漫然とした福祉国家から費用対効果が尊重される時代に転換した世界の教育政策は、教育の成果を測定することから始まった。2000年に始まったOECDのPISA調査による学力ランキングは、各国の教育政策に強い影響を与えている。本書は、ドイツでは州毎に多様な教育政策が展開されていること、学力の低い移民の児童生徒を中心に学力向上策を実現したこと、教育機会を妨げる分岐型学校制度を改革した点を日本の教育政策との相違として分析する。一方、学校外部評価と教員養成改革で学校教育の質保証を目指す政策は、日本の教育政策との共通性を浮き上がらせている。比較教育学の神髄を鮮明に見せてくれる現代ドイツ教育論である。
子どもの発達段階に応じて心を育てる。共同作業での自己理解・ストレス対処・将来の夢など、人の間で自分を伸ばす。
本書で育てる『社会性』とは子どもたちが大人になり社会生活を営んでいくために必要な、コミュニケーション能力・実践力・社会適応・集団適応・規範意識等、特に「将来展望性」に焦点を当てた諸能力や資質の総体。
マサチューセッツ州初代教育長マンが、州の教育費削減案に抗し、教育の価値を金銭に換算して見せた時、新たな功利主義的教育観が誕生した。教育による労働者の資質・収入の向上、それに伴う一国の富の増進と階級闘争解消の効果等、教育の経済的生産性を公共性向上の裏づけに置くマンの教育観は、その後の米国教育思想のみならず、アメリカン・ドリームの原点とも言えよう。教育の公共性が問われる今、その思想の全貌と今日的意義を一次資料を通じ分析・考察した労作。
個人の道徳性と社会的正義を結んで考える。
性をめぐって生きづらさのある子どもに対して、国語科教育ですべきことはなにかー。本書は、学校という場で性の多様性がどのように扱われているのか、どのような課題があるのか、人権教育や他教科での取り組みも取り上げるとともに、理解しておくべき用語や概念についても言及しました。そして、具体的な教科書教材に基づいて、どのような教材をどのようにとらえ、解釈することが可能なのか、「教材の見方・考え方」の一例を提示しています。
「教育の目的は子ども自身の幸福」--牧口常三郎の教育理念を根底に、現代社会で「人間教育」をどう実現するか。6人の研究者が教育をテーマに多角的に論じる。
国外・国内の情勢が目まぐるしく変動する今日、特に社会科教員は、常に社会と教育の全体像を俯瞰しながら、その時々の情勢に応じた「資質」や「専門性」が求められている。そういった教員を養成するために、教師教育に今必要とされるものは何かー?4部構成全18章の充実の章立てからなる、「よりよい教育」を志向した不断の研究・議論・実践の結晶の一冊!
日本の高校生はどのような法知識・法意見・法意識を有しているのか。2000人調査の結果を分析し黙秘権・自白強要の禁止についても言及。
教師の役割や責任が変わりつつある今、教師教育も変わらなければならない。教師教育を変革するための最善の方法は何か。また、教師教育の成功をどのように評価するのか。本書では、教員養成と現職研修を見直すために有益な研究や調査を紹介した。OECD諸国の教師が直面している課題に着目するとともに、それぞれの社会的背景のもとで行われている具体的政策や実践とその意義を示した。
ノルウェーの幼児教育におけるジェンダー平等、公平性、多様性の尊重に向けた理論と実践をテーマにした意欲的な研究書。豊富な現地調査をもとに、同国の保育政策、カリキュラム、保育者、保護者および子どもの公平性の観点から多角的に分析していく。
高等教育機関における質保証の考え方、取り組み方を、教育・研究上の倫理(学術的誠実性 academic integrity)の視点から解説。示唆に富む著名な元学長へのインタビュー3本も収録。
「主体的・対話的で深い学び」や主権者意識を育てることが求められる社会科教師。
社会的事象を多面的・多角的に捉え、社会を鋭く見る力など、
それぞれの教師が専門性を身につけていくためのテキスト。
【執筆者】
坂井俊樹、小瑶史朗、川?誠司、國分麻里、渡部竜也、日?智彦、竹内裕一、荒井正剛、田中暁龍、
鈴木隆弘、篠塚昭司、田?義久、上園悦史、高木 優、奥村 暁、矢景裕子、小貫 篤、宮崎三喜男、
古家正暢、山本勝治、堀田 諭、大澤克美
第1部 社会の変化と社会科教育
第1章 社会科の理念・目標
第2章 変化する子ども・社会と社会科
第3章 現代的諸課題と社会科1 多文化の共存
第4章 現代的諸課題と社会科2 ESDとジェンダー
第2部 社会科の授業づくりの基礎
第5章 社会科の主な授業構成論
第6章 学習指導要領・教科書と社会科の授業づくり
第7章 社会科と地域
第8章 社会科地理教育の意義と授業づくり
第9章 社会科歴史教育の意義と授業づくり
第10章 社会科公民教育の意義と授業づくり
第3部 社会科の授業づくりー学習指導の専門性(基礎編)
第11章 学習指導案
第12章 中学校地理的分野
第13章 中学校歴史的分野
第14章 中学校公民的分野
第15章 高校地理
1 地理総合 / 2 地理探究
第16章 高校歴史
1 歴史総合 / 2 日本史探究 / 3 世界史探究
第17章 高校公民
1 公共 / 2 倫理 / 3 政治経済
第4部 中等社会科教師の専門性の追究ー学習指導の専門性(発展編)
第18章 教材研究・教材開発の専門性
第19章 国際バカロレアと社会科
第20章 カリキュラム・マネジメントとカリキュラムづくり
第21章 授業研究と教師の専門性
資 料 中等社会科教育関係年表
本書はアクション・リサーチ、つまり現場での研究を通して、現実場面での問題を実践的に解決しようとする研究法に基づく本である。アメリカ全国の現場の訪問を生かし、数十年にわたって何十もの場面で合計何十万もの児童・生徒や数千の教育者が参加して実施されたものをもとに、著者たちが執筆した。
美術・音楽・演劇・舞踊…各芸術分野の教育を包括する観点から、芸術教育の
理念、内容、方法を探究する。
社会、教育、生活などに芸術の諸機能を働かせて、
それらの人間的な転換を求める広義の芸術教育の考え方に立ち、
美術教育、音楽教育、演劇教育、舞踊教育……各芸術分野の教育を包括する
多様な視点から芸術教育の課題を考えるポリフォニーとしての芸術教育論。
第I章 芸術教育の射程
1 学校教育におけるアートの可能性
2 芸術教育の視点を見直す
3 人間の文化的主体性の形成と芸術・芸術教育の役割
─障害児者の芸術文化活動に寄せて─
第II章 芸術教育の社会的展開
1 平和のための教育としての芸術教育の性格
2 地域社会における芸術文化活動の視点と展開
3 コロナ禍に向き合う芸術文化の取り組みと芸術教育の展望
第III章 学校改革と芸術教育
─「芸術の教育」から広義の「芸術による教育」へ─
1 学校改革運動としての芸術教育─学力向上論と芸術教育との関係に寄せて─
2 総合学習に芸術教育の視点を活かす
3 学校文化活動の性格と役割をめぐって
─「芸術の教育」か「生活指導」かを超えて─
4 学校における芸術教育の性格をめぐって
─山住正己の芸術教s育論の歴史的意義と課題─
第IV章 美術教育論の探求
1 子ども自身から生まれる真の表現の探求
2 発達論を基礎にした美術教育論の探求すべき課題
3 造形表現能力の発達の視点を軸にした美術教育論の探求
第V章 芸術教育論の基礎概念の再考
1 「表現」と「模倣」の原理に見られる芸術の真理性の根拠と性格
2 「共通感覚論」再考の視座─中村雄二郎『共通感覚論』を批判的に読む─
3 芸術教育学の「学」としての固有性と可能性
TED史上最高の5600万再生!ノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイ絶賛!
世界中が注目する教育・能力開発の第一人者による
「創造性を育てる教育の未来像」とは?
○「学校教育は創造性を殺す」。ならば、創造性を生み出す学校とは?
2006年、教育研究者ケン・ロビンソンはTEDトークで「学校教育は創造性を殺してしまっている」と題した講演を行った。その主張の中核は、「多くの生徒が非常に才能を持って生まれてくるのに、学校の中でそれが評価されず、むしろ抑圧さえされてしまうために、自分をダメだと思い込み、その才能を鈍らせてしまう」というものだった。この講演は大変な反響をよび、再生回数5600万、閲覧人数3億人超と、TED歴代でもっとも大きな影響が広がった。
「創造性を育み、子どもたちが能力を高める教育・学校はどのようなものなのか」? TEDトークで提起した問題に対して、ケン・ロビンソンは本書でその答えを述べている。それこそが、創造性を生み出す学校である。
○標準化をめざした「教育改革」の問題点
現在世界中で、「教育改革」が叫ばれ、実際に行われている。それは、生徒間の競争を励行し、学習基準や評価の数値化を推し進めることで、水準を上げようとするものだ。しかし、これは問題を解決するどころか、むしろ悪化させてしまう。数値化・標準化を指標として過度に推し進めることで、結果的に個性や想像力、創造性は抑圧されてしまうのが、今世界中で起こっている「教育改革」の停滞と失敗の姿である。
子どもたちは多くの才能と能力を持って生まれ、学校に通う。しかし、標準化・数値化の枠に当てはまらない才能は無視され、スポイルされてしまう。その結果、失われてしまう可能性は膨大になってしまう。
○世界最先端の教育から学ぶ、未来の教育の姿
世界中の多くの教師たちは、教育改革の命令と、想像力を奪いかねない教育の実情に苦しんでいる。しかしその中でも、現在の組織やシステムの枠を外れて、子どもたちの能力を高める教育を行っている学校や、教育者たちが数多く存在する。
画一主義に抗って子ども一人ひとりを見ていく学校、授業を通じて子どもたちが自ら学びはじめるような優れた教師、ICTを用いてインターネットを通じて子どもの学びを深める組織、家庭での学びを確かにするホームスクーリング……
今現在でも、子どもの想像性を生み出す多くの取り組みが存在している。本書で紹介する、そうした世界最先端の学校の姿から、変化し続ける社会で、自分らしく個性や才能を発揮できるための、未来の教育の姿を読み取って頂きたい。