世界各地の多様なノンフォーマル教育の実践を通じ、
既存の教育観を超えた、「別様の教育」の可能性を追求する試み。待望の増補改訂!
2013年に本書の旧版を出版したとき、「ノンフォーマル教育」という言葉はあまり知られておらず、使用されることも多くはなかった。それから10年余りたち、教育を取り巻く状況や考え方が大きく変化するなかで、それらに柔軟に対応する「別様の教育」としてのノンフォーマル教育がもつ可能性は、より広く認知されるようになった。
教育の営みは、それを取り巻く社会のありように規定される。その一方で私たちは、教育を通じて社会を変えていくことへの希望も抱いている。一人ひとりの生活を安全で安定したものにするために、そしてより充実したものにしていくために、世界各地で多種多様な教育活動が展開されてきた。その幅広さを捉えるためのキーワードとして本書が注目する「ノンフォーマル教育」は、学校教育が十分に普及していない地域においては初等・基礎教育や職業訓練の機会として提供され、学校制度が定着した社会では、社会の主流に包摂されない自由で柔軟な学習の場として展開されてきた。ノンフォーマル教育の多様な実践を見ることで、改めて、教育と社会の複雑な関係についての理解を深めることができるはずである。
この増補改訂版では、ノンフォーマル教育の実践や理論を紹介するコラムをさらに充実させるとともに、性の平等を目指す教育実践について検討する新たな章を追加した。その他の章においても、情報を更新したり新たな論点を提示したりしている。
ノンフォーマル教育の現場では、社会のありかたを見据えながら、そのなかで一人ひとりの自己実現を支援する活動が営まれている。そこで生じる創意工夫や協力関係は、「教育をつくりあげる」ことの魅力にあふれている。そう、教育は、自分たちの手でつくっていけるものなのだ。自分にとって、周りの人々にとって、どのような教育が望ましいのか。本書がそれを考える際の一助となれば幸いである。
〜自分を守り、人を尊重する。すべての子どもたちに必要な「生命の安全教育」〜
もしもの時に、子どもが自分の身を守るために。そして、誰もが安心して暮らせる社会のために。
今、子どもたちを取り巻く環境は、大きく変化しています。インターネットの普及により、性被害のリスクは、以前よりも身近なものとなりました。また、学校や地域社会においても、子どもたちが性暴力の被害者、加害者、傍観者にならないための教育が、ますます重要になっています。
「生命の安全教育」とは、子どもたちが、自分の心と体を守り、安全に生きていくために必要な知識、スキル、態度を育む教育です。性暴力防止、人権尊重、ジェンダー平等など、幅広いテーマを含みます。
本書は、子どもたちが、これらのテーマについて、自分ごととして考え、理解し、行動できるように、さまざまな工夫を凝らしています。
【このシリーズだけの、3つのポイント】
1. 子どもにも分かりやすい! 難しい言葉や抽象的な概念ではなく、子どもたちの日常生活に即した、具体的な事例を、マンガやイラスト、ケーススタディで分かりやすく解説します。「こんな時、どうすればいいの?」という疑問に、具体的な行動例で答えます。子どもたちは、自分自身の問題として捉え、共感しながら学ぶことができます。
2. 今日から実践できる! 「体の権利」「プライベートゾーン」「境界線」「同意」など、自分を守るために大切な概念を、丁寧に解説します。「いやなことは、はっきり断る」「信頼できる大人に相談する」など、具体的な対処法を提示します。インターネット上での危険、デートDVなど、現代社会ならではの問題にも対応しています。このシリーズを読めば、子どもたちは、危険を察知し、回避するための知識とスキルを身につけることができます。
3. もしもの時も、安心! 各巻には、困った時に相談できる窓口の情報が掲載されています。QRコードを読み取ることで、すぐに相談窓口にアクセスできます。「ひとりで悩まないで」「あなたには、助けを求める権利がある」というメッセージを伝え、子どもたちをサポートします。
【各巻紹介】
1巻 自分を守るために大切なこと
「体の権利」ってなに? わたしとあなたの境界線、同意の大切さ、ジェンダーってなに?
2巻 加害者・被害者・傍観者にならないために
インタ
絶えず変化を続ける国際教育の現場環境に対応するため、
国際教育の実践の支援に役立つハンドブックが登場。
国際教育に携わる教職員や社会人が集まり,
新しい時代の国際教育を切り開くためのチームBRIDGE Instituteが提供してきた
「国際教育の理論と実践を学ぶワークショップ」で展開してきた
議論と実践を手軽に読めるようにまとめた内容。
国際教育プログラムが急激に拡大する現場において,
担当者が学びの質に対して確信がもてないまま実践が先行している
現状を重要な課題と捉え、より広く教育現場に届けることを目指す。
国際教育について考えるすべての人へ。
【執筆者】
秋庭裕子、大野さゆり、岡田二朗、小野詩紀子、川平英里、國府田 真、古賀恵美、近藤祐一、
佐間野有希子、高木ひとみ、平井達也、藤井基貴、筆内美砂、星野晶成、堀江未来、松本哲彦、
力丸晃也
本書で育てる『社会性』とは、子どもたちが大人になり社会生活を営んでいくために必要な、コミュニケーション能力・実践力・社会適応・集団適応・規範意識等、特に「将来展望性」に焦点を当てた諸能力や資質の総体。
本書で育てる『社会性』とは子どもたちが大人になり社会生活を営んでいくために必要な、コミュニケーション能力・実践力・社会適応・集団適応・規範意識等、特に「将来展望性」に焦点を当てた諸能力や資質の総体。
吃音のある子どもを支援するための実践的な方法を具体的に紹介。発話症状面に対する支援に加え、心理、社会的側面にも焦点を当て、さまざまなアプローチ方法を提示する。脳科学研究の動向やマインドフルネス・コンパッションを用いた支援、そしてICTを活用した指導など新たな知見や実践を取り入れた改訂版。
《特集 高等教育における多様性と包摂》
高等教育における多様性と包摂ー特集の趣旨ー(日本高等教育学会研究紀要編集委員会)
高等教育における多様性と包摂をめぐる「物語」(米澤彰純 白川展之)
日本の大学における国際化と多様性推進ー留学生の包摂とダイバーシティ宣言策定の動向を踏まえた考察ー(大西晶子)
子どもの貧困対策から考える高等教育の多様性と包摂ー児童養護施設入所経験者を事例としてー(西本佳代)
障害と高等教育を「社会モデル」で捉えなおす(福田由紀子)
ジェンダーをめぐる高等教育の多様性と包摂ー科学技術分野における男女共同参画の視点からー(河野銀子)
米国におけるDEI を巡る動向と大学の自治の危機(吉田翔太郎 福留東土)
後期近代社会における高等教育の「多様性」と「保障」-移民的背景を持つ日本の子ども・若者に焦点を合わせてー(倉石一郎)
《論稿》
米国学士課程教育における統合的な学習経験としてのLLC(Living Learning Community)の実態と位置付け(安部有紀子 蝶慎一)
日本高等教育学会の設立趣旨
日本高等教育学会会則
「高等教育研究」投稿規定
「高等教育研究」執筆要領
二重投稿の禁止について
既刊「高等教育研究」総目次
編集後記
組織における教育をキーワードにした「経営学」と「心理学」の融合を目指して…大学へ寄せられる産業界・企業からの期待に応えるために必要なものとは?「創造性」を育てる取り組みが、“研究”と“教育”を融合する取り組みと重なり合うことを描き出すことができるのか?経営学者と心理学者の協働による意欲的研究!
国語科の存在意義を具体的な11の論点で再考する。高校国語科教員の必携書。
教養教育の現代化、FDと授業改革、大学アイデンティティの確立ー大学史研究と自らの改革体験を踏まえ説き進める、必読の時論集第3弾!サバイバルの危機とユニバーサル化の趨勢を前に、難題解決の途を探る。
近年、社会的需要の高まるSTEM分野やグローバル人材の育成のための才能教育が、わが国でも徐々に整備されている。他方、優れた才能と発達障害を併せ持ち、二重の特別支援教育が必要な多くの2E(twice-exceptional)の子どもたちが、既存の学校教育に馴染めず、才能を十分に発揮できないまま置き去りにされている現状もある。多様な発達を遂げる子どもたち一人ひとりの才能を見出し伸ばす包括的な教育の整備は、今後も重要な課題となるだろう。米国の実践事例を合わせ鏡とすることで、わが国に適した才能・2E教育の具体的あり方を検討し、「誰一人取り残すことのない個別最適な学び」の極致を志向した一冊。
はじめに/重要用語解説
第1章 才能の概念と発達多様性
第2章 才能児の多様な才能とニーズの評価
第3章 才能教育の方法と早修
第4章 拡充プログラム
第5章 2E の概念と2E 教育の方策
第6章 2E 教育の実践方法
第7章 日本の才能教育の現状と課題
第8章 日本の2E 教育の現状と課題
あとがき/索引
親が教育費を払うのは当然?その常識を覆す。日本では、なぜ公教育の無償性が実現されないままなのか?その歪んだ構造を初めて歴史的に解き明かし、子どもの教育人権を保障する制度の骨格と財政量を提示。教育財政法の新たな地平を拓く。