id:humikiri
自分(id:humikiri)のことを語る

「ただしい」とはなんだろうか。
脱出用ポッドの中で何年も、外部との通信も遮断され、AI以外と会話を交わしたこともない。
あまりにも小さな頃からこのポッドで宇宙を揺蕩っている王子に、ネーミング星の記憶はない。
ほとんどは、AIが見せてくれたかつての母星の画像や映像や文献から得た知識と、AIの解説によって学んだ。
しかしその「優秀な」学習用AIは、ネーミング星産のものではなく、件の経済学者が来星時に持参した「物珍しい手みやげ」の一つだった。