夏も近づく八十八夜。野にも山にも若葉がしげる。古い歌を口ずさむたびに、亡き母の言葉がよみがえる。「一年のうちで、いちばん美しい季節が八十八夜の頃。あなたの人生の八十八夜を大切に…」加納妙子、23歳。この美しい季節を無駄にすごせない。殺風景なオフィス、平凡な男たち、ありふれたOL生活に別れを告げようと思った。
収量は一般の栽培並に近づき、除草労力など大幅な省力化が進む自然農法。それは今や一部の特殊な栽培法ではなく、これからのイネつくりに限りないヒントを与えてくれる。全国の自然農法実施者の豊富な経験とデータをもとに示す、生育の実像と栽培の実際。
真夏のある夜、キャサリンと浜口は宏壮な屋敷に住む莫大な資産家の未亡人、水尾マユの晩餐会に招かれた。ところがその夜、マユの養女の1人が何者かの手で毒殺された。やがて第2,第3の魔の手が屋敷を襲って行く…。一方でマユの息子と名乗る男が出現し、水尾家の遺産を巡め相続争いは一層、深刻になって行った。謎の連続殺人事件を追う名コンビ、キャサリンと浜口を待ち受ける思わぬドンデン返しとは…京都の豪邸を舞台に繰り広げられる莫大な資産をめぐる争い。トリックの女王が描く華麗なる長編ミステリー。
本書は日本中毒情報センターに勤務する薬剤師達が日常の情報提供活動の中で培ってきた急性中毒処置に関する知識の集大成であり、今回の改訂では家庭で頻用される化学物質、OTC薬などを中心に54項目の化学物質についての毒性情報と中毒処置のノウハウを追加。
著者は、東京から、茨城県八郷町の田んぼに通うようになって、もう八年になる。思いがけず出会った地主さんの好意で、ささやかに、五畝の田んぼでお米づくりをしている。本書は、この間著者が学んだ田んぼの基本の「き」、そして「週末通いの田んぼ」だからこその私の試行錯誤をまとめてみたものである。
諸井誠のライフワーク「ベートーヴェンピアノ・ソナタ研究」第一弾登場。ピアノ・ソナタ全32曲をソナタ形式になぞらえ、独自の視点から各ソナタを詳細に分析した渾身のベートーベン論。
戦後日本を代表する評論家・大宅壮一の長男として生まれ、学問、文学に早熟の才を示した大宅歩。彼が愛用していたノートには、沢山の詩と思索の結晶が綴られていたー。父への反発から純文学的なものに傾倒していった著者が残した、人間や社会に対する思い。そこには、シニシズムと反逆の姿勢を感じさせながら、その底には透明な哀しみが湛えられている。病のため33歳で夭折した天才の命が放つ、純粋な魂の光芒。
自称「某国王女の身代わりアンドロイド」パミルが起こす騒動もひと段落。パミルとの兄妹生活にも馴染んできた匡平は、ちょっと変わった、でも平凡な生活に安心し始めていた。…だがしかし、そうは問屋が卸さぬと、海から流れ着いたのは、ひとりの金髪美少女!?榊一郎が贈るスラップスティックラブコメディ、一気呵成のフィナーレへ。
五嶋龍の2年ぶりとなる待望のアルバム。メニューインによって設立されたポーランドの室内オーケストラとの競演で、豊かな感性に彩られた演奏を披露している。カップリングの超絶技巧の無伴奏作品も聴きものだ。