ファーストクラスで世界中を飛び回る人は、どんなふうに話すのか?頼む・叱る・ほめる・断る・質問する…どんなシーンでも周囲を強く惹きつける理由とは!?
外国語教育の究極の目的は、他者と共感できる人格の形成である。小中高大の教壇で英語を教え続けてきた身体論の研究者が、実証的研究から教室に奇跡が起こるプロセスを解明した。教室で言語を通して情動を共有することが、学習者にとっては学びに向かう力に、教師にとってはやりがいの情動に直結する。根拠となる理論として教室研究、教師の情動研究、脳科学の知見まで網羅する。他者の情動に共感する力を育てるための具体的な実践例とともに紹介、小学生から大学生までの学習者の生きた言葉が胸を打つ。
「正しいことば」はどのように作られるのか?「対照言語史」という全く新しい視点を導入。5つの言語の歴史を比較することを通じて、「標準化」のもつ意味を多角的に考察する。執筆者同士が紙上で知見をやりとりするユニークな構成。
ことばの世界へようこそ! 世界に約7000あるといわれる言語ーーその言語を理解することは他者理解につながるとの思いから、音声言語・手話言語を含めた「ことば」について、さまざまな科学の成果を新しい視点で紹介します。
はじめに〜ことばの世界へようこそ!〜(菊澤律子)
第一部 Language
ことばとは何か(吉岡 乾)
コラム ことばと文字(八杉佳穂)
ヒトの言語と動物のコミュニケーションの違い(藤田耕司)
言語シグナルの分析〈言語の二重分節と音声学・音韻論〉(青井隼人・ロバート ジョンソン・菊澤律子)
コラム チンパンジーのコミュニケーション(林 美里)
コード化・恣意性・文法(桐生和幸)
語用論(高嶋由布子)
コラム 人工言語(千田俊太郎)
会話の連鎖組織(坊農真弓)
ことばの身体的産出(平山 亮)
コラム 人類の進化と言語(野嶋洋子)
ことばの脳内処理(井原 綾・藤巻則夫・尾島司郎)
言語習得(巽 智子)
コラム MRI画像と言葉の分析(藤本一郎)
ことばが使えない時〈言語障害と失語症〉(原 惠子・竹本直也)
ことばの機械認識(野原幹司・田中信和・杉山千尋・吉永 司・高島遼一・滝口哲也・野崎一徳)
コラム 視覚言語と聴覚言語の習得(佐々木倫子)
ことばと機械翻訳(須藤克仁)
第二部 Languages
世界のことば(吉岡 乾)
コラム 宮窪手話のタイムライン(矢野羽衣子)
色々に数えることば[音声言語](風間伸次郎)
色々に数えることば[手話言語](相良啓子)
コラム ヒトはどうやって言葉を習得するのか(広瀬友紀)
色々な構造のことば[音声言語](吉岡 乾)
色々な構造のことば[手話言語](今里典子)
コラム 人生を通して、常に言語を学習する(フランクリン チャン・津村早紀)
色々の名称とことば[日本語](木部暢子)
色々の名称とことば[日本手話言語](大杉 豊・坊農真弓)
コラム 手話通訳(養成)に関するアレコレ(木村晴美)
適応することば(中山俊秀)
適応することば[手話言語](相良啓子)
コラム コーダの原風景に刻まれることば(中津真美)
影響することば[音声言語](蝦名大助)
影響することば[手話言語と中間手話](原 大介)
コラム ヒトと機械の言語理解(佐野睦夫)
出現することば[音声言語](仲尾周一郎)
出現することば[手話言語](ジュディ ケグル)
コラム 言語認識装置の進化(酒向慎司)
消滅することば[音声言語](木本幸憲)
消滅することば[手話言語](矢野羽衣子・菊澤律子)
コラム 言語景観(庄司博史)
未来へのことば〜結びにかえて〜(菊澤律子)
著者は、論理的思考の研究と教育に、多少は関わってきた人間である。その著者が、なぜ論理的思考にこんな憎まれ口ばかりきくのかといえば、それが、論者間の人間関係を考慮の埒外において成立しているように見えるからである。あるいは(結局は同じことなのであるが)、対等の人間関係というものを前提として成り立っているように思えるからである。だが、われわれが議論するほとんどの場において、われわれと相手と人間関係は対等ではない。われわれは大抵の場合、偏った力関係の中で議論する。そうした議論においては、真空状態で純粋培養された論理的思考力は十分には機能しない。
序章 論理的思考批判
第1章 言葉で何かを表現することは詭弁である
第2章 正しい根拠が多すぎてはいけない
第3章 詭弁とは、自分に反対する意見のこと
第4章 人と論とは別ではない
第5章 問いは、どんなに偏っていてもかまわない
さあ、みんなで回文をつくってみよう。そして、面白い回文作品が出来上がったら、絵を描いてみよう。きっと楽しくなり、笑えるはずです。小学校の国語でも、言葉遊びの一貫で回文づくりの授業があります。大人の人にとっても、普段と違った脳を働かせる頭のトレーニングにもなります。言葉の魔術師で、回文の先生による、切れ味シャープなオリジナル作品と、思わず笑う楽しい絵を満載しながら、つくり方のコツまでお伝えします。
False
クロスワードの決定版!たっぷり嬉しい全130問
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」(川端康成)は英語で「The train came out of the long tunnel into the snow countory」(サイデンステッカー)。世界を表現する際の「視点」 の違い。英語は「神の視点」を得ることによって主語の誕生を準備したが、「虫の視点」を持つ日本語にはそれは必要なかった。英語の歴史を踏まえ両言語と文化の違いを考察。
序 章 上昇気流に乗った英語
第一章 「神の視点」と「虫の視点」
第二章 アメリカよ、どこへ行く
第三章 英語を遡る
第四章 日本語文法から世界を見る
第五章 最近の主語必要論
名詞(連体)修飾表現は世界の諸言語の研究において最も研究されてきた言語現象の一つである。本論文集は東から北東・中央・西・東南・南までを含むアジア諸言語、ヨーロッパ言語の名詞修飾表現に関する26本の論文を収録している。対照言語学・類型論的観点から「内の関係」(所謂「関係節」)のみならず、通言語的研究の少ない「外の関係」の名詞修飾表現に関しても分析を広げており、名詞修飾表現に関心を持つ読者にとって必読の文献である。
まえがき
1 東アジア言語
主題構文としての日本語の名詞修飾節構文 益岡隆志
日本語の相対名詞連体修飾の意味的特性 大島資生
中級日本語学習者の名詞修飾節使用における母語の影響 大関浩美
日本語を母語とする幼児による「ノ」の過剰一般化ー修正属格仮説ー 木戸康人
韓国語の直接引用修飾節に関する一考察 金廷ミン
ダパ語の名詞修飾表現と名詞句標識 白井聡子
ゾゾ語(若柔語)の体言化と連体修飾構造 宮岸哲也
2 北東・中央アジア言語
コリャーク語における関係節構造ー名詞句接近可能性階層及び主名詞配列タイプに着目してー 呉人惠
サハ語の連体修飾節ー内容節での補文標識挿入に関する日本語との対照ー 江畑冬生
現代ウイグル語の名詞修飾節についてー形動詞節を中心にした考察ー 新田志穂
キルギス語の名詞修飾節ー日本語連体修飾節「内/外の関係」の観点からー 大崎紀子
3 東南アジア言語
カパンパンガン語の名詞修飾ー日本語の「内の関係」「外の関係」との比較ー 北野浩章
クメール語の名詞修飾節 上田広美
クメール語の「外の関係」の名詞修飾現象ー日本語との対比を通じてー 堀江薫、ハイ・タリー
トイウ補語節とwâa補語節ー発話動詞起源の名詞補語節標識の日タイ対照ー 高橋清子
ティディム・チン語の名詞修飾表現 大塚行誠
ジンポー語の名詞修飾表現 倉部慶太
4 南・西アジア言語
メチェ語の名詞修飾表現の体系と日本語との対照 桐生和幸
カトマンズ・ネワール語の名詞修飾 松瀬育子
伝統文法から見たヒンディー語の名詞修飾ー語彙的体言化に焦点を当ててー 西岡美樹
マラーティー語の名詞修飾表現ー体言化理論の観点からー プラシャント・パルデシ、柴谷方良
シンハラ語の名詞修飾表現 岸本秀樹、Dileep Chandralal
スィンディー語における名詞修飾の特徴 萬宮健策
テルグ語の名詞修飾表現 児玉望
ブルシャスキー語の名詞修飾表現 吉岡乾
アルメニア語の非定形名詞修飾表現の特徴ー日本語・英語との対照を通してー クロヤン・ルイザ、堀江薫
索引
執筆者紹介
「話す前に準備運動をする」「新聞を音読する」「ストップウォッチで時間を計りながら話す」--簡単にできるエクササイズで、話す際に相手に与える印象はガラリと変わります! 大学で講義をし、TVのコメンテーターも務める「言葉のプロ」が紹介する話し方、聞き方、悪いクセの直し方。在宅でも役に立つリモート会話で気持ちを伝えるコツも充実。文庫化にあたり、リモートでの会話のコツもまるまる一章分追加! 30のテクニックであなたも今日から会話上手に!
第1章[エクササイズ編] 〜いきなり話し始めるから失敗する〜
準備運動をすると口がよく回る/胸を大きく開くと声が出やすくなる/尺八を吹くように息を長くゆるく吐く/新聞を音読すると実用日本語が身につく/緊張感を持って音読すると眠っていた力が出せる
第2章[話し方編] 〜手短に、ポイントを絞って〜
挨拶は着地点を作って1分以内に/要点を整理すると言葉に詰まらない/繰り返しを防ぐために頭の中にメモするように話す/時間を気にしながら話すと、キレがよくなる/言葉に詰まったときは、即座に相手に主導権を渡す
第3章[聞き方編] 〜体全体で共感しながら聞く〜
体全体で反応すると「覇気」のある会話になる/リアクションがいいと相手は喜んでくれる/相手の会話のキーワードを見つけて軽く驚く/話している人にヘソを向けて聞く/テレビから新しい情報を得ると話題に困らない
第4章[会話編] 〜会話を止めないための5つのコツ〜
自慢話は失敗談とセットで話す/「なるほど、なるほど」と二回の相づちが若々しい/「そうそう、そういえば」は万能選手/「今の話で思いだしたんだけど」で新しい話題に入る/7対3で相手に話してもらう
第5章[NG編] 〜これを直せば10歳若く見られます〜
言葉が思いだせなくても会話は続くもの/話をまとめようとすると年寄り臭い/物事を決めつけると頭まで固まった感じがする/本当のことと否定的なことは言ってはいけない/苦手な人とは会わない、話さない
第6章[リモート編] 〜オンラインでの会話のコツ〜
リアクションは手の動きを添えて/「つかみはOK」失敗を恐れず場を和ませる/話すときに時間を計る癖をつける/段取りをあらかじめ作っておく/「書いて見せる」ことでイメージを共有する
[コラム]
心にしみる『論語』の言葉/スピーチは「1分」または「15秒」/微笑みながら相づちを打つ/身につけた教養を人に話してみる/ムカつく相手には「ほめディフェンス」/イタリア人に学ぶ「手の表情」
【著者略歴】
齋藤孝(さいとう たかし)
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。2001年『身体感覚を取り戻す』で第14回新潮学芸賞受賞。同年刊行の『声に出して読みたい日本語』はミリオンセラーとなり、日本語ブームを巻き起こした。
2020年に「日本翻訳大賞」を受賞した精神科医・阿部大樹、受賞後初の著書。
言葉の意味はたえず変わっていく。
書き留められるのは、その一瞬にもっていた意味だけだ。
ーーー言葉はいつまで、もぞもぞ動く?
翻訳家(精神科医)が”私的なノート”に書き溜める、
国や地域、時代をまたぐ味わい深いことばたちを、ひろく紹介する、ちいさな目録。
”名無しの翻訳”、”時代とともに消えた言葉”、”意味の移り変わり”など
私たちの、”くちのききかた”からこぼれた60個の欠片を、版画家・タダジュンの挿絵とともにしずかに眺める。
例1:a three-days sensations/人の噂も七十五日
逐語訳すると「三日間の衝撃」であるけれども、これは(すこし時代がかった)英語の慣用句で、大きな事件もしばらくすればさっぱり忘れられてしまう、という意味。これを説明するのに、「75日」と持ってきた辞書は大胆だなぁと思う。
三日天下、三日麻疹、三日坊主などどれも、「早く過ぎること」のたとえ。三日にあげず会う恋人たちなら、ほとんど毎日会っている(たぶん)。三日見ぬ間の桜は、ちょっと目を離したすきに散ってしまった花。ひとの気が変わりやすいことについても使う。
例2:Fight-or-Flight response/「闘争か逃走」反応
動物が突然の恐怖を感じると、心拍数は上がり、注意が鋭敏になり、瞳孔が開く。つまり自分の身を守るため、敵と戦うか、あるいは全力で逃げる準備をする。1915年にこれを発見したアメリカの生理学者は、うまい韻を踏んでこの現象に名前を付けた。これの日本語訳もなかなかうまいけれど、翻訳者の名前は伝わっていない。詠(よ)み人(びと)知らずの翻訳である。
例3:Barometer/アメカゼヲ知ルトケイ
明治期の英日辞典より。
バロメーターとカナ書きすると本来の意味からは離れて、ひとの反応とか心情を知るための方策、くらいの意味になる。もともとは気圧計のことで、後には風向計のことも指すようになった言葉。
周りの顔色ばかり窺っているひとを、風向計になぞらえて風見鶏と言う。心情がたくさんにあつまると、風や空気に例えたくなるのかもしれない。一人ひとりが思っているのとは違う方向に、どうしてか全体が傾いてしまうこともある。
はじめに
1.ことばでないもの
2.ことばをさかのぼる
3.ことばのうつりかわり
4.ことばがうまれるとき
5.ことばがきえていくとき
6.ことばをかきとめる
あとがき
※各章末には、著者の小エッセイを収録。
有効な学習法とはどういうものか。外国語が身につくとき、学習者にどんな変化がおきているのか。いつどこでも勉強できる辞書や教材がネットに豊富にあり、オンラインコミュニケーションの発達によって外国語を使う機会が増えた今こそ、学習法を見直そう。ロングセラーの初版に補章やコラムを加え、最新の状況に対応した新版。
大きな文字で読みやすい。簡単フリガナで即答可能。カラフル図解で徹底解説。アイコンが示す重要会話。便利な英語付。必須単語充実の巻末辞書。
日本から世界まで、珠玉の名作文学の数々をなぞり書き!
なぞり書き&音読で、脳にうれしい効果!
本書では日本から外国まで、時代を超えた珠玉の「名作文学」をなぞって、口に出すことで、脳を鍛えることができます。なぞり書きを行っているときに、脳の前頭前野が活発に働くことが研究で明らかになっています。実際にえんぴつを持ち、手を動かしなぞるという動きは、脳の血液量が多くなり、認知症予防やもの忘れ予防の効果があります。なぞり書きの動きには、手を動かすように命令する運動野、場所や位置関係を教える頭頂連合野、文字の知識がしまわれている下側頭回、左右の前頭前野などが広範囲にわたって活発に働いています。
音読もまた、脳の前頭前野を効果的に刺激してくれます。作品の背景や登場人物の心情に思いをはせながら声に出すことで、脳の側頭頭頂接合部(角回)という部分の活動が高まります。ここは想像力をつかさどる領域で、側頭頭頂接合部を刺激することで想像力の向上につながります。
そして、なぞり書きと音読を同時に行うなど、2つ以上のことを同時に行うことを「デュアルタスク」といいます。私たちは日常生活でもさまざまな場面でデュアルタスクを行っています。例えば、電話をしながらメモを取る、音楽を聴きながら料理をするなどです。年を重ねると、若い頃はできていたデュアルタスクが脳の変化に伴い、やりづらく感じることが多くなると思います。本書のなぞり書きと音読を意識的に一緒に行うことで、普段なかなか使わない脳の領域も刺激してくれます。最初はなかなかうまくいかないかもしれませんが、慣れないことをすること自体が脳へのいい刺激になるので、ぜひチャレンジしてみてください。
本書の特長
・一首、見開き1ページでたっぷり練習ができる
・開きやすく、書きやすい特別製本
・作品の場面解説や豆知識で教養も身につく
・中山佳子先生による美しいお手本
国際的・大衆的メガイベントであるオリパラと「言語」の錯綜した関係性を、政策的問題、過去の大会の検証等から多面的に考察する。
もくじ
■巻頭コラム
田尻英三「「日本語教育の推進に関する法律」の成立と今後の課題」
■特集 オリンピックと言語
佐野直子[序論]「「オリンピックと言語」その議論の射程」
小澤考人「オリンピックと「多言語対応」再考ーー何のための多言語対応か?」
塚原信行「バルセロナオリンピックの言語政策的レガシー」
藤井久美子「オリンピック開催と多言語対応ーー東京と北京の場合」
インタビュー「オリンピック通訳の仕事ーーアンドリュー・ミーハン(右田)さんに聞く」(聞き手:塚原信行)
座談会「《人生の家賃》--1964年東京パラリンピック「語学奉仕団」を語る」(聞き手:佐野直子)
安田敏朗「特集に寄せて」
■コラム
佐野直子「もし運動音痴の言語オタクがスポーツ観戦したら」
■書評
中島武史(著)『ろう教育と「ことば」の社会言語学ーー手話・英語・日本語リテラシー』(評者:武居渡)
康潤伊、鈴木宏子、丹野清人(編著)『わたしもじだいのいちぶですーー川崎桜本・ハルモニたちがつづった生活史』(評者:大友瑠璃子)
川上郁雄、三宅和子、岩崎典子(編)『移動とことば』(評者:パトリック・ハインリッヒ)
■連載報告 多言語社会ニッポン
琉球弧の言語(20回)水野暁子「ニライカナイのある海が繋げてくれたーー竹富島と私と言葉」
移民の言語(9回)ゴロウィナ ・クセーニヤ「日本におけるロシア語話者の様相およびロシア語の継承」
手話(11回)木村晴美「日本手話の習得を妨げている社会的要因」
■小特集 多言語状況研究の20年を振り返る
原聖「「多言語社会研究会」創設の経緯」
ラウンドテーブル「多言語状況研究の20年を振り返る」[登壇者]大河原眞美:法と言語学会、かどや ひでのり:「社会言語学」刊行会、定松文:多言語社会研究会、庄司博史:多言語化現象研究会、平賀正子:社会言語科学会、村岡英裕:言語管理研究会、山川和彦:日本言語政策学会[司会]佐野直子
■「多言語社会研究会」研究会一覧
■近刊短評
巷にあふれる話し方関連本。その多くは「好印象をもってもらえる」「会話が途切れない」「論理的に伝える」ことなどを主な目的としています。そんな中、「本質的に内容が相手にきちんと伝わる」ことを目的とし、「そのための具体的かつ自然な音声表現のディテール」まで迫った本は皆無ともいえます。
本書は、元NHKアナウンサー・松本和也が、話し方・聞き方に悩むふつうの方々に向けて、放送現場で培ってきた「伝わるノウハウ」を細かくかみ砕いて解説した、話し方の基礎技術の本です。特に腹式呼吸や滑舌の練習などを必要とせず、ふだんの声を生かす自然な話し方を勧めているため、相手に内容が伝わるのはもちろん、背伸びしたような無理した感じを聞き手に与えず、聞き手にリラックスして聞いてもらえる効果もあります。
「『上手に華麗に』から『下手でもわかりやすく』へ~話し方に対する思い込みを変えよう! 」「言葉、文章、話の組み立てはとにかくシンプルに! 」「いわゆる『美声』を目指さない! 自分本来の声の力をめいっぱい引きだそう! 」など、これまでの話し方本にありがちな「アナウンサー的な美しい話し方」とは違う、「自然でわかりやすい話し方、相手の心に届きやすい話し方」を提案することで、これまで獲得できなかったような読者層までもターゲットにします。