フェミニズム運動を淵源の一つとするジェンダー史は、単なる「女性の歴史」を超えて、既存の歴史学に新たな視点と刺激を提供し続けてきた。変容する「男らしさ」と権力の関係、奴隷制や近代国民国家の形成とジェンダーの関わりなど、対象領域を拡張し、今や言語論的転回以後の歴史学をも展望しうる分野に発展している。ジェンダー史の変遷を知るとともに、歴史学を捉え直す視点を獲得できる刺激的な入門書!
はしがき
第1章 なぜジェンダー史なのか?
第2章 身体とセクシュアリティ
第3章 人種・階級・ジェンダー
第4章 男性と男らしさ
第5章 政治文化のジェンダー史に向けて
第6章 「転回」以降の新潮流
訳者あとがき
読書案内
原 註
索 引
男女賃金格差、夫婦同姓の強制、堕胎罪。日本の異常なジェンダー不平等は、明治期につくられた差別と財界主導でつくられた差別が原因だった! 常に国民とともにある政党として、ジェンダー平等やLGBTQの権利を守るための政策を、歴史と世界に学んで提示。寄せられた質問への応答、党の自己改革についても綴った一冊。
恋愛は近代的な「自己」の実現のうえで、いかに意味づけられていったのか。恋愛という観念の男女による形成過程の違いを分析する。
明治期の「恋愛」という新たな観念の登場は、異なる歴史的・社会的文脈のもとにあった男女に、それぞれ何をもたらしたのか。恋愛をめぐる社会的な共通認識がつくられるプロセスをジェンダーの視点からたどり、恋愛という観念がいかに男性と女性にとって異なる意味をもつものとして形成されていったのか、資料を基に鮮やかに描き出す。
はしがき
序 章 問題視角──恋愛における「自己」とジェンダー
1.近代的「自己」への着目
2.男女の非対称性の形成過程の解明
3.男女という枠組みの形成過程の解明
4.本書の課題と構成
第一章 夫婦愛の成立──「自己」と「役割」の緊張関係
1.「自己」の誕生
2.夫婦愛の成立
3.夫婦愛のジェンダー構造
4.肉体性へのまなざし
第二章 反社会としての恋愛──男たちの「自己」の追求
1.北村透谷の恋愛論
2.明治三〇年代における展開
3.「男同士の恋」
第三章 恋愛の社会化──「自己」から「男らしさ」へ
1.青年たちの「自己」の追求への批判
2.「男」の価値化
3.生物学的恋愛観
4.その後の展開
第四章 「女同士の恋」──女たちの「自己」の追求
1.「自己」と「女」の出会い
2.女が「自己」を実現できる関係
3.小説の中の二つの「女同士の恋」
第五章 恋愛への囲い込み──「女」としての「自己」
1.社会の側の反応
2.性科学の台頭
3.応答としての恋愛論
4.大正期における恋愛結婚論の確立
第六章 残されたジレンマ──「自己」と「役割」の狭間で
1.女性知識人と恋愛
2.『主婦之友』における「愛される女」
3.批判されたハウツー言説
終 章 恋愛の脱構築に向けて
1.夫婦愛/恋愛を通して「自己」を解放するという理念の男性中心性
2.女性たちによる「自己」の希求と「女同士の恋」の結びつき
3.性別役割と結びついた恋愛を正統化する論理における男女の非対称性
4.「愛されること」の女性役割化
5.「自己」と性別役割の両立におけるセクシュアリティの役割
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
1990年から2022年11月までに国内で刊行された、家庭、社会、女性・婦人、ジェンダーに関する参考図書を網羅した目録。年表、事典、辞典、ハンドブック、法令集、年鑑・白書、統計集など2,373点を収録。「書名索引」「著編者名索引」「事項名索引」により、様々な角度から検索できる。
とあるハプニングバーに集まるセクシャルマイノリティの人々の物語ーー。
ハプニングバー「BAR California」。ここは性別・性癖・性的指向も異なる人々が集まる場所。
人々は「何か」になるためにこのバーを訪れるーー。
他人の声に傷ついてきたトランスジェンダーのバイセクシャル。
本当の恋を探すパンセクシャル(全性愛者)。
男女二つの性自認を持つ両性ーー。
人の数だけセクシャリティがある。
性と愛にまつわる珠玉のオムニバスストーリー!
SDGsの17の目標をおはなしで楽しめる絵本。2巻は、目標4教育、目標5ジェンダー、目標6水とトイレのテーマで、男らしさ女らしさ、もしもトイレがなかったらなどのおはなしを紹介。やさしい絵が中心なので低学年からの読み聞かせ・ひとり読みに。
日本の女子選手たちは、男子選手ならば経験することのない、こうした矛盾した要求を突きつけられる。なでしこジャパン、女子レスリング……2000年代以降、かつて「男の領域」とされたスポーツで活躍する女子選手の姿をメディアで多く目にするようになった。
強靭な身体と高度な技能、苦しい練習を耐えるタフな精神力や自律が要求されるエリートスポーツの世界。その中でも「男らしいスポーツ」とされるサッカーとレスリングの世界で活躍するたくましい「女性アスリート」たちはどう語られたのか。メディアの語りから見えてくる「想像の」日本人の姿とは。そこに潜むコロニアリティとは。また、トランスジェンダーへの差別が絶えない社会で、トランスジェンダーやシスジェンダーでない選手たちは、女子スポーツの空間や「体育会系女子」をめぐる言説とどのように折り合いをつけ、スポーツ界に居場所を見出してきたのだろうか。
本書は、日本の女子スポーツ界を取り囲む家父長制的、国民主義的、異性愛主義的、そしてシスジェンダー主義的言説を明らかにし、抑圧の構造に迫る。同時に、その抑圧的環境を創造的に克服してきた選手たちにスポットライトを当てることで、「生きることのできるアイデンティティ(livable identity)」、そしてより多くの可能性に開かれた主体性(subjectivity)のあり方を探る。
階級闘争が内包してきたジェンダー構造に着目し、小林多喜二や徳永直、葉山嘉樹、佐多稲子らの作品から、プロレタリア文学の実践を読み直す。民族やコロニアリズムなどの論点と階級闘争との交差にも着目して、プロレタリア文学の可能性と問題点を析出する。
幼児期、メディア、学校教育、部活動や進路選択等、
私たちの世界にはどのようなジェンダー(社会的性)が埋め込まれているのか。
男女の性差のみならずLGBTの人々への視点を取り入れ新たに編まれた教育社会学テキスト。
【執筆者】
*河野銀子、*藤田由美子、岩本健良、木村松子、池上 徹、木村育恵(*は編者)
琉球大学国際沖縄研究所が主体となって5年計画で進めてきたプロジェクトの成果を集成する全3巻シリーズ。第2巻では、沖縄の社会制度とジェンダー観の関わりについて考え、現代沖縄社会のなかに存在する抑圧の構造を見極める。
なぜ夫婦は同姓でなければならないのか? 「家」制度から社会の仕組みに内包するジェンダー不平等を明らかにし、憲法を手がかりに解決を探る。
世界中の、強くて、賢くて、勇気ある女の子たちへ。
「女の子だから」という呪いの言葉を捨てて、もっと自由に生きよう!
「女の子の力を、世界を変える力にする。」
世界中のジェンダー平等の実現に取り組むプラン・インターナショナルから
日本の女の子たちにむけたメッセージ
プロローグ ジェンダーって何?
第1章 身のまわりにあるジェンダー
第2章 ジェンダーと暴力
第3章 世界の女の子が直面するジェンダー問題
第4章 ジェンダーフリーな社会をつくろう
エピローグ ジェンダー平等な世界へ
父親の育児・家事参加に母親ゲートキーピングや就業はいかに作用するか。ジェンダー化された家庭役割の平等化をジェンダー理論で解明。
女の子になりたいとずっと悩んでいたテディベアのトーマス。
それを打ち明けたら、大好きなエロールはもう友だちじゃなくなってしまうだろうか…。
本当の自分を打ち明ける勇気を持ったテディベアと、
そしてそれを知らされた親友のエロールの返事は……。
「大事なのはきみがぼくの友だちだってことさ」
ジェンダーと友情についてのやさしいお話。
作者のジェシカ・ウォルトンの父は男性から女性に性別移行したトランスジェンダーだった。ジェシカは、自分の息子エロールに読んで聞かせるトランスジェンダーをテーマにした絵本を作りたいと思ったことがきっかけで、自分でこの絵本を制作した。
本文は、すべてひらがなとカタカナ。幼い読者がひとりでも読める絵本です。
世界的に関心の高まる女性への暴力。その実態は地域や社会によって多様で、その差異を無視しては解決どころか深刻化しかねない。さらにグローバル化のなか地域社会が変容し暴力の構造はますます複雑化している。本書では現地調査をもとに歴史・文化・社会的文脈を考慮しつつ実態を描き出す。
序章 ジェンダー暴力とは何か?
第1部 家族の名誉にかけて
第1章 南アジアにおける強制結婚ーー規定婚、幼児婚、非人間との結婚
第2章 二重の暴力ーーネパールにおける売春とカースト
第3章 名誉は暴力を語るーーエジプト西部砂漠ベドウィンの血讐と醜聞
第4章 ジェンダー暴力の回避ーーエジプトのムスリムの試み
第5章 噂、監視、密告ーーモロッコのベルベル人にみる名誉と日常的暴力の周辺
第6章 復讐するは誰のため?--ギリシャのロマ社会における名誉をめぐる抗争
第2部 国家に抗するジェンダー
第7章 揺れ動くジェンダー規範ーー旧ソ連中央アジアにおける世俗主義とイスラーム化
第8章 抑圧された苦悩の可視化ーー韓国の烈女と鬼神
第9章 ある「母」の生成ーーアルゼンチン強制失踪者の哀悼と変わりゆく家族
第10章 痛みと記憶ーーチリ・軍政下を生き抜く女性たち
第11章 自由、さもなくば罪人ーー性の多様性をめぐるインド刑法の攻防
第3部 ディアスポラ社会の苦悩
第12章 名誉をよみかえるーーイスタンブルの移住者社会における日常の暴力と抵抗
第13章 トランスローカルなジェンダー暴力ーーインド・パンジャーブ出身女性の経験
第14章 暴力と移動が交錯する生ーーメキシコにおける中米女性移民たち
第15章 越境する「強制結婚」--ノルウェーのパキスタン系移民女性とNGO活動
第16章 眼差しの暴力への抵抗ーーノルウェーのアラブ系難民女性をめぐって
第17章 仕事・恋愛・暴力が交錯する場ーーカラオケパブで出会うフィリピン人女性と日本人男性
琉球大学国際沖縄研究所が主体となって5年計画で進めてきたプロジェクトの成果を集成する全3巻シリーズ。第1巻では、沖縄の伝統文化とジェンダー研究の接点を探る。
第6号は2つの特集、1「LGBT/SOGI施策」に6論文(谷口、遠藤、神谷、二宮、鈴木賢/TAKACO、鈴木秀洋)、2「子の面会交流」に企画趣旨と3論文(山崎、高田、光本)、シリーズ「比較家族法(2)」では4論文(二宮、渡邊、小門、石嶋)、「立法・司法の動向」は、敗訴判決にスポットを当てて一石を投じる浅倉論文と、選択的夫婦別姓の動向(二宮)を掲載。最新テーマで迫る。
ジェンダー視点で見る新しい世界史通史
現代のグローバルな課題を捉え直す
現代性の歴史的文脈をたどり、暴力・環境・災害・疫病・最新科学に切り込む!
今ここから見えている「世界」は、他の人たちが別の場所から見ている「世界」と同じだろうか。「世界」を問い、「世界を問う私」を問うーこの双方向性のなかに身を置くとき、私たちは「世界」が決して自明のものでないことを再認識させられる。だとしたら、「世界」の歴史、「世界史」とは何だろうと、西洋中心、成人男性中心に描かれてきた従来の「世界史」を見直さざるをえなくなる。時間軸と空間軸とを交差させ、比較と関係性を考えるジェンダー史の視点で考察していく。
本巻のもう一つの目的は、現代的諸課題と向き合うことである。私たちは今、地球規模で考え、協力して取り組まねばならない問題を数多く抱えている。新型コロナウィルス・パンデミックを経験し、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエルのガザ侵攻といった20世紀の分断を引きずりながら、私たちは、ビッグデータやIoT、生成AIといったデジタル技術が人間の諸関係を左右する21世紀を生きている。そのなかで、諸課題の解決に向かう端緒を開くためには、適切な問いを発し、その問いを根拠(史料/ 資料)に基づいて多角的・多層的に掘り下げていかなければならない。
本巻では、シリーズ全体を貫くジェンダー史の視点から現代世界に斬り込み、その「現代性」の本質を熟考する。換言すれば、それは、20世紀という時代をジェンダー史の視点で「歴史化」し、「相対化」する作業にほかならない。
第1章では、私たちが知る「世界」がどのように創られ、語られてきたのかを、「世界」を構成する「地域」との関係性で考察する。
第2章では、「世界」と「地域」の関係性が創られ、創り直されていく大きな契機となった植民地化と脱植民地化をジェンダー視点で検証する。
そこに絡まるのが、20世紀末の技術革新で急速に進展したグローバル化の問題であり、第3章ではその諸相が議論される。ひとの移動とそれに伴う運動や思想、とくにフェミニズムの変化、戦争や紛争といった数々の暴力に抗う人々の連帯と異議申し立ての多様性が、各地域の具体的な出来事とともに解剖される。
第4 章と第5 章では、SDGs で可視化された地球規模の課題と直接的に関わるテーマや論点が俎上にあげられる。いずれも、現代の時空間で考えられがちな問題に「歴史的文脈を与える」という重要な役割を担っており、本巻のオリジナリティもここにある。
(本巻総論より)