メロウな曲を揃えて切なさ20%増し、けれど緊張感をまたいっそう研ぎ澄せたフル・アルバム第2弾。どっしり構えたサウンドの間を抜けて、まっすぐに切り込んでくる猛々しい小高のヴォーカル。生音を超えた生身の音、その清廉潔白さに打ちのめされる。
つくづく、歌手とは“依代(よりしろ)”なのだ。歌の背後にある(あるいは、実はない)さまざまなものが彼の歌唱から浮かび上がってくる瞬間を、どう録音という手段ですくい取るか。その試行錯誤が生んだ、驚くべき密度と、いくつもの得難い瞬間。(1)(3)(11)はスペシャル級。★
富野由悠季監督が原点に返り制作した『ガンダム』の新作。賛否両論別れているが、きっと“Z”のように何年か後に再評価を受けるのだろう。菅野よう子の音楽はとても管弦楽的で深みのある音楽を提供。(1)(10)の作詞井荻燐は富野のペンネーム。(23)は谷村新司。
なにかと話題のジャズ・ヴォーカリスト、akikoのアルバムはDJ須永辰緒プロデュース。とはいえフロア対応というわけではない。テーマはずばり“不良ジャズ”だそう。ぴったり。そこはかとなく流れる場末感も効果的。蓮っ葉なジャケがまた、いいんだ。
不治の病に冒され、残りの人生を生きる芸者・夢千代を描いたNHKドラマ・シリーズの映画化。主演は吉永小百合で、半年の余命を受け入れながら、激しい恋に身を焦がす女の姿を好演している。
劇場公開時250万人を動員した吉永小百合主演の感動巨編。明治時代の北海道を舞台に、開拓のために移住した主人公夫婦の苦闘をドラマティックに描く。厳しい自然の中、希望を持ち続ける人間の美しさを見事に表現。
『私が棄てた女』の名匠・浦山桐郎監督のデビュー作であり、ヒロインの吉永小百合が18歳という若さで史上最年少のブルーリボン賞主演女優賞に輝いた名作。
ファンが選んだ石原裕次郎の主演映画DVDシリーズ。野放図で自由奔放な裕次郎扮する主人公を通して描かれた、若者たちのがむしゃらでまっすぐな愛と大胆な性描写が当時話題を呼んだ青春映画。
現代文学の最高傑作のひとつ、谷崎潤一郎の名作『細雪』。佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子、岸恵子ら、美しく優雅な豪華女優陣を起用し、巨匠・市川崑監督が華麗な映像美で描く。