夫に、何が起こったのかー。幸福が綻び、やがて崩壊へと向かう、長篇心理サスペンス。
秀抜な構成と人物造型!高年者の愛と性の衝動。話題沸騰、北海道新聞文学賞受賞の注目作!渡辺淳一氏・李恢成氏絶讃の「新しい小説」。
母の「手」を忘れた日本人へ。75万人が愛読したロングセラー『家族でできる自然療法』の著者が15年ぶりに書き下ろした、日々の暮らしの大切さと力強く生きるための道しるべ。
声がうまく出せず、かなきり声をあげる私に、両親は“かもめ”というあだ名をつけたー私はMouette(かもめ)?それともMuette(口がきけない)?音の無い世界に生まれついたエマニュエル。まだ手話が公認されない時代、でもこんなにも素晴らしい言葉が受入れられないのはなぜ!?持ち前の明るさと意思の強さで社会に訴え続けるかもめ。意思の疎通が図れないもどかしさと闘い、時には反抗し、道を踏み外しかけても…。そして舞台という世界で、かもめは翼を広げ、ついに飛立つ!ろうあ女優として初めてモリエール賞を受賞した著者が、全ての人に贈る力強いメッセージ。
ずっと「ふつう」になりたいと思って生きてきた繭子は、二十歳になって初めて自分が高機能自閉症であることを知る。元精神科医の慎一は、恋人の死を目の前で見て以来、涙を流せなくなった。ふたりは出会い、やがて相手の存在がかけがえのないものになっていく。彼女の一生懸命さと純粋さにふれて慎一は心の傷と向き合うことができ、彼に支えられて繭子は「ありのままの自分」の大切さに気づきはじめる。TBSテレビドラマのノベライズ。
花栽培の名人が殺された!!お洒落な生花店を営む好奇心旺盛なブレッタは、しだいに事件に巻き込まれていく…。ガーデニングを愛する人に贈る、大型新人のミステリー長篇。
ジャンとジュール。それはミュリエルのおっぱいの名前。そう、彼女のおっぱいは、それぞれ立派に生きている。本人は全く気づいていないけれど…。一人に三人分の人生が詰め込まれたハートウォーミングな物語。様々な出会いと別れを繰り返して三人が見つけ出した幸せに、オンナのコはみんな涙する。
華雅の校長様は、あたしが高校から戻ってくるのを認めてくださった。久しぶりに出席したソロリティーのお集まりに、華雅のすばらしさを噛みしめたあたし。でも朱海さんのことで皆さん誤解されているみたい。そんなんじゃないのに!けれども麗美さんはお気になさらず、それどころかあたしをご自宅に招いてくださったの!麗美さんとふたりっきりでのお泊まりなんて…どうしよ〜。
中国の古典から梅、牡丹、薔薇など、35種の植物の花ことばの由来や興味深いエピソードを紹介し、花に託した中国人の愛情表現や感性を鮮やかに浮き彫りにしたユニークな読みもの。