アルファポリス歴史・時代小説大賞に参加中『三国志外伝 張政と姫氏王』第二十五話「恩と命」を公開しました。
姫氏王は難斗米に逃げた奴王を追わせる一方で、奴王がいずれ自分の墓に埋納するつもりで集めていた銅鏡を破壊させます。
墓に多量の鏡を副葬することは、日本列島でも特定の時期と地域にみられる流行で、世界的にも珍しいようです。鏡にどんな意味があったかは、語る史料を欠いており推測するしかありません。今日の学者はあれこれと論じて理由付けをしたがるものですが、当時の人には必ずしも明確な目的意識はなかったかもしれません。流行の中にいるとどうでも必要としか思えなくても、過ぎてしまえば何の意味があったのか分からなくなるという例に、銅鏡や銅鐸、巨大古墳なども入るのでしょうか。
さて難しい役目を負わされた難斗米は……。