紀伊半島の自然相から見えてくる環境の未来、
熊野の森に半生を賭けた生態学者の講演録。
紀伊半島の生物相は「変わっている」。昔から南方系の虫と北方系の虫が入り交じって暮らしているし、高山性の動植物が標高の低いところに生息し、海岸性のものが山奥に棲んでいる。
およそ「教科書的でない」この地域を、生涯をかけてつぶさに実地調査した男がいた。和歌山県生まれの昆虫学者・生態学者、後藤伸(1929〜2003)である。紀伊半島に「教科書通りでない=日本の自然本来の生物相」が残ったのは、山を活かして守った古人の叡智によるところが大きい。後藤の調査と研究には、われわれ人間が自然とどのように付き合うべきかについての多くの示唆が含まれている。後藤は「熊野の森ネットワークいちいがしの会」を組織して照葉樹林の復元に取り組み、晩年の大半の時間を講演に費やして訴え続けた。
本書は、この「いちいがしの会」設立10周年を機に、後藤の講演録をメッセージとしてまとめたものである。本書が環境問題に取り組む多くの方々の心に届くことを願ってやまない。
つねに制空を追求して爆撃隊の生還を心がけ、地上の尖兵を疑わず未開の地から苦境へ飛び、無差別空襲の盾たらんと邀撃に邁進した陸軍戦闘機搭乗員たちーその意気と覚悟にみちた空戦ドラマ。
不動産投資の常識が覆る。「民泊」もこれ一冊でオールOK!
盛唐の詩界に忽然と現われ、中国文学史に不滅の光を放ちつづける太白星、李白(七〇一ー六二)。著名な絶句・律詩・古体詩のほか、賦・序を加え、主要作品一二〇首を精選。最新の研究成果に基づく訳注により、奔放にして繊細な李白詩の精髄が味読できるようにした。
2006年1月から放送されたTBS系ドラマのサウンドトラック。大ヒットを記録し社会現象にまでなった『世界の中心で、愛をさけぶ』スタッフ、キャストが多数参加したドラマで、河野伸によるドラマティックなサウンドが聴ける。
<b>「1935年に『鄭芝溶詩集』が出版された時、
朝鮮の詩は大きな転機を迎えた。
近代と現代を敢えて分けるなら、
ここから現代詩の時代に入ったと言っていいだろう」</b>
(訳者解説より)
同志社大学在学中、北原白秋にその才能を称賛された鄭芝溶は、やがて母国の言葉で近代人の感情を繊細に描いた『鄭芝溶詩集』(1935年)で韓国詩壇を熱狂させ、尹東柱など多くの人々に影響を与えた。
代表作以外に、留学時代の思い出を綴ったエッセイも収録した詩選集。
『鄭芝溶詩集』( 詩文学社、1935)より
『白鹿潭』( 文章社、1941)より
未収録詩篇
韓国語エッセイ
日本語作品
散文詩
エッセイ
訳者解説
鄭芝溶年譜
「菊」と「刀」の聯関は断ち切られて、毒にも薬にもならぬ文化主義は、占領がをはつた後も大衆の意識に瀰漫し、浸透した。
敗戦後の占領下での生活、東京裁判、共産主義勢力の伸長、安保闘争、三島由紀夫の自決、昭和天皇崩御ーー
激動の時代に日本人は何を考え、いかに生きたか。
超克の軌跡を描く名著、復刊!
<解説:「昭和の精神」への挽歌 新保祐司(文芸評論家)>
平成も終わり、今、我々日本人は、令和のはじめに生きている。それも、新型コロナウイルス禍という苦難の中で、生きているのである。このウイルス禍の影響は、長く続くに違いない。そして、コロナ以前の世界に戻ることは、もうない。やがて、このコロナ禍が収束したとしても、その後の世界は、社会の在り方や人間の生活が大きく変わることになるであろう。もう「昭和」は、はるかに遠くなっていくに違いない。こういう文明史的な激変の中にいて、本書を二十年ぶりに読み返してみると、その中に鳴り響いている「昭和の精神」への「挽歌」が一層心に沁みて来るようである。--解説より
【目次】
第 一 章 占領下二年目
第 二 章 市ケ谷台の晩春初夏
第 三 章 憲法とかなづかひ
第 四 章 戦後文学と敗戦文学(上)
第 五 章 戦後文学と敗戦文学(下)
第 六 章 東条英機と広田弘毅(上)
第 七 章 東条英機と広田弘毅(下)
第 八 章 占領後半期の精神状況
第 九 章 コミンフォルム・日本共産党・朝鮮戦争
第 十 章 占領終る
第十一章 「近代の超克」論
第十二章 戦後と三島由紀夫
第十一章 六〇年反安保闘争
第十二章 高度経済成長下の文学
第十三章 記憶の復活
第十四章 三島由紀夫の死
第十五章 昭和天皇
板倉聖宣の以前と以後とでは,教育の考え方はまったく違ってきました。それは「たのしい授業」という考えが有るか無いか,また「授業の成功失敗をきめるのは授業を受けた人」という評価論の有無によって明らかです。教育の全面改造を目指して仮説実験授業を提唱して以来,体験した子どもと教師たちの圧倒的な支持を受け,世界の教育研究者につよい影響をあたえ続けている板倉聖宣の短編30章とその読み方。
この本は,「動物の足の数」という,いたって単純なところに注目して描かれた絵本です。
図鑑を見れば,この本よりずっとたくさんの動物がのっています。そして動物園に行けば,生きて動いている動物を目にすることができるでしょう。でも図鑑や,動物園の動物を漠然と見るだけでは,その図鑑に載っていたり,その動物園にいる動物に関する知識しか得ることはできません。
しかしこの絵本を読めば,図鑑には全く載っていないようないろいろな動物についても,読む前よりもずっと豊かに想像をめぐらすことができるようになります。
それは,この本が子どもたちに動物についての断片的な知識ではなく,「自然に対する問いかけ方」を教える絵本だからです。
足はなんぼん?
「足はなんぼん?」のねらい
永井豪画業50周年記念出版。ファン垂涎! 幻の単行本未収録作品ばかりを集めました。今蘇る永井豪ワールドをご堪能ください。
自然界を系統立てて見ていくためにまず必要なのは,種種雑多に見えるいろいろなものたちを「分類」していくことです。
「分類」とひとことで言うと簡単なようですが,では実際にはどのように分類していけばいいのでしょう?
この本では,「生物(生きているもの)」と「無生物(生きていないもの)」というもっとも基本的な分類から始まって,「動物」と「植物」,「背骨のある動物」と「背骨のない動物」というふうに,自然界にあるものを分類していきます。
とくに「背骨のある動物=脊椎(せきつい)動物」については,呼吸のしかたや子どものふやしかた,羽毛のある無しといった特徴に応じて,いろいろな例を見ながらより詳しく眺めていきます。
科学における「分類」の面白さが見えてくる「科学の絵本」です。
せぼねのある動物たち
株主構成等のあり方は、単に経営者のみの問題ではなく、取引先、従業員等の利害関係者にとっても大きな関心事となっている。更には、近年、企業の親族内承継が後継者不足等から大幅に減少していることもあって、M&A等による第三者承継を円滑に進めることも当事者のみならず社会的な問題になっている。本書では、非上場企業の事業承継においてM&Aや従業員持株会などを活用する際のポイントや株主構成上の留意点など、税制上の論点その他会社法における取扱いを指数や図表、ケーススタディを交えて解説。
第1章 事業承継における株主構成戦略
§1 非上場企業の株主構成戦略
§2 株式の任意取得
§3 株式の強制取得(スクイーズアウト)
§4 株式分散防止のための事前策
§5 株式を取得しないで行う議決権の集約
§6 株式の異動に伴う課税関係
§7 中小企業投資育成会社の活用
§8 社団法人・財団法人の活用
第2章 事業承継におけるM&Aの活用
§1 事業承継におけるM&Aの位置づけと最近の動向
§2 M&Aの手順
§3 M&Aにおける企業価値評価
§4 M&Aにおける税務と会計の留意点
§5 M&Aにおける法務上の手続と留意点
§6 株式交付制度の創設
§7 医療法人のM&A
第3章 事業承継における従業員持株会の活用
§1 非上場企業における従業員 持株会の概要
§2 安定株主対策における従業員持株会の位置づけ
§3 非上場企業の従業員持株会運営における金融商品取引法上の留意点
§4 従業員持株会による福利厚生の充実
§5 従業員持株会に係る税務
§6 事例から見る従業員持株会の課題
第4章 株主構成戦略に関するケーススタディ
Case Study 1
組織再編成が「株主の態様」に与える影響について
Case Study 2
組織再編成による兄弟間のグループ経営の再構築
飲食店の基本である人々が集まり楽しむカウンターとテーブルをテーマに、カラー写真と平面図、ディテール図、展 開図、断面図を収録しています。従来、ディ テール図集では文字どおり「部分詳細」のみを示すものが中心でしたが、本書では平面図、展開図、あるいは断面図全体を示すことにより、店舗全体を、また周囲との関連を把握しやすいようにしています。
第一章
和食料理店・居酒屋・おでん・串かつ店・すし店などのカウンター&テーブル
本章では主に“和”の飲食店を中心にカウンターとテーブルを紹介。
白木の質感や木の温もりを生かしたカウンターは利用する飲食を楽しむお客様に落ち着いた雰囲気で楽しんでもらうことができます。
意識的にカウンターの形を変えることで店員とお客様、またはお客様同士のコミュニケーションを活性化させるとアイディアも紹介しております。
<掲載例>
おもてなしに特化させた長さ8mの白木カウンター
旬菜町家の味 京とあん 心斎橋店/アクト
他21店舗収録
第二章
ステーキ店・焼肉店・お好み焼店のカウンター&テーブル、ビュッフェカウンター・オープンキッチンカウンターとカフェの大テーブル
店内の煙までも演出のように美しく見せることのできるカウンター、料理人と食材を照らし出すことで調理過程から料理を堪能できる
オープンキッチン、機能性の高い華やかなビュッフェカウンターなどを紹介。
この章においてはコミュニケーションを楽しむことより、料理人や食材、店内の雰囲気を楽しみながら食事をすることに重きをおいている事例を紹介しております。
<掲載例>
シャンデリアとしての排気フードを持つ円形鉄板焼カウンター
レストラン モリモト XEX/スピン・オフ
他12店舗収録
世界的作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの盟友、アルゼンチンを代表する作家のひとりビオイ・カサーレスの妻、アルゼンチンでもっとも裕福な女性のひとり、そして20世紀スペイン語文学におけるもっともエキセントリックな小説家、シルビナ・オカンポ。
1937年のデビュー作『忘れられた旅』から1970年の『夜の日々』までに書かれた5つの短篇小説集をもとにして編んだ日本独自の短篇選集。
数も形も明らかにされていない無数の蛇口からしたたる滴たちの轟音、鳥たちは蛇口の旋律を奏で、犬たちは満月の夜に蛇口の歌を吠える……チベットの奥地にある秘境を旅した思い出を、幻想かつ詩情あふれる文体で描く表題作「蛇口」、ブチ切れるたびに自らの肉体を嚙みちぎる猟奇的な自傷行為をくりかえし、自ら命を落としてしまう女の悲劇をユーモラスに語る「マルバ」、迷信深い女と結婚した語り手の男性が、見知らぬ女へと変貌していく妻を前に困惑する「砂糖の家」、聾啞学校全生徒の一斉失踪の奇跡譚「これが彼らの顔であった」、ボルヘス風の幻想譚「見えない本の断章」など、36篇収録。