16世紀、キリスト教伝導に尽くし、聖人に列せられた聖ザビエルは、日本人の持つ優れた素質について密着し、身をもって証明してくれた人物である。アジア宣教の旅をテーマにシナリオ形式で聖ザビエルの半生を追う(『聖ザビエルとアンジロウ』)。主人公モラエスは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と同じように日本を愛し、日本の姿を広く海外に紹介した作家文化人である。風貌や文化の違いにとまどいながらも、心身ともに日本人であろうとした彼の生き様を描く(『他郷ながら故郷ーモラエス慕情』)。近松門左衛門の傑作「百合若物語」が、実はギリシア、ホメーロスの「オデッセイア」の翻訳ではないかと思われるほどの共通性があるという、驚きの議論を取り上げている(『百合若物語はどうしてできたか』)。
高校の日本史教師、活人は体力はからっきしだが、のんきな性格と端整なルックスで女子高生たちに人気がある先生だった。振り込め詐欺、オヤジ狩りの容疑者を次々と惨殺し、警察が手をこまねく社会悪を成敗するという謎の暗殺集団に、ある日突然父親を殺されてしまった。しかも己自身もその集団から執拗に命を狙われるにいたり、自らも想像しえなかった変身をとげた!新陰流の剣術家でもあった亡き父と謎の暗殺集団との因縁とは?暗殺集団を操る人物と活人につながる運命の糸とは?白刃が宙を薙ぐ、疾風の一撃、跳躍する肉体ー未だかつてない本格的な格闘技小説ここに誕生。
戦争後、水没しかけたこの世界では、ガールズトークしながら、弾倉をセットするjkの姿が当たり前の風景だ。どんな弾丸でも当たる気がしなかったのに、あたしはターゲットの戦部千里に逆に心臓を撃ち抜かれてしまった。それ以来、あたしのハートはズキズキ疼く。アイツから、目が離せないのが悔しくて…。百合姫再誕初のカバーストーリーがイラスト&ノベル完全収録、さらに書き下ろしノベル追加でついに書籍化。
吸血鬼だけが住む魔郷“ドラクリヤ”。世界は今、限られた資源を巡り、四つの国で覇権を争っていた。国を治めるのは、いずれもうら若き“吸血姫”たちー。黄金暦1137年。四大国のうちの一国、アグレイアーデン帝国の辺境の地の“中立都市”にて。この地を治めるスタフォード侯爵の計らいにより、四国の女王たちや各国辺境の諸侯を招集しての“宴”が催されようとしていた。その中立都市を近くの街道から、静かな信念と憂いの込められた蒼色の瞳で見つめる女騎士の姿があった。少女の名前はリィザ・ザクセン。単身でアグレイアーデン帝国領内を旅する修練中の身である彼女は、そこで、かつてアグレイアーデン王城にメイドとして仕えていた少女・ベスと出会うが…。