織田信長が本能寺に斃れた翌日ー備中高松城の水攻めを決行していた秀吉軍に、明智光秀の密使が捕縛された。難解な暗号で記した密書を、味方の光秀がなぜ、敵方の毛利軍に?秀吉と黒田官兵衛は嫌な予感に震えながら暗号解読に四苦八苦した。やがて解読された「信長暗殺」の凶報。一転これを利用した官兵衛の“秘策”とは?史実の裏を照射する歴史推理の傑作集。
戦国切っての名将・黒田官兵衛。しかし彼の居城姫路は、西の毛利と東の織田に挾まれ、そのいずれかの配下に就くほか術はなかった。戦国時代を生き抜くために、彼が下した決断とは…?単なる軍事参謀であるにとどまらず、時代の潮流を鋭く把握し、その才ゆえに秀吉、家康がもっとも恐れた男・大軍師黒田官兵衛を描く歴史長編。
三十五万石彦根藩主の子ではあるが、十四番目の末子だった井伊直弼は、わが身を埋木に擬し、住まいも「埋木舎」と称していた。「政治嫌い」を標榜しつつも、一代の才子長野主膳との親交を通して、曇りのない目で時代を見据えていた。しかし、絶世の美女たか女との出会い、それに思いがけず井伊家を継ぎ、幕府の要職に就くや、直弼の運命は急転していった…。
戦国動乱の最中、鋭い眼で世を見据える青年、藤堂高虎は、巨躯を生かした槍働きで立身出世の夢を抱いていた。自らの実力に正当な評価を求め主を転々とする高虎だったが、運命の主君羽柴秀吉の弟・秀長に見出される。算用や築城術などを秀長に学び、その名声を徐々に高めていく高虎。だが秀吉の下で頭角を現わす宿敵・石田三成がその行く手を阻む…。
粉河二万石の大名に出世を遂げた藤堂高虎。ところが主の豊臣秀長が逝去し、後継者・秀保は暗殺され主家が滅亡してしまう。宿敵・石田三成の謀略か?やがて強引な秀吉の政策に危惧を抱いた高虎は家康に見込まれ、秀吉の死後、徳川幕閣に参加する。武勇と智略を兼ね備えた高虎は関ヶ原で遂に三成率いる西軍と対峙!時代の先を読み、己の変革を遂げた漢の生涯。
女流カメラマン千沙が、古都金沢をテーマにした写真集でデビューする直前、相次いで事件が起こった。編集部長が射殺され、金沢では千沙の実姉が事故死した。千沙が撮影した金沢の写真が原因か?十津川が捜査一課の若い刑事・西本を金沢に派遣すると、秘かに千沙に思いを寄せる西本は彼女のためにある妙手を思いつくが…。円熟の筆で金沢を旅情豊かに描く傑作推理。
複雑系研究の第一人者が科学研究の本質と最前線を、多彩な表現形式を駆使して説く名作解説、待望の復刊なる!日常の研究の営みから文化との絡みまで、幅広い視座から平易に鋭く綴るエッセイと、「デーモン」がカオスを消し去った世界で起こる出来事を描く、小説によるカオス理論入門ならぬ「カオス出門」。および生命進化を模し、人工知能による「物語の進化」を通じて複雑系に迫る「小説進物史観」を収録。
近代日本の翻訳論の歴史を、明治・大正期から昭和期にかけての代表的テクスト31編と、現代の翻訳研究者によるそれらの解題を通じて総合的に批評する、画期的で初の試み。翻訳研究の邦語必読文献。
「火付盗賊改」から「奥右筆」「渡り中間」まで!!気になる用語・人物がこれ一冊でわかる!ハンディサイズに1700語収録!
皇室の外戚としてなんとしても権威を得たかった徳川家康。天皇の在位さえも意のままに操り、二代将軍秀忠の娘・和子を、天皇家へお輿入れさせるべく動く。生まれたときから運命を定められた和子が十四歳にして帝へと嫁ぐ、その胸に秘めていた想いとはー。女たちの生き様、心情を丹念に描いた傑作歴史小説!
将軍家から朝廷に嫁いだ和子は、宮廷の女たちの巧妙な妨害により、帝と心を通わすことがなかなかできずにいた。周囲のはからいでようやく二人の仲が深まったのは、入内から二年四ヵ月後であった。和子はあまたの子をもうけ国母となるも、幸福は長続きしない…。愛と哀しみに翻弄された生涯を描く大作、感動の結末へ!
土佐二十二万石の領主・長曾我部盛親は、関ケ原の戦いで西軍に組したため、一介の牢人の身に落ちた。謫居を京都に定めた盛親は、再起の野望を密かに育む。大坂冬ノ陣を機に立ち上がり、夏ノ陣に旧臣五千人とともに血戦へと臨むのだがー乱世の運命に翻弄された悲運の武将を鮮やかな筆致で描いた傑作!
誰もが知っているようで、誰も知らない。日本最初の女王、の生涯を追う。現代日本文芸作家大賞受賞!!
財政再建、農地開拓に生涯にわたり心血を注いだ米沢藩主、上杉鷹山。寵臣の裏切り、相次ぐ災厄、領民の激しい反発ーそれでも初志を貫いた背景には愛する者の存在があった。名君はなぜ名君たりえたのか。招かれざるものとして上杉家の養子となった幼少期、聡明な頭脳と正義感をたぎらせ藩主についた青年期、そして晩年までの困難極まる藩政の道のりを描いた、著者渾身の本格歴史小説。
中国の古代から人々が熱心してやまない「玉」の産地として聞こえた、誰も知らない崑崙山を目指して黄河の源流へと遡っていく人々に襲いかかる苦難の行方を描いた「崑崙の玉」。著者の独擅場とも言うべき西域・中国もののみならず、戦乱の世において非運に倒れた武将たちの運命を見据えた戦国もの等も収録。透徹した視線と自在な筆致が冴える傑作短篇集。
『死の蔵書』や『異邦人たちの慰め』など、エンターテインメントから文学まで多様な作品を訳してきた宮脇孝雄が、数多くの翻訳実例も引用しつつ、翻訳のやり方を実践的に紹介。読めば読むほど翻訳者の苦悩と翻訳の奥深さがじわじわ伝わってくる一冊です。悩める翻訳者と海外文学ファン必読。地獄で仏の実践翻訳ゼミナール。
初版刊行以来、長年にわたり受験生から支持されてきた参考書を復刊。最大の特徴は、無味乾燥になりがちな文法事項をあえてまとめて解説せず、すべて例文の説明のなかにちりばめている点にある。例文は「論語」や李白・杜甫といった受験の定番から、歴史書、小説、そして日本の漢文学までを幅広くカバー。それらを読むことによって、文法の知識だけでなく中国の歴史や思想・文化をも体系的に学べるようになっている。おとなの学び直しに最適の一冊。
キャッシュレスは、「つながり」の社会へ。急激に拡大するキャッシュレス取引。-この一冊で、日本の今の姿と海外の最先端、支える制度、もたらされる変革がわかる!