社会問題としての性犯罪を論じた報道は多くあるが,性犯罪を起こした人を「いかに理解し,いかに関わるか」を詳説した書物は未だ少ない。この現実を前に,刑事施設における性犯罪者処遇プログラムに携わった専門家たちが結集する。ここにあるのは無敵の知でもなく,学術的視点のみから構成された性犯罪防止の包括的提言でもない。性犯罪の理論的考察,性犯罪の心理臨床概論,性犯罪の治療理論,性犯罪臨床の実践アプローチまで,性犯罪の再犯防止に取り組む実務家,そして性犯罪からの回復を目指す人々を支える「現場の知」。性犯罪を起こした人を理解・支援するための方法論を解説した,性犯罪者と日々向き合う経験から織り成された実践知の集積。
組織における教育をキーワードにした「経営学」と「心理学」の融合を目指して…大学へ寄せられる産業界・企業からの期待に応えるために必要なものとは?「創造性」を育てる取り組みが、“研究”と“教育”を融合する取り組みと重なり合うことを描き出すことができるのか?経営学者と心理学者の協働による意欲的研究!
本書で育てる『社会性』とは、子どもたちが大人になり社会生活を営んでいくために必要な、コミュニケーション能力・実践力・社会適応・集団適応・規範意識等、特に「将来展望性」に焦点を当てた諸能力や資質の総体。
教養教育の現代化、FDと授業改革、大学アイデンティティの確立ー大学史研究と自らの改革体験を踏まえ説き進める、必読の時論集第3弾!サバイバルの危機とユニバーサル化の趨勢を前に、難題解決の途を探る。
親が教育費を払うのは当然?その常識を覆す。日本では、なぜ公教育の無償性が実現されないままなのか?その歪んだ構造を初めて歴史的に解き明かし、子どもの教育人権を保障する制度の骨格と財政量を提示。教育財政法の新たな地平を拓く。
現代の教師には,ICT化の流れのなかでAIにはない自律性が求められている。
子ども個人の学習状況による「個別最適な学び」の提供だけでなく,子ども一人一人をまるごと見ている教師にしかできないこととは何かを考える。
第1部 今日の教育改革と教師の自律性
1 教育「変革」政策の展開と教師の自律性
ー「教育DX×個別最適な学び」による脱学校化の行方ー 石井英真
2「 個別最適な学び」を問う
ー「個」の独自性(固有名)を大切にする教育実践へー 鹿毛雅治
3 個別化・個性化教育の動向と教師の自律性
ーオランダのイエナプラン教育を手がかりとしてー 奥村好美
4 教育データサイエンスと教師の自律 田端健人
5 教師教育改革の動向と教師の自律性 木原俊行
6 生活指導運動における実践知の創出と教師の自律性 高橋英児
第2部 教師の自律性を軸とした授業研究
1 子どもと教師の自己変革の場としての授業づくり
ー教師と研究者との協働による授業研究過程を省察するー 吉永紀子
2 授業研究者をとりまく教育臨床研究の倫理に関わる問題群 宮原順寛
3 学校を基盤とした協働型授業研究 坂本將暢
4 校内授業研究を通した教師の自律性を保障する学校文化の醸成 黒田友紀
5 教師にとっての実践記録の意味 藤江康彦
第3部 教育方法学の研究動向
1 教職課程改革における教育方法関連科目の位置と課題
ー「情報通信技術を活用した教育の理論及び方法」の新設をめぐってー 樋口直宏
高機能自閉症やアスペルガー症候群などの人とのつながりが苦手な子どもたちに特別支援教育を進めるための必読書。
パターナリズムからケアへ。教育は目的の王国であり、陶冶と能力開発を至上目的とする近現代教育は、生徒という「存在」のためというよりも、生徒を「目的」へ向け牽引するパターナリスティックな行為となる。不登校、高校中退、校内暴力といった目的に逆らう行動は、「病的」な非倫理と刻印され、教育からの追放・離脱に帰結するほかはない。だが医師にとって病は何ら「病的」ではないのだ。ケアの場で見るような関係性のあり方を、教育現場において追求・考察した、優れて今日的な実践的理論の展開。
学ぶ権利を保障するためには、学校・教職員の専門性に基づく自律的な教育活動が欠かせない。しかし他方で、学校・教育現場への統制の強化が、「民意」を背景に進められてきた。教育における民主主義のあり方を探る本格的研究。
序 教育に求められる自律性と教育政治
第一部 「民意」拡散と教育政治の変容
第一章 「民意」拡散による教育専門職裁量の縮小
第二章 教師教育における専門的自律性と正統性
第三章 教育機関の管理運営における民主主義をめぐる課題
第二部 「公正な民意」と教育政治のかたち
第四章 「民意」拡散に対置しうる「公正な民意」のあり方
第五章 学校を基礎とした民主主義のあり方
第六章 教育管理職人事における政治の位置
結 “本当の世界”についての学びを支える教育政治のかたち
本書で育てる『社会性』とは子どもたちが大人になり社会生活を営んでいくために必要な、コミュニケーション能力・実践力・社会適応・集団適応・規範意識等、特に「将来展望性」に焦点を当てた諸能力や資質の総体。
本書では、文学には、皮肉やユーモアなどといった文学を理解し楽しむために必要なcreativity、書き手や話し手の語り口という文章を理解するために必要なnarrativityがふんだんに含まれているという点から、文学教材が単なる事実文、報告文、作られた会話文よりもコミュニケーション能力育成のための活動に有益であることを論じる。
学校教育におけるマンガの可能性について、多様な視座から考察を加えることにした。
マンガ家、マンガ研究者、教科書編集者、そしてマンガを扱った実践のある現職教員と、多彩な顔ぶれの執筆陣。
それぞれの執筆者の立場から、テーマへの独自のアプローチを試みる。
具体的な実践にも言及がなされたことを受けて、今後学校教育とマンガとの新たな関係性の構築にむけた1冊。
教育最前線講演会シリーズとして開催された講演会の記録を収録。
【執筆者】
町田守弘、秦美香子、山田桂吾、岸 圭介、森 大徳、すがやみつる
はじめに 町田守弘
大学教育におけるマンガの可能性ーマンガ研究の視座から - 秦 美香子
教科書とマンガーマンガはどのように教材化されうるか - 山田桂吾
マンガのキャラクターを通した「主体変容」の可能性 - 岸 圭介
マンガを文学作品として読むーこうの史代ー「夕凪の街」教材化の試み - 森 大徳
プロを目指さないマンガ学部学生のマンガ教育とは? - すがやみつる
総括討論の概要 町田守弘