そして王者は、長城を越える。
龍玉と天命を信じ、戦いに生きる。英雄たちの思いは、ただ1つ。
ついに歴史が動く。感動の最終章。浅田次郎の最高傑作、堂々完結!
「答えろ。なぜ宦官になどなった」
「将軍はなにゆえ、馬賊などにおなりになられたのですか」
最後の宦官になった春児と、馬賊の雄・春雷。極貧の中で生き別れた兄弟は、ついに再会を果たし、祖国は梁文秀の帰国を待ち望む。
龍玉を握る張作霖。玉座を狙う袁世凱。正義と良識を賭けて、いま、すべての者が約束の地に集う。
第42回吉川英治文学賞受賞
文明の大転換期に私たちは生きている。その混沌とした荒野で、2つの課題と対峙する。
◆近代の起源は人類史のどの地点にあるのか。
◆行きづまった現代文明をどう見極めればよいのか。
現代文明が、人類史のどのような道筋の上に築かれてきたのかを思考することは、かなり難儀なことである。その作業を過去の歴史や先人たち(ソルジェニーツィン、パステルナーク、ローレンツ、イリイチ、横井小楠など)の思想から学び、さらに独自の論を展開している渡辺京二というひとりの思想家がいる。かつて水俣病闘争を石牟礼道子とともに理論的に指導し、互いに刺激を与え合いながら思索の旅を続けている。今この文明の大転換期の中で〈近代〉の起源を探り、現代文明を見極めるための32の論考を集成。
渡辺京二が自ら、「力をこめて書いた」と語った『アーリイモダンの夢』と、「愛着があり、鮮度がいい」と評した『荒野に立つ虹』(評論集成第3巻)の2冊を合本・再編集した新編。
【1 現代文明】
山河にかたどられた人間/ローレンツの真価/アフリカという基底/世界史は成立するかーアーリイモダンの夢 他
【2 現代政治】
アジアの子から見たマルクス/ソルジェニーツィンの孤独/パステルナークの圏域/大衆の起源 他
【3 イヴァン・イリイチ】
思想は難物である/深沈たる白鳥の歌/最後のイリイチ/イリイチの眼で江戸を視る 他
【4 日本早期近代】
カオスとしての維新/小楠の道義国家像/文章家滔天の面目/漱石と明治/反乱する心情 他
火事に見舞われて死んでしまった春吉は、妹のおはなが気掛かりで成仏できないでいた。妹が奉公先の若旦那に悪さをされそうだからだ。事情を知った同じ幽霊の志保は、弟の定町廻り同心樫原七之助に、おはなを助けるように頼むのだが…(「雲雀鳴く」)。新月の深夜、組屋敷への帰り道で七之助は黒ずくめの一団に襲われる。志保の協力でかろうじて退けるが、彼らの目的は七之助が検死した死体の印篭に隠された文だった。それはある藩の行く末を左右するのだが…(「紫陽花の庭」)。独り立ちした若き同心の活躍に、姉の霊はついに成仏できるか。人気シリーズいよいよ完結!
世界文学史上に空前の伝説を刻んだ33万語、100万字超の巨篇ーー新訳成る! 耳をつんざく叫びとともに、V2ロケット爆弾が空を切り裂き飛んでくる。ロンドン、一九四四年。情報局から調査の命を受けたスロースロップ中尉はーー。 ピューリッツァー賞が「卑猥」「通読不能」と審査を拒否した超危険作にして、今なお現代文学の最先端に屹立する金字塔がついに新訳。詳細な註と膝を打つ解説、索引を付す。
青空のかなたへ、大きな弧を描くーー央学高校ラグビー部の奇跡
かつて強豪と謳われた央学高校ラグビー部は、
いまや勝ちなし、メンバーすらも集まらない危機に瀕していた……。
「来るんじゃなかった……」倒れた母親に代わり、
部員たちが暮らす白虹寮の代理・寮母になった山田瑞希にも、
覇気のない少年たちにしか見えなかった。
ーーあのプレイを見るまでは。天才肌のスタンドオフ・逸哉と人知れず努力を重ねるウィング・龍之介。
それぞれの夏に心揺さぶられる瑞希。
いつしかラグビーへの想いが、前へ進むことを躊躇っていた三人を変えていきーー?
第一話
四月の終わりーー 心奪うような、その独走
第二話
五月の扉ーー どれほど雨が降ったとしても
第三話
八月の夜空ーー 二人を載せた脆い天秤
第四話
十一月の決戦ーー 虹の軌跡のその果てに
ベストセラー作家・福井晴敏が描く、壮大な新ガンダム神話がついに終焉を迎える。『ラプラスの箱』の謎を解き明かす最終座標<インダストリアル7>のコロニービルダーを舞台に、壮絶なる最終決戦が始まる。
伊吹亜門、推薦!
虹北商店街で恭助たちに出逢い、一緒に謎を解いたあの日から、私たちは今も変わらず赤い夢の中にいる。
少年少女を本格ミステリの世界へ導いた、青春ミステリの金字塔が復活!
わたし、野村響子。
虹北商店街に暮らす、花の高校二年生!
この虹北商店街の日常には謎がいっぱい!
ミステリ研究会の部長からの恋の(?)挑戦状。
幽霊のように忍び寄るストーカー事件。
歴代江戸川乱歩賞受賞作の感想に隠された暗号。
巻き起こる不思議な不思議な謎・謎・謎!
でも、そんな謎を立ち所に解決してくれる魔術師がいる。
虹北恭助ーーわたしと同い年の幼馴染みは、
今日も古書店・虹北堂で店番をしているのでしたーーーー
普通であろうと感情や個性を押し殺して辛い日々を過ごす琴子。
夏休みに一緒に暮らすことになった叔父の圭一郎は、ゲイであるのを隠さない自由奔放なドラァグクイーンだった!
人付き合いが苦手な数学ガールと、我が道を行くクイーンの、カラフルでマジカルな夏休み。
1 ふつうの女の子って何ですか?
2 ドラァグクイーンって何ですか?
3 LGBTって何ですか?
4 ゲイって何ですか?
5 リケジョって何ですか?
6 同性婚って何ですか?
7 カミングアウトって何ですか?
8 家族って何ですか?
9 虹色のパズル
身に覚えのない上司殺しの罪で刑に服した江木雅史。事件は彼から家族や恋人、日常生活の全てを奪った。出所後、江木は7年前に自分を冤罪に陥れた者たちへの復讐を決意する。次々と殺される刑事、検事、弁護士。次の標的は誰か。江木が殺人という罪を犯してまで求めたものは何か。復讐は決して許されざる罪なのか。愛を奪われた者の孤独と絶望を描き、人間の深淵を抉る長編ミステリー。
日本商社海外駐在員の娘として中国漢口に生まれる。恵まれた租界地での少女時代。満洲国大連での女学校時代。一転して敗戦、ソ連軍の侵攻と厳しい戦後の暮らし。そして、祖国日本への引き揚げ…。大陸での青春と苦難を綴った戦後60年目の回想記。
主人公の春子は卒寿を過ぎた老女である。彼女の夫勇二は海軍航空隊の士官として太平洋戦争で最前線に立ってきた歴戦の勇士だった。戦争の長期化に伴い、零戦搭乗員の訓練を担う教官として内地勤務を命じられた。
春子の守る留守宅には二人の一粒種の南海子がいる。昭和二十年の六月、二人のもとに勇二が突然帰宅する。それもいつもの背広ではなく、第一種軍装の凛々しい姿だった。
それから三夜、二歳の南海子と戯れながら、夫婦は尽きせぬ会話を繰り広げる。続く空襲への不安を訴える妻に、軍人の夫は一部軍機に関わることまで
交えながら、いかに若者たちが懸命に戦っているかを伝えるのだった。勇二は特別攻撃に飛び立つ若者たちを守る直掩機に搭乗していた。
その別れの朝以来、夫からの連絡は一切なく、ついに終戦の日を迎える。それでも夫からも海軍からも何の音沙汰もなかった。戦後の混乱を必死に生き抜く母娘のもとに、夫の戦死公報が届けられたのは終戦から一ヵ月以上が過ぎたある日のことだった。春子は一時は茫然としたが、南海子のことを思い、強く生きなければならない覚悟をする。
終戦から一年以上が過ぎた頃、春子のもとにある婦人が訪ねて来た。彼女の息子は特攻に散った一人であったが、勇二が最後まで教育に携わった「教え子」であり、彼の遺書から、夫勇二の最後の日々を垣間見ることができたのだった。
婦人は靖国神社に行けば息子に会えると思い、上京を決心した人だった。彼女の話を聞いた春子は、自身も靖国参拝を決意し、以後は年に何回か靖国神社を訪れるようになった。そんなある日、神社の奥まったところにある神池庭園で、亡き夫と幻想的な対話ができることになった。
戦後七十年を迎えたある日、曾孫の美咲が家にやって来た。春子は美咲に自分の半生と戦争について、戦後自ら学んだ事実を交えて諄々と語り聞かせるのだった。もちろん平和への願いを込めて。
地球によく似た星の江戸と呼ばれる町に暮らす異母兄弟たちに7人目の兄弟が現れた!そんな彼らの助平親父の正体とは…!?