現代社会はあまりに大きく変化しており,その中で我々は大人も若者も戸惑いながら生活している。本特集は,現代日本社会の在り方とそこでの思春期青年期の心理的成長について考えるものである。社会への適応は思春期青年期における重要な成長課題であり,言い換えれば,社会は若者を大人へと成長させるために重要な役割を担っている。しかし現代の日本社会においてその役割は必ずしも十分に担われているとは言えず,それどころか大人は余裕がなくなり,若者を育てるという役目が疎かになっているとさえ言える。あるいは,適応の在り方そのものが歪められて大人への成長を困難にしている面もある。この問題意識のもと,シンポジウムでは,現代に溢れる情報と若者というものをどんなふうに考えるか,私たちが一体どんな状況の中で生きているかということを議論して共有したい。
10年以上にわたり中学校で学校支援地域本部事業に取り組んだ元校長の実践の軌跡とその事業の成果や意義、課題や今後の展開について心理、教育分野等の専門家が解説。
序 章 支援される学校から、地域と協働する学校へ(時岡晴美)
第1部 学校と地域の連携・協働の軌跡(平田俊治)
第1章 学校を取り巻く現状と実践の経緯
第2章 X中学校での事業の導入と展開
第3章 Y中学校での発展と模索
第4章 Z中学校での地域と協働から結実へ
第5章 学校と地域の連携・協働の成果と課題
第2部 軌跡から導く13のさらなる可能性
1 「支援から協働へ」が意味すること(加藤弘通)
--子どもを変えるから、子どもが変われる場をつくるへ
2 学校支援地域本部にみる子どもの援助の展開(飯田順子)
--学校心理学の視点から
3 「荒れた」中学校と地域社会を結び生徒の成長を支える学校長のリーダーシップ(田島充士)
--バフチン・ダイアローグ(対話)論の視点から
4 「ここにいてもいいんだ」と思える学校(岡田 涼)
--学校所属感を生み出す実践
5 頼る先、居場所の選択肢を増やす支援(東海林麗香)
--学校だけでも地域だけでもできなかったこと
6 「社会で子どもを育てる」ということ(平井美佳)
--子どもの貧困問題からみた本実践の意義と課題
7 逸脱する少年のレジリエンスを地域ぐるみで育てよう(松嶋秀明)
--学校心理臨床場面での協働の経験から
8 トイレを「磨くから」生徒が良くなるのか、トイレを「磨いて」生徒が良くなるのか(川俣智路)
--道具と結果方法論からみる平田実践の可能性
9 生徒を変えるのではなく、関係を変える(赤木和重)
--人間の発達の動き出しについて
10 学校・教師不信時代における学校改善(白松 賢)
--責任と原因の重荷を課せられた学校を支える
11 多様性・関係・成果の可視化と学校・地域の変化(大久保智生)
--三つの可視化を踏まえた活動継続課題と展望
12 学校は地域にイノベーションを起こせるか(清國祐二)
--社会教育・地域教育の立場から学校実践を評価する
13 地域学校協働という漢方薬による学校力回復の処方箋(熊谷愼之輔)
--中学校における実践事例をもとに
終 章 地域と学校、協働の成果からさらなる可能性へ(平田俊治)
子どもが思春期に入ると、親子関係は大きく変化し、わが子との接し方に親の戸惑いは膨らむばかり。本書では思春期の心理から、発達障害、精神疾患、自殺関連行動、ゲーム依存、不登校に至るまで幅広くカバーし分かりやすく解説。思春期の子を持つ親御さん、教師の皆さんに向けての至高の一冊。
強迫性障害との関連が指摘されているチック障害を対象として、実態調査および介入を実施。我が国の強迫スペクトラム障害への支援の発展に寄与する知見を提示する。
長女カノコは憂鬱の真っ只中。
継父とのカルチャーギャップ、慣れぬ米国暮らし
学校でのストレスも相まって、攻防の日々は果てもない。
思春期の「あのふきげん」とどう向き合うか。
三人の娘を抱え煩悶し、挑戦し、嘆息し、
そして読む者に語りかけるーー
苦しいのはあなただけじゃない。
その体感が時を超えてリアルに迫る!
これぞ〈母親・伊藤比呂美〉の真骨頂
名エッセイ復刊
ひきこもり・不登校支援の現場から、アスペルガー障害を理解し、「生きにくさ」を支える具体的な提案。
自我の目覚めによって自分と他者を対象化しなければならない思春期・青年期は、発達障害者にとってひときわ生きにくさを感じる時期です。この時期に予想される自我同一性、性、非行や犯罪、ひきこもり、就学・就労、恋愛・結婚生活等の課題をそれぞれの専門家がわかりやすく解説します。
日本版KABC-2の発刊に合わせて,ティーンエイジャーを対象にした、認知処理様式を生かすライフスキルの支援を提案。
思春期の問題行動の事例も収録。
はじめに 〜KABC-2の発刊に寄せて
第1部 解説編
第1章 青年期の特徴と発達課題
第2章 青年期にみられる逸脱行動
第3章 長所活用型指導とは
第4章 指導の前提としての面接技法
第5章 ICT機器の活用
第2部 実践編
第1章 基本的なソーシャルスキルの指導
1TPOに合わせた挨拶
2上手な話の聴き方
3グループでの話し合いの仕方
4自分とは意見が違う人への対処
5上手な断り方
第2章 日常生活の指導
1毎朝の支度
2定期考査までの学習計画
31日の時間の使い方
4お小遣いの管理
5バーチャルなお金の仕組み
6ゲーム課金の仕組み
7時間を決めてゲームをする
8アダルトサイトの危険性
9夜遊びへの指導
10月経前症候群への対処法
第3章 友人,異性,家族との関係
1上下のない対等なつき合い方
2相手との距離の取り方
3異性へのアプローチの仕方
4仲直りの方法
5けんかやトラブルへの対処
6メールやLINEでのコミュニケーション
7SNSでのコミュニケーション
第4章 触法行為・違法行為の指導
1暴力 -被害者の気持ちを考えるー
2暴力 -イライラした時の対処法ー
3万引き -窃盗罪の理解ー
4万引き -店の被害を考えるー
5無免許運転 -責任の理解ー
6無免許運転 -誘いを断るー
7薬物 -危険ドラッグー
8性 -異性への接近ー
9性 -性の関心への適切な対処法ー
10危険物 -興味関心と法律ー
第3部 事例編
逸脱行動のある子どもをどう理解し,どう指導するか
事例1 対教師暴力のあった中学生A君の事例
事例2 異性に性的なメールを繰り返し出していた高校生B君の事例
事例3 ゲームセンターに入り浸っていた高校生C君の事例
事例4 校内で不良グループをつくっていた中学生D君の事例
事例5 生活が乱れ万引きを繰り返していた中学生Eさんの事例
思春期・青年期の教育に焦点をあて、この時期特有の課題ー学校や家庭での暴言・暴力が出てくる、学校の欠席が目立つ、インターネットやゲームに執着するなどに対する理解と対応ーを取り上げた。進学・就労などの進路選択、異性との接し方、金銭管理なども学ばせたいことがらとして盛り込んでいる。応用行動分析学の考え方をもとに、専門用語を使わずに、高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを担任する先生と保護者が協力・連携しながら共通理解・対応できるようになるためのガイドとして、Q&Aと事例、コラム、トピックスで具体的な解決のための支援方法を解説している。
強制でもなく、自主性まかせでもなく、思春期の心を理解し、不登校を親子でのりこえる「道しるべ」を長年のカウンセリング経験をもとに具体的にアドバイス!相談先の探し方、選び方、かかわり方も。
男子の“事情”がわかればイライラは消える
いつも不機嫌。質問しても答えない。突然キレる。そうかと思えば落ち込むときは地の底まで・・・・。
思春期男子の生態は謎に満ちています。
以前はまとわりついてきた子どもの変貌ぶりに、お母さんが戸惑ってしまうのは無理もないでしょう。
では、そんな彼らと、どうつきあっていけばいいのでしょうか?
本書は、
・次のテストでいい点とったら買ってあげる
・○○くんはもっと勉強してるんだって
・お母さんが笑われるのよ
・あんな子とつきあっちゃダメよ
・今度の先生はハズレね
・もっと目立つ存在にならなきゃ!
・いじめられてるんじゃない?
・・・・など、日常生活の中で、ついつい親が言ってしまいがちなNGワードを通して、
本来ならどう声がけすればいいのか? どんな態度で彼らを導けばいいのかを、
思春期男子の思考を明らかにしながら解説していきます。
学級で起きる問題行動、生徒が起こす問題行動は無限にあり、全てが同じ対応で解決できるわけではない。しかし、方法は様々でも、共通する「考え方」はある。本書では、生徒にどう関わり何を語るのかについて、その「考え方」を軸にした、10の心得と具体的な50の場面別対応方法を綴っている。
子どもの「勇気」をくじけさせないで!〜アドラー心理学による「勇気づけ」は、親が考えを切りかえないとできません〜