多くの人を引きつけ、巻き込むアート。社会的なメディアとして機能するアート。アートと社会は、それぞれが他方の一部となり、それぞれの相互作用を通して関係は変化を続け“共進化”的動態を生んでいる。そこに浮上する問題群。著者はこれらの群を確認し、抽出、整理し、考察する。野心的試みが結実した1冊。
作家、画家、音楽家、哲学者たちはなぜ破綻において自由となったのか。ランボー、アルトーらのはるかなる嫡子であり詩人思想家にして炸裂的な文学者がその営為のすべてを結晶させた思考のアラベスク。
この「まんが世界と日本の人物伝100」シリーズでは、世界や日本の歴史上の人物を、テーマ別の10巻で合計100人、まんがで紹介します。どんな「偉人」も、はじめはみんな子どもで、お母さんやお父さんがいて、泣いたり笑ったりしながら、いろいろ考えて行動し、悩みながら大きくなりました。その成長や、なしとげた業績は、短いまんがではもちろん、えがききれませんが、一方で、まんがでは、生き生きとした人物像を感じてもらうことができると思います。読んでもし、その人がとても気になったら、くわしい伝記も開いてみてくださいね。
分析心理学の創始者であり、二〇世紀を代表する思想家であるユングは執筆と同様に創作にも多くの情熱を注いできた。その視覚芸術の実践は生涯にわたり、デッサン、絵画、彫刻など幅広いジャンルで行われてきたが、ユング自身の「芸術家」を名乗りたくないという思いから知られることはなかった。しかし、二〇〇九年に出版された『赤の書』により、ユングの視覚芸術とその豊穣なイメージに注目が集まることとなった。本書では未発表の芸術作品も数多く紹介し、その変遷と芸術的意義を明らかにする。
本書は剣道時代に平成元年10月号から平成3年4月号まで連載された『剣道藝術論』をまとめて平成3年刊行。このたび一部内容を修正して、新装改訂版として復刊。
文化芸術においては何よりも国家と表現の自由、倫理の問題が根幹にある。その事実を日本と欧米との比較を交え説き起こしつつ、実際の文化芸術支援とその効果を経済学的に分析。新たな成長のための文化芸術支援を提言する。
芸術経験のインディビジュアリティを教育実践にどうつなげるか?芸術経験は本来的に、個々人の美的感覚や想像力に依拠している。そのため芸術の教育は、教えないことで子どもの自由な表現を尊重するのか、教授目標として設定できる技術・知識を教えるのか、の二者択一論で展開されてきた。本書は、デューイの芸術哲学を出発点として20世紀前半からの芸術授業の展開を追うことでこの課題を再考し、二者択一を超えた新たな授業構成の枠組みと、オルタナティブな教育実践のあり方を示す。「美的経験」そのものを目指す授業へのパラダイム・シフトの方法を示唆した労作。