経済学では、経済政策はもっぱら市場では行いえないことがらを補完するとされている。また経済政策を設計する際の目標は、合理的な個人が効率的に幸福を追求することとされている。つまり市場も政策も、ともに個人の幸福追求の道具とみなされているのである。しかし自然環境や人間関係、文化伝統といった市場が前提とせざるをえない事柄は、いずれも道具や設計の対象にはなりえない。さまざまな視点から考察してみたい。
第1部 市場を活用するための条件 1.「効率ー公正」モデルから「不確実性ー社会的規制」モデルへ 2.市場と共有資本ー社会・自然・文化ー 3.市場と競争 4.市場と参加 第2部 市場社会を補完する制度 5.社会保障 6.公共財 7.外部性 8.企業と倫理 第3部 平時と危機、財政と金融 9.財政政策 10.金融政策 11.危機における財政政策と金融政策 12.国際経済政策 第4部 市場社会の変容と再生 13.市場と経済構造 14.農業のゆくえ 15.地方経済政策
なぜ、今、科学技術コミュニケーションが必要とされているのか?その背景、可能性、そして人々にわかりやすく正確に伝えるだけでなく、議論の場を創り出す数々の実践法をコンパクトに集約。
「資質・能力」規定、アクティブラーニング、「関心・意欲・態度」評価、知識基盤社会論等、グローバル競争に勝ち抜く能動性・創造力に一面化された学力や人材育成をめざす政策を批判的に検証し、対抗・挑戦・克服する理論を提起。
はじめにーー新自由主義に対抗する教育を考える
序章 学力・人格と教育実践ーー子どもの変革的自己形成を起動させるーー
1 新自由主義と学力・人格
第1章 安倍内閣の教育改革の全体像と特質
-現代把握と新自由主義教育政策の本質ー
第2章 学力と人格の関係を考える
-新自由主義教育政策の本質と「資質・能力」規定ー
第3章 「学力」をどうとらえるか
-学力論と学習論との交錯ー
2 アクティブな学びと評価
第4章 「アクティブ・ラーニング」を考える
第5章 評価の「権力化」「肥大化」のメカニズムと人格への評価
-「関心・意欲・態度」評価の問題性学力と評価ー
3 生きることと学力
第6章 「知識基盤社会論」批判
-労働の未来像と能力・学力の価値についてー
第7章 学力と道徳性、主権者性
-新自由主義と政治教育の関係を考えるー
第8章 「憲法改正論争事態」における学校教育の責務を考える
-公教育の本質に立ち返ってー
第9章 学力の意味の喪失とその回復のすじ道
-「あること」<to be >と「もつこと」<to have >の様式と学力ー
政府の無策と日本人気質から少子化対策を考える
「毎日残業、コンビニ飯で金もない俺が、結婚、子育てする気になるか!」
こうした叫びに医学博士と科学評論家が少子化対策レシピを提言
さまざまな将来予測の中でも人口予測ほど確実なものはない。
疫病のパンデミックや戦争などによる大量死がなければ、現在の人口ピラミッドからほぼ確実に将来人口を見通すことができる。
つまり日本は確実な将来すら直視せず、それから30年以上も何ら有効な対策をとらなかったのである。
異様な国と言わざるを得ない。
では、どうすればいいのか、何ができるのか。
さまざまな角度から本書が提案する。
本書が扱っているテーマは…
貧弱な政府の子育て支援/増加する教育費/未婚率の上昇/
若者の経済的困窮/長時間労働/若者の将来不安/女性の
社会進出/スマホゲームの普及/性に対する偏見/性教育の
貧困/戸籍制度 など
……ここに少子化対策のヒントがあります。
もくじ
01 日本の子育て支援が貧弱なのは選挙対策だった!?
02 将来に否定的で結婚しない日本の若者たち
03 なぜ日本人は世界一セックスをしないのか?
04 どうすればいいのか、少子化対策
05 社会を大きく変える
英語教育にメディア英語をどのようにとりいれるかー常に議論されている古くて新しいテーマに、メディア研究、文学、応用言語学、英語教育学から多角的に分析している。
大学で求められる英語教育を「市民性の獲得=社会の公共的課題に対して立場や背景の異なる他者と連携しつつ取り組む姿勢と行動」と定義し、メディアに触れるときに、常に「これは本当なのか?」と読み手の意図を見抜こうとする姿勢を養うことを目的としている。
それを可能にするのは英文テクストのcritical reading(批判的読解)。「すべての情報は特定の基準に基づいて選択され、編集され、加工されている」というメディアの特性を理解し、一人の市民として主体的に向き合うことがメディアリテラシーを高める」と主張し、英文テキストでメディアリテラシーを高める意味やその効用、実践での方法論を詳述した。
今までの議論にはない新しい英語教育論。英語教育に携わる人、英語上級者向け。
はじめに
第1章 大学の英語教育とメディアリテラシー
1-1 大学の英語教育の目的
1-2 これからの日本の英語教育に必要な市民性
1-3 情報化社会に必要な「これは本当なのか」の姿勢
1-4 メディアリテラシー教育の(歴史的)背景
1-5 日本の英語教育とメディアリテラシーの接点
第2章 リーディング教材としての文学テクストとメディアテクスト
2-1 文学からメディアへ
(1)リーディング教材
(2)リーティング教授法
(3)担当教員の専門分野の多様性
2-2 クリティカルな読み方ー「何を読む」から「どのように読む」へー
(1)文学と非文学
(2)生産と消費
(3)現実世界と学術世界
2-3 文学テクストとメディアテクスト
(1)文体論と批判的ディスコース分析(CDA)
(2)ナラティブ構造から見た小説とニュース記事
2-4 学習教材のためのメディアテクスト
第3章 メディアテクストを使った英語リーディングの授業
3-1 英語リーディングの情報処理モデル
3-2 背景知識とスキーマ活性化
3-3 読解ストラテジー
3-4 リーディング学習教材としての英字新聞
3-5 ニュース記事の特性
(1)見出しとリード
(2)事実(facts)と意見(opinions)
(3)社説を読む
第4章 メディア英語教育における市民的教養
4-1 市民性向上のためのメディアリテラシーと異文化理解
4-2 企業が求める英語力
4-3 メディア英語教育における市民的教養
おわりに
「あたりまえ」を問い直す
「学校」という「あたりまえ」に抗してオルタナティブな活動を行う人たち。
多様な運動同士の日常的なつながり方、連携の技法を、フィールドワークをもとに明らかにする。
●著者紹介
藤根雅之(ふじね まさゆき)
博士(人間科学)、関東学院大学社会学部現代社会学科准教授、専攻:教育社会学、社会運動論。京都外国語大学外国語学部英米語学科卒業、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学、大阪大学大学院人間科学研究科助教、美作大学生活科学部児童学科講師を経て現職。
本書では、歴史教科書問題の核心である自国の伝統文化のとらえかたに焦点を当てながら、日本文化の価値と二十一世紀を拓く感性教育について問題提起をする。
これからは「トライリンガル」の時代。トライリンガルとは、国語・英語・プログラミング言語という「3つの言語」を体得すること。偏差値やTOEICの点数で一喜一憂するような教育では、10年後、日本の子どもたちが世界で活躍することは難しい。本当に創造的な知性を育む「トライリンガル教育」とは何か。科学的視点から語り尽くす!
第一線で活躍する実力派講師が自らプレゼン!講師自身が考え方・研修内容を語ることで、研修で重要視されている“今どき”のテーマがわかる。講師の「専門性」「人となり」が伝わる。最高の講師が見つかる。「研修担当者」必携のサポートブック。
本書は、リネハンの弁証法的行動療法とともに、パーソナリティ障害をはじめとする人格の問題にアプローチする最良の方法の一つであり、理論的な入口の広さから多くの心理臨床家、精神科医、心理学者などに読んでもらいたい1冊である。