本書は大きな問題を簡単な一事例として示し、子どものそれぞれの発達段階で変わる特性に共通考察を加え、子どもの教育にたずさわる大人に明瞭なガイドラインを提示し、自己規律のプロセスにおいてはその発達段階に起こる固有なニーズに、どのようによりよく対応できるかを明らかにしてくれる。
思春期なんて、とっくに卒業したと思っていたのに…⁉
30歳を過ぎたころから起こる、さまざまな「身体の変化」や「心の揺れ」にとまどいつつも向き合う日々--「大人の思春期病」をテーマに、大好きな女友達とおしゃべりするように書きとめたエッセイ。
女性誌「anan」で連載し、多くのアラサー女子の共感をよんだ初エッセイ集の文庫化。
・「結婚願望はないです」と答えていた若かった自分を反省して、「機会があったらしてみたい」と答える今日このごろ。大きな成長、この変化が嬉しい!
・自意識が邪魔して、FBやmixiにほとんど意味のあることを書きこめず。SNSにお洒落な写真をアップロードできる日は来るのか⁉
・通販の罠にかかり、ネットのお洒落な店のサイトを見ている内に頭が沸騰。「この戦い、負けられない!」と早朝からPCに張り付いて予約に成功。気が付けば部屋は段ボール箱だらけ……
・年末年始もいつものコンビニでバイト。お一人さまの正月はいつもと違う空気感で嫌いじゃない。
・「バーに行こう!」と思い立ち、初めて一人で入った店が「シガーバー」……
・同世代の女性と会うといつも話す「産むか、産まないか」。「産まない派」と見せかけて「本当にそれでいいのか」と夜中に悶々とするわたし。期限は迫る。
「こんなこと気にして、自意識過剰で、馬鹿だなあ」と笑ってほしい、と著者(「文庫版あとがき」)。
時に、こんなことまで書いちゃっていいの? と不安にさせられる、芥川賞作家(「コンビニ人間」)の赤裸々エッセイ。
これから先長い人生を本当に豊かに生きるために、子ども・青年たちに《生きる底力》をつけてあげたい!加速度的に進展する情報化社会。メディア・リテラシー教育の行き届かない状況の中では、子どもたちは氾濫する危うい情報・知識(中でも性情報の類は量的に突出している)に振り回され、「ウソ」を「本当」のことと思い込んで行動してしまうケースが多く見られる。正確な情報・知識をきちんと学ぶことは、特に「性」の分野においては“いのち”の問題とのかかわりから考えて極めて重要な課題である。産婦人科の現場で多くの事例に接してきた著者が、思春期の悩み・トラブルと相談、10代の受診者から見えてくる性教育への提言、さらには更年期医療の現場から見る性教育への提言に至るまで、女性の生涯のセクシュアリティについて正確な知識を基に熱く語る。
男子校に進学したはずの中野 創は、
なぜかクラスメイトたちにドキドキしてしまう。
『俺は男女問わずときめいてしまう人間なのか…?』
と思い悩む中野くん…。
しかし彼は知らない。
クラスメイトのみんなが
男装した女子だということをーー。
彼(?)らの秘密に気づかないまま、
中野くんの高校生活が
始まるのであったーー。
第1話 『男子校の同級生にドキドキするはずがない』
第2話 『なんで可愛く見えるんだ!?』
第3話 『混浴で困惑』
第4話 『そうだ、家に帰ろう』
第5話 『むずかしいぞ! 意思疎通』
第6話 『迷子オーマイゴッド』
第7話 『ハーレムとアクアリウム』
描きおろしおまけマンガ 『もしも中野たちの性別が逆だったら』
長女カノコは憂鬱の真っ只中。
継父とのカルチャーギャップ、慣れぬ米国暮らし
学校でのストレスも相まって、攻防の日々は果てもない。
思春期の「あのふきげん」とどう向き合うか。
三人の娘を抱え煩悶し、挑戦し、嘆息し、
そして読む者に語りかけるーー
苦しいのはあなただけじゃない。
その体感が時を超えてリアルに迫る!
これぞ〈母親・伊藤比呂美〉の真骨頂
名エッセイ復刊
アタッチメント理論は、英国の児童精神科医J・ボウルビィ(1907-90)により創始された。アタッチメント理論とは「人間には危険にさらされた人間が身を守るために特定の他者に接近する行動、そして接近された人間は相手を保護しようとする行動、そのいずれもが生得的反応として備わっている」と提唱した説であり、ボウルビィはそれらの対人関係行動を「アタッチメント」という概念で抽出している。
ボウルビィの主著『母子関係の理論』の完成から四半世紀が過ぎ、アタッチメント概念は心理学の世界でもはや母子関係の枠を超えて、人間理解に用いられている。本書はアタッチメント・スタイル・インタビュー(ASI)と呼ばれるアタッチメントの測定法の第一人者である著者が、ボウルビィ以後の研究を俯瞰し、今日的水準のアタッチメント理論を構築するとともに、心理臨床への応用を論じたものである。
思春期のとらえがたい心性にどのように接近し、どのように触れ、心理療法へどのように生かすのか。アタッチメント理論を十分に咀嚼し、面接過程に織り込まれるように思春期のこころの動きを巧みに論じた臨床素材は、日々の臨床の実感に溢れている。
精神分析理論と発達理論をつなぐ触媒となるとともに、思春期理解の方法論を鮮やかに論じた、アタッチメント論の重要書。
序文 吉田敬子
はじめに
第1章 アタッチメントとは
1 ボウルビィによるアタッチメント理論の基礎
2 アタッチメント・システムの機能
3 内的作業モデル
4 アタッチメントの内的作業モデルの個体差
5 アタッチメントの内的作業モデルの型の形成
6 アタッチメントと適応
第2章 アタッチメントの測定と内的作業モデル
1 アタッチメントの個人差研究
2 ASIにおけるアタッチメントの個人差の構造と測定
3 内的作業モデル再考
第3章 思春期におけるアタッチメント
1 思春期の始まり
2 自立をめぐる葛藤
3 現代の日本社会における思春期
4 アタッチメント対象の移行
5 アタッチメント関係と友人関係
6 アタッチメント関係と恋愛関係
第4章 精神的健康の防御要因としてのアタッチメント
1 防御要因としての安定型アタッチメント
2 不安定型アタッチメントを形成する要因
第5章 心理療法の初期におけるアタッチメント
1 援助関係の始まりとアタッチメント
2 アタッチメントの安定性と精神的な危機
3 アタッチメント・スタイルと心理療法の初期の接近
第6章 心理療法の過程と終結におけるアタッチメント
1 治療過程におけるアタッチメント
2 治療関係における同一化とアタッチメント
3 治療過程における内的作業モデルの変化
4 心理療法の終結とアタッチメント
あとがき
索引
2018年6月に第31回日本思春期青年期精神医学会ならびに第2回国際思春期青年期精神医学・心理学会アジア地区大会が大阪で開催された。「変わり続ける世界で、思春期と出会う」をメインテーマに,社会全体の変貌に従って青年期の在り方が変化していることを背景に,正常な,あるいは病的な青年期のパーソナリティの発達について,各国の臨床家達による活発な議論が繰り広げられた。大会特集第2弾となる本号は,メンタライジング理論の創始者ベイトマンらによる3本の講演のほか,4つのシンポジウムを紹介する。
●巻頭言
会長就任の挨拶(生田憲正)
●第31回日本思春期青年期精神医学会大会ならびに第2回国際思春期青年期精神医学・心理学会アジア地区大会記録
【講 演】
変化し続ける世界と思春期青年期(小倉清)
思春期患者との転移ー逆転移の問題:個人的考察(リチャード・M・サールズ)
メンタライジング序説(アンソニー・W・ベイトマン)
【シンポジウム「何故思春期青年期精神医学なのか? 何故思春期青年期メンタルヘルスなのか? 何故ISAPPなのか?」】
討論の記録(館直彦)
思春期の精神衛生と精神医学──なぜ単独に検討する必要があるのか──(ヒュサン・テュハダロル)
日本思春期青年期精神医学会の回顧と展望(生田憲正)
思春期における精神医学的障害の診断において進化しつつある概念(マリオ・スペランツァ)
【シンポジウム「ひきこもり:文化横断的討論」】
討論の記録(中村伸一)
深刻な社会不安を抱える思春期患者を理解し,治療すること(アネット・ストリークーフィッシャー)
韓国における引きこもりと家族介入(テ・ヨン・チョイ)
引きこもりへの多元的アプローチ(加藤隆弘)
【シンポジウム「青年期の心理的発達についての現代的視点」】
討論の記録(生田憲正)
日本人の中の「甘え」とアタッチメント(近藤清美)
思春期青年の心理発達的課題に異文化教育環境が与える影響について──日本の英語環境インターナショナルスクールで教育を受ける韓国人青年の事例を通じて──(姜英愛)
若者が暴力的過激派や標的型暴力にかかわることを,いかにして防ぐか(スティーヴァン・ウェイン)
【シンポジウム「パーソナリティの発達と思春期におけるその病理」】
討論の記録(池田暁史)
メンタライジング,アタッチメント,そしてパーソナリティ障害(アンソニー・W・ベイトマン)
日本における境界パーソナリティ障害の現状(池田暁史)
境界性パーソナリティ障害の思春期における対人関係と自己の確立(マリオ・スペランツァ)
●合同委員会・編集委員会・子どものこころ専門医関連委員会報告
●会計報告
●日本思春期青年期精神医学会規約
●編集方針・投稿規定
●英文目次
教育評論家との毒親対策対談も収録。
中学生になったつつみ。家では相変わらず毒母からの暴言や体罰が続いていた。
成長するにつれて自我が芽生えた彼女は、自分の家の異常さに気付き始める。
毒親である母と、母を毒親にした祖父に翻弄されながらも、なんとか自分だけは正常でいようとするつつみ。
実父との再会、初めての彼氏、つつみのことを心配する友人たち。
つつみを救うのは誰なのか。全編再編集され、未公開エピソードも収録。
社会への適応は,思春期青年期における重要な成長課題であり,社会は若者を大人へと成長させるために重要な役割を担っている。しかし,現代の日本社会では,その役割は必ずしも十分担われているとはいえず,それどころか,社会によって適応のあり方が歪められ,大人への成長を困難にしている側面がある。しかし,現代の日本社会に如何に成長阻害的な側面があるとしても,その中で大人への成長に取り組んでいる若者がいる。思春期青年期の支援を担う専門家には,彼らの取り組みを適切に支援する方法を模索し実践する責任がある。前号シンポジウムでの総論に続き,今号ワークショップでは具体的な取り組みを議論する。
●第32回大会 ワークショップ「安全で支持的な環境の提供」
思春期青年期精神医学は子どもたちの安全で支持的な環境の提供にどう寄与できるか(武田信子)
ユニバーサルデザインを援用した修学・就労支援──不登校生徒の事例から(川俣智路)
コミュニケーションに課題を持つ子どもたちにとっての支持的な環境──フリースペースと親子キャンプでの実践を通して(平野直己)
●討論記録(白波瀬丈一郎・守屋直樹)
●総説
Crittendenの「アタッチメントと適応の動的ー成熟モデル(DMM)」による成人アタッチメント
研究の展望2──実証研究,事例研究,および司法場面への応用について(三上謙一)
●短報
「不登校」と「引きこもり」(小倉清)
●合同委員会・編集委員会・子どものこころ専門医関連委員会報告
●会計報告
●日本思春期青年期精神医学会規約
●編集方針・投稿規定
●英文目次
子どもが思春期に入ると、親子関係は大きく変化し、わが子との接し方に親の戸惑いは膨らむばかり。本書では思春期の心理から、発達障害、精神疾患、自殺関連行動、ゲーム依存、不登校に至るまで幅広くカバーし分かりやすく解説。思春期の子を持つ親御さん、教師の皆さんに向けての至高の一冊。
親が肩の力を抜くと、親が楽になります。親が楽になると、子どもも楽になります。付録・いじめにあって、自殺を考えている君へ「自分らしく、成長していけばいい」、子どもたちを元気にする「いじめ対応マニュアル」
本書の対象として想定されている読者は、思春期の患者にセラピーを提供する立場にある、経験が浅いセラピストです。また、思春期の患者とかかわる機会を持つ、医療・福祉・教育分野において対人援助サービスに携わる方々にも何らかのヒントになるかもしれません。特に、教師など教育関係の方々には、学校現場で生徒を理解し、心理的援助を行う際に有用となる内容も含まれていると思います。思春期というのは移行の時期であり、移ろいやすく、捉え難いものです。このような事情もあり、思春期の心理療法には、子どものセラピーや大人の心理療法と異なる固有の難しさがあります。初心のセラピストは、思春期の患者のセラピーに乗り出すと、さっそくさまざまな困難の洗礼を受けることになります。本書の中で、そのような困難をいかに味わい、心理療法的に扱っていくかということを記述したいと思います(序章より抜粋)。