「人道主義」「世界人」「自由主義」-典型的な大正人の特徴を備えた、文化学院創設者・西村伊作の生涯を語る。
戦火のアフガニスタン。白旗を掲げ、ヒンズークシの渓谷を登るソ連軍のジープ。車上には、寒村の教師として赴任している妻ポーラを迎えにきたヤクーシェフ大佐がいた。だが、母国と夫に不信の念を抱き、今は反政府ゲリラの首領ハーンに思いを寄せる彼女は同行を拒絶。警告を残し、大佐は去った…。-武装ヘリの機銃掃射、山々に谺する砲声。村は潰滅し、ソ連兵の凌辱を受ける女たちのなかにポーラがいた…。
“聖戦の時は満ちたり!敵を殱滅せよ!”地下抵抗組織〈百合〉を率いる謎の女。神託を下す彼女の身には、預言者マホメッドの子が宿っているという…。-ハーンを指導者とする反政府ゲリラの勇猛果敢な抵抗、思想教育に送り込まれたロシア人女性ポーラの数奇な運命、その夫ヤクーシェフ大佐の野望、紛争を取材するイギリス人カメラマンの心の葛藤…。ソ連軍侵攻直後のアフガニスタンを舞台に展開する感動のスペクタル巨編。
祖父は日露戦争最大の激戦地203高地攻防戦で勇名を馳せた一戸兵衛、父は御付武官という軍人家系の中で過ごした少女時代。武官の夫とともに第二次大戦中のスウェーデンで繰り広げた情報戦と和平工作密話。戦後のスウェーデン児童文学翻訳と社会福祉研究。華麗で波瀾に満ちた「わが人生」を語る自伝。
1年生を長年にわたって担任したベテラン先生が、その体験を通して、どうしても語っておきたいことをまとめたのが、この本です。
60年の時間の闇からよみがえる宮本百合子と湯浅芳子の友愛の意味。書き下しノンフィクション。
近代日本文学の巨峰、夏目漱石を中心に著者長年の精細緻密な研究論文集大成。
本書は『百番連歌合救済・周阿・心敬』の全句に簡単な評釈を施し、それぞれの付合の狙いどころについて考察を加えようとしたものである。この作品は莵玖波集時代の最も高名な地下連歌師であった救済(侍公)と周阿とが、百句の前句にそれぞれ句を付けて競うというかたちを持つもので、それに当時の堂上連歌壇の中心人物であった二条良基が点を加えている。室町時代の連歌師心敬がこれに自句を付けたものが伝存している。
文芸編集者・笹谷美緒は、取材のため、博多から寝台特急「あさかぜ4号」に乗り込んだ。だが、彼女の乗った個室寝台には、不吉な出来事を暗示するかのように、不気味な黒百合の花が置かれていた。誰が?はたして、東京に着いた列車の中で女性の絞殺体が発見され、死体の傍らには、なぜか黒百合の花が…。警視庁捜査一課・勝部長刑事は、殺された佐々木麻也と接触のあった美緒とその恋人の黒江壮の協力を得て事件を追うが…。第二の殺人が、黒百合伝説に秘められた怨念か?鉄壁のアリバイ・トリック&完全犯罪トリック。壮と美緒の推理が冴える“花伝説シリーズ”第2弾。人気急上昇の著者が、全力で書き下ろした長編推理小説会心作。