著者は約20年にわたって「JBA生物資源総合研究所チーム」の一員として、ABS(生物資源へのアクセスと利益配分)問題の解決とその実施に取り組んできた。
本書ではその変遷を1970年代から名古屋議定書に至るまでの体験を事細かに記述したもの。日本国内および世界各国でのABSへの取り組みの様子にとどまらず、世界の未来への提言も含まれている唯一の書。
戦後期における日本の保守および保守政治家とはいかなるものか、保守政権とはどのような役割をはたしてきたのか、問い直す。各章二人の政治家を縦軸・横軸・対称軸からカップリングさせた事例研究。自民党(旧自由党、旧民主党、旧進歩党)の多様性を論究しつつ、日本的保守政治家の実相と特質を解明する。
私たちは日常的に「人の話をきく」ことをしています。しかし、実際には「何のために相手の話をきくのか」はあまり意識せず、何となく自分に必要なことをきいていることが多いのではないでしょうか。つまり「きいているつもり」になっていることが多いと思います。
本書の著者が行うリーダー向けの研修でも、「上手なきき方ができていますか?」と尋ねると、やはり「もちろん、ちゃんときくようにしています」という答えが返ってくるといいます。
しかし、現場では「きく」ことについて色々な悩みを相談されることが多いというのです。
「気づいたら、相手の話をきくどころか、ほとんど自分がしゃべっていた」
「相手の言いたいことを先取りしてしまった」
「気づいたら、お説教をしてしまっていた」
「つい、そうじゃないよと否定してしまっていた」
「相手が話し終えるまで待てず、解決策を言ってしまった」
「相手が黙り込んでしまって、気まずい状態で終わってしまった」
このような「きき方」を続けているかぎりコミュニケーションはうまくいきませんし、人を育てることにもつながりません。
国際NLP認定トレーナー・聴き方マスター師範である著者は、年間150日以上、人材育成の研修に取り組んでいます。人間心理学を活かした、わかりやすい研修は大好評で、リピート率は98%以上の実績を持ち、高い評価を得ています。
とくに「自分で考え動くことができる人材」の育成がますます求められているなか、「うまくいかない」というリーダーたちからの相談が増えているといいます。「きく」の漢字には「聴く」と「聞く」と「訊く」がありますが、人を育てるリーダーに求められる重要な資質は「Beingとして聴く」力であるというのが、本書でいちばん伝えたいことです。
読みすすめると、これまでどんな「きき方」をしてきたのかを振り返ることができ、人を育てるリーダーに必要な「聴き方」がしっかりと見えてきます。
著者が「聴き方マスター講座」をスタートさせたころ、「人の話をきくなんて、その気になれば誰にだってできるでしょう。わざわざ講座に参加して勉強するほどのことではない」という声もきこえたそうですが、今は全国に「聴き方マスター」が誕生しています。
「話をきいてもらえる環境」が危うくなってきた今、本書は聴くことの可能性を実感させてくれます。また、すぐ応用できる「聴き方」のコツはすぐに活用でき、実践書としてもおすすめです。
プロローグ 聴くことのゴールは相手の自立
1章 聴くために必要な準備
2章 何が聴くことを妨げるのか
3章 聴くために必要な「共感」
4章 聴いているつもりの落とし穴
5章 聴くことを阻む六つのバイアスパターン
6章 「何を話しても大丈夫」という聴き方
7章 相手への理解を深める実践的アプローチ
8章 相手を育てる聴き手の質問力
エピローグ 気づきは成長の第一歩
グローバル化と多文化化が連動して生起する現在、異なる文脈で語られてきた多文化教育と国際理解教育は相互に接続し包括的に研究、実践される必要がある。両教育に共通する多様性と社会正義/公正の視点による理論と実践に関する近年の内外の研究成果を収録。
※2022年3月に、最新版となる第3版を発売しました。
『学校と子ども、保護者をめぐる 多文化・多様性理解ハンドブック 第3版』(ISBN978-4-909095-21-3)
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ある日学校に、外国につながる子どもがやってきた!
手続きは何からすればいい? コミュニケーションのコツは?
地域の学校へ、外国につながる子どもが転入学してくることは
グローバル化が進んだ昨今、決して珍しいことではなくなりました。
学校現場の先生、保護者、地域の方々が戸惑わずに受け入れられるよう、
基本的な知識と情報を詰め込んだ1冊です。
1 外国につながる児童生徒とその保護者、その多様性を豊かさに
松永典子
2 グローバル化と日本の学校文化ーー説明の必要性
施 光恒
3 多用な先生、多様な児童ーー文学に「学び」、文学で「遊ぶ」ヒント
波潟 剛
4 外国人保護者が捉える日本の学校文化ーー相互理解と母語・母文化保持の観点から
S.M.D.T ランブクピティヤ
< 資料編>
1 クラス、学校に外国につながる児童生徒がやってきたら
2 役に立つリンク集・活用例
博物館標本はタイムカプセル! 何が入ってる? どうやって調べる?
DNA解析技術の発展により,博物館の標本が雄弁に語りはじめた! 採集の時期や場所の情報,他の標本から得られたデータも組み合わせれば,生物多様性の歴史が見えてくる。過去を知り未来に活かすためのノウハウを簡明に解説。
◎DNAの解析技術の発展で,標本のDNAも解析可能に!絶滅した生物の詳細が見えてきた。
◎最先端で活躍する若手研究者が,標本からのDNA採集のノウハウを紹介。
◎将来の研究者に貴重な標本を引き継ぐために,現在の利用者,管理者は何をすべきだろう?
◎できるだけ多くの情報を未来に送るための標本の作り方とは?
◎2022年のノーベル医学・生理学賞で注目された標本DNA研究の魅力を満載。
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・過去に採集され保管されていた標本からDNAを採取して解析できれば,過去の遺伝的多様性や集団の大きさがわかるはず。絶滅のおそれのある生物で調べれば,減少の要因を推定することができる。チョウの仲間やシマフクロウ,タンチョウなどを例に紹介。
・もちろん,進化のプロセスを解明することも。今は絶滅してしまい,標本しか残っていない生物と,現生生物の関係も明らかにしたり,種の同定が困難だった標本の正体を明らかにしたり。
・遺跡から出土した動物の骨からDNAが採取できれば,古代の環境の推定が可能に。人間の影響が少ない時代の生物のようすを知ることができるかも。
・標本から得られたDNA情報もデータベース化されている。どんな研究ができるのだろうか?
・標本からDNAを採集するための技術を,目的に即して解説。
・DNA情報を壊さずに維持するために必要な標本管理のノウハウ,貴重な標本を利用させてもらうために知っておくべきことも丁寧に解説。
いま人類は、海洋の生態系や環境に過去をはるかに凌駕するインパクトを与えています。そして、それは同時に国家間・国内紛争をも呼び起こす現場となっています。
本シリーズは、編著者に、総合地球環境学研究所名誉教授 国立民族学博物館名誉教授 秋道智彌先生、笹川平和財団海洋政策研究所所長 角南篤先生を迎え、
これらの海洋をめぐって起こっているさまざまな問題に対し、研究者はもとより行政、NPO、魚介類に関係する業界関係者から、海をキーワードに活動する市井の人たちに至るまで、多様な視座と論により考察し、その本質と課題を浮き彫りにしていきます。
ヒト、ことに日本人は海との関係なしには立ち行きません、本書をお読みいただき、前向きに課題に挑戦する人たちの声を聞いていただくよう願っています。
第2巻となる本書では、生物多様性保全のための取り組みについて、水産物の乱獲防止やゴミの清掃などの多様性を阻害する要因の排除、海洋保護区や人口魚礁の設置といった積極的な保全策という2種類の方策から考察をしていきます。
<目次>
はじめに 漂着物と海洋世界ー境界の文明史
第1章 海のゴミ問題を考える
1 海岸漂着物から地球環境を読む
コラム 海洋清掃の仕組みー150キロの海岸を清掃して27年
2 漂着物にとりつかれた人たち
コラム 漂着する陶磁器
3 海域に浮遊するマイクロプラスチック研究最前線
4 深刻化する深海のプラスチック汚染
5 世界で最も美しい湾クラブ
コラム 海洋環境保全に向けた周辺国との協力の推進
6 海洋ゴミ解決に向けた世界の流れ
第2章 生物多様性を守れ
7 ホンビノスは水産資源有用種か生態系外来種か?
8 バラスト水が招く生物分布の拡散
9 季節の旅人スルメイカは海洋環境変化の指標種
コラム 可能となったエチゼンクラゲ大発生の早期予報
10 バイオロギングで生態を探る
コラム 水中グライダーー新たな海洋観測ツール
11 日本の海洋保護区の課題とは
コラム 南極ロス海、世界最大の海洋保護区に
12 海洋生物多様性の保全に向けた世界の取組み
おわりに 生物多様性の劣化をくい止めるために
著者の皆さん
鈴木明彦(北海道教育大学教授)柱本健司((公財)かながわ海岸美化財団)中西弘樹(長崎大学名誉教授 漂着物学会会長会長)野上建紀(長崎大学多文化社会学部教授)磯辺篤彦(九州大学応用力学研究所教授)蒲生俊敬(東京大学名誉教授)高桑幸一(美しい富山湾クラブ理事・事務局長)馬場典夫(海上保安庁 海洋情報部 海洋情報指導官)藤井…
歴史において国家はたえず貨幣の統合化をめざし、自らの権力の強化に利用してきた。貨幣もまた国家によりその価値の裏付けを得てきたが、経済の構造変動により多様化が不可避となり、国家権力弱体化につながった。近未来の暗号通貨なども見据えて、長年活動を継続している貨幣史研究会による、国内外前近代を主要対象にした最前線の研究成果を結集。
今日、精神分析のあり方は多様化の一途を辿っているが、その傾向は米国において顕著であると言える。その理由として、米国が世界最多の精神分析家を擁する国であること、さらに精神分析の伝統が深々と根を下ろしていることが挙げられる。
本書では、精神分析をめぐる最新の議論を米国の動きに注目して紹介しつつ、今後の臨床への応用についても展望していく。
第1部 精神分析理論の新しい地平
第1章 関係性理論の発展:新しい地平と批判
第2章 精神分析の多様化とセラピー・プロセス
第3章 解釈と関係性:無意識的プロセスと知覚的体験をめぐって
第4章 逆転移概念の変遷について
第5章 現代米国精神分析とウィニコット
第2部 臨床的ディスカッション
第6章 スティーヴン・ミッチェルの症例にみる精神分析技法論
第7章 治療者の主観性について
第8章 心的外傷と時間:遅刻を繰り返す女性の精神分析的精神療法を通して
第3部 米国における精神分析の訓練
第9章 米国における精神科臨床と精神分析
第10章 米国における精神分析的精神療法
第11章 ホワイト研究所における精神分析訓練
ソーシャルビジネスは、社会的な問題をビジネスの手法で解決すると説明されています。
少子高齢化で起こる老老介護や地域消滅、人手不足、経済格差から生まれる貧困問題、待機児童の問題、障害者雇用など。環境に関してはフードロスや脱プラスチックなど、周りを見渡すと様々な問題にあふれています。
これらの問題はガラスの向こうの話でしょうか?
自分には関係ないと感じる人もいるでしょうが、これらの問題を自分事としてとらえ、自ら関わっていくという選択は、確実にあなたの世界観を変え、可能性を広げていきます。関わり方は寄付やボランティアといった方法もありますが、ソーシャルビジネスという関わり方もあります。そこには、最初の一歩を踏み出し、周りと歩み、世界を広げていくソーシャルリーダーシップが重要です。
本書では、役に立つ事業がしたいという方が自らが成長し、継続的に成果を生んでいくことができるよう、ソーシャルビジネスの面白さや魅力、ソーシャルリーダーシップを発揮するヒントをお伝えします。
遺伝学でわかったアユのすべてを、最新の研究データをもとに解説。アユの過去(遺伝子)を解明すると、アユの未来がみえてくる。全国のアユの類縁関係などから、意外な事実がわかってきた。天然アユを保全・保護するための、漁業、養殖、遊魚、自然保護に携わる人の必読書。研究者のために、これまでのアユ研究の論文リスト、研究・分析法を巻末に収載。
neuro(「脳・神経」)、そしてdiversity(「多様性」)。
この2つの言葉から生まれたneurodiversity(ニューロダイバーシティ)は、「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方であり、社会運動を指す言葉です。
自閉症スペクトラム障害をはじめ発達障害と呼ばれる現象を、能力の欠如や優劣とは異なる視点、意味で捉えなおすための言葉であり、そしてさらには「すべての人の脳や神経の在り方」がその対象となる裾野の広さを持った言葉でもあります。
本書は発達障害に関わる支援者や教育者はもちろん、当事者やそのご家族、そして「多様性尊重社会の実現」に関心を持っているすべての方に「ニューロダイバーシティ」という人間理解の新たな視点をお届けする入門書となっています。
はじめに
第1部 ニューロダイバーシティとは何か?
第1章 ニューロダイバーシティという言葉の基礎知識
第2章 ニューロダイバーシティに関する議論,批判
第2部 ニューロダイバーシティ視点の人間理解
第3章 脳・神経の仕組みが異なるということの臨床的理解
第4章 脳・神経の違いが生む異なる体験と文化
第3部 ニューロダイバーシティの諸側面
第5章 『教育』×『ニューロダイバーシティ』
第6章 『働く』×『ニューロダイバーシティ』
第7章 『家族』×『ニューロダイバーシティ』
おわりに 対人支援者,教育者がニューロダイバーシティを学ぶ意味
あとがき
「女の子だから、お手伝いして」「男の子なんだから、すぐに泣かないの」……。「男も女も関係ない」とふだんは思っていたりするのに、ついうっかり、こんな言葉を子どもに言ってしまった。あるいは、自分自身が子どもだったころ、そんなふうに言われて、モヤモヤした。そんな経験はありませんか?
本書は、子どもにかかわる大人が、自らのなかにあるジェンダー・ステレオタイプ、すなわち、性別にかんする固定観念や先入観に気づき、それを無意識に次世代に引き継いでしまわないために、子どもとどのように向き合っていけばよいかを10の提案にしてまとめたものです。
著者のセシリエさんは、デンマークで20年以上、ジェンダー平等の啓発に取り組み、研修や教材作りにたずさわってきました。デンマークといえば、民主的で幸福度の高い国として知られていますが、じつはジェンダーギャップ指数は29位。北欧5カ国のなかでは最下位です。120位の日本と比べれば、はるかに上位ですが、ジェンダー・ステレオタイプが根強く残っている社会なのだとセシリエさんはいいます。
たとえば、デンマークの学校には「男の子会議」「女の子会議」といって、子どもたちを性別でわけて話し合いの場をもつことがあります。性別でわける合理的な理由はみあたらないのに、不自然だと声をあげる人は少なく、定着しています。その原因についてセシリエさんは、ジェンダー・ステレオタイプが社会の文化に根付き、日常に溶け込んでしまっているからだと指摘します。そのほか、男の子のおこづかいのほうが女の子よりも多かったり、男の子のほうが速く走ることができる、と教師が決めつけてしまったり……。デンマークでもこんなことがあるのか、と思う事例がいろいろ。
なぜジェンダー・ステレオタイプの根強い社会を変えていかなければならないのか。それは、性別にまつわるステレオタイプは「こうあるべき」という規範となって、人々の行動や考え方をしばるからです。その枠からはずれてしまうと、自分はどこかおかしいのではないか、と感じたり、自尊心が傷ついたりして、その結果、その子がもっているはずの可能性を十分にのばすことができなかったり、夢をあきらめなければならなかったりすることもあるかもしれません。
そのような事態を招かないためには、大人自身がジェンダー・ステレオタイプから自由になって、子どもたちとかかわることが大切なのです。それはまた、性別や性的指向、性表現にかかわらず、すべての人々の存在を認め、等しく価値ある存在として受けいれていくジェンダー平等な社会の実現につながっていきます。
さあ、あなたもさっそく取り組んでみませんか? 子ども一人ひとりがおたがいの違いを認め合い、自分らしく生きられるように。
豊かな自然と南北文化の交錯が育む文化的多様性。自然環境の多様性は、そこに住む人々に生業、生活様式、儀礼、宗教、世界観など文化的多様性を与えてきた。また、北の日本本土、南の琉球・中国からの文化の交錯・重層地帯でもある。本書は、その最新の調査研究成果を収録する。
生物の成長、環境適応、行動、生殖、免疫など、個体の諸現象にはホルモンが関係している。比較内分泌学は、さまざまな生物のホルモンについて、進化の観点からその分子機構や作用を統合的な理解を目指す学問である。近年では多様な動物のゲノムデータの公表により多くのホルモンや受容体が発見され、さらに新しい細胞内情報伝達機構が明らかにされてきた。
本書は、脊椎動物・無脊椎動物の多様な生物を題材に、進化の観点から内分泌の基礎を網羅し、種々のホルモンを整理する。動物生理学を学ぼうとする学生、また、ヒト内分泌のより深い理解を目指す研究者に必読の内容となっている。
「生物多様性」をテーマにしたシリーズの第1巻。
この巻では、シリーズ全体の総論として、多様性生物学の中での「種」をめぐる研究の歴史と意義を概観し、現状を明らかにする。生物界を見渡し、種多様性を解き明かしていくには、たいへんに多角的なアプローチが必要であることは必須である。それらのアプローチの理論や手法を、実際の研究例を用いて、生物学のさまざまな分野の専門研究者によって紹介する。
第 I 部 分類学のすすめ
1.種多様性とは何か
2.分類学はこれまで何をしてきたか
第 II 部 類縁と系統をさぐる
3.系統樹をつくる
4.分子系統学のすすめ
5.比較分子発生生物学のすすめ
6.比較形態学のすすめ
7.比較細胞学のすすめ
8.理論細胞遺伝学のすすめ
9.古生物学のすすめ
第 III 部 種分化研究のすすめ
10.動物における種分化の機構
11.両生類における種分化
12.霊長類における種分化
13.無性生殖集団における植物の種分化
14.島嶼における植物の種分化
15.渓流沿い植物の種分化
16.植物地理からみた多様性
17.動物地理からみた多様性
2021年1月に開催された生物多様性のための「ワン・プラネット・サミット」で、各国首脳が次々に言及し、いま注目が集まる「NbS自然に根ざした解決策」とは何か? その全容を日本で初めて総合的に解説する入門書。NbS誕生の歴史と背景、支援するグリーンファンド、教育ツール、コロナ復興との関係などのテーマのほか、100点以上のカラー写真で紹介する世界の事例は必見。
里山や川の土手には多くの草花が生えています。それらは日本に古くからある植物、それとも近年外国から入ってきたもの?人の手が加わると在来植物に、ほったらかしにすると外来植物になり、多様性が失われていきます。それはなぜ?多様性を保つには何が必要なのでしょうか。各地の実践例も紹介しながら考えます。
100年以上の歴史を持つ日系人のコミュニティ。そこで行われてきた日本語日本文化と現地の言語文化の間の葛藤、挑戦、実践は、現代社会にどう活かせるか。マイノリティの言語文化教育も視野に入れ、当事者たちの声を聞く。
第1章 南米日系日本語教育の創造性と多様性
松田真希子
第2章 ケイショウゴ教育の変遷についてーオーストラリアとブラジルを例にー
トムソン木下千尋
第3章 「違い」の感覚を生きる
福島青史、長谷川アレサンドラ美雪
コラム1 複数の言語と文化に触れること
松崎かおり
第4章 多様化社会のファミリー・ランゲージ・ポリシー
伊澤明香
第5章 日系4世の継承語・文化保持の可能性
坂本光代
第6章 ニッケイ・アイデンティティについて考える
水上貴雄
第7章 スタイル万能神話の崩壊
ー状況に応じて、話す言語に応じて、人間(キャラ)が非意図的に変わるということー
定延利之
第8章 自分のことばをつくっていく意味
三輪聖
第9章 CLD児のことばの可視化と全人的教育
中島永倫子、櫻井千穂
コラム2 離れて眺めて、混ざる良さに気づく
サウセド金城晃アレックス
第10章 日系ブラジル人にとっての「日本」、そして「郷土」
中井精一
第11章 ブラジルに根をはる俳句・ハイカイ
白石佳和
第12章 ボリビア日系社会の言語接触と混合言語
ダニエル・ロング
コラム3 “Why me?”-なぜ私がシドニーにいるかー
寺本不二子
第13章 昆布に分散化されたアイデンティティ
尾辻恵美
第14章 彷徨える文化、言語、アイデンティティ
岡田浩樹