蜘蛛は待っている。かわいそうなあなたが網にかかるのを…。河津チェリーは、だれからも好かれる転校生。しかしその裏の顔は、血まみれのモンスター…。いくどもの晩餐で、人間だけが持つ愛情にふれた蜘蛛女。冷たい心に変化のきざしが…!? 感染する恐怖が息をのむ読みきり「教えてあげる」も収録。
一人の男の戦後を家族史として描いた意欲作
日中戦争の傷を抱えながら戦後を生きてきた父が昭和天皇の死に際し下した決断とは? 「父と息子」「戦争の記憶」に挑んだ傑作中篇。
多岐川瑠璃子は実家住まいの歯科衛生士、33歳。家と職場の往復だけの単調な日々を過ごしている。離婚した妹が実家に子供を連れて戻ってきたので、自分が出て行かなければならないのか……と考えていたときに、同僚から聞いた出会い系サイトにアクセスする。同僚はそこで結婚相手を見つけたというのだ。ほのかな期待を抱きながら、気になる男に勇気を出してメールを送ってみた瑠璃子。程なくして、相手の男から返信が来る。舞い上がる瑠璃子。何度かのやりとりの後、二人は会うことになる。この男の名前は、佐々木一希。瑠璃子よりも7つ年下の商社マンだ。二人は急速に惹かれあい、やがて身体を重ねるーー。瑠璃子は信じられないような幸福に身をゆだねつつも、一抹の不安を覚える。本当にこんなに幸せでいいのだろうか……。そう思いながらも、二人の間に、結婚話が持ち上がる。
蜘蛛の巣編みの達人である独身中年蜘蛛の藤兵衛の下に、ある日伝助と名乗る若蜘蛛が訪ねてきた。弟子入りを志願する伝助は、実は藤兵衛の奥義である「六角亀甲紋」の編み方を盗みにきたスパイだった。縄張りを移動し生計を立てる二匹は、様々なトラブルに見舞われる。トラブルを乗り越えるほどに二匹の絆は強く深くなっていった。旅の途中、別れた妻と娘の情報を手に入れた藤兵衛と、スパイであり弟子である立場に悩む伝助。二匹に待ち受ける旅の結末とは!?痛快!虫エンタメ小説。
人間の「業」を俳句に託して綴る文藝。
NSAのネットワークに侵入したのはリスベットだった。彼女はある目的のため、この犯罪組織を追っていたのだ。犯罪組織のリーダーはサノスと呼ばれていた。一方ミカエルは、セルネル社が『ミレニアム』編集部から彼を追い出そうとしていることを知るが、さらに衝撃の事件が発生する。万全の警備システムを設置し、自閉症の息子と暮らすバルデルの家が襲撃されたのだ。警察の捜査が開始され、リスベットと連絡を取ることに成功していたミカエルも独自に調査に乗り出す。だが、今度はバルデルの息子に魔の手が伸びてきた。全力で息子を護るミカエルとリスベット。やがて一連の事件の背後に、リスベットの知られざる過去が大きく関わっていることが明らかになる。そして、リスベットに犯罪組織の暗殺者たちが、さらにはNSAの追っ手が迫る!
人工知能の研究で世界的な名声を博す科学者。彼が抱える重大な問題に巻き込まれたジャーナリストのミカエルは、異色の女性リスベットに連絡を取る。やがて二人は、巨大な悪の組織を相手に闘う! 世界20カ国国でベストセラー第1位を記録! 今世紀最高のミステリ、待望の続篇。
成功とは繋ぎ留める為にどんな事も付け足すこと。変化とは諦めることを怒らないようになってゆく様子。あの世で諦めることが初めての人は想像してみた時の驚けない自分をいつの魔にやら手に入れる。想像をしてみたときに近寄って来るような知らない人はいつもそこから縁が始まることを期待していたから。あの世にいる人はどんな顔。誰も犯人にされないように最初に思いついた人の名を書いていない聖書は幾つもの名を書いて妥協してくれる死者を解脱と名づけ、加担してくれる人達を信徒と云った。地上にピラミッドを作りそのまま王で在ろうとしたファラオが 優しい人達を引き抜いていたのは、ファラオ自身が神のように優しい顔だと思われる為だっだのだ。ファラオこそ創造主の宣言を始めてしまったエホバであったという事実。でも、その彼に入れ知恵をした女性は全てを見みていた瞳。
美しい少女の姿をした「怪物」によって命を救われたレイ。日常に戻ったレイは、怪物との奇妙な同居生活を続けながら、この謎めいた存在の秘密を探ろうと決心する。そんなレイの目の前に、二人の人間が現れる。一人は怪物の危険性を警告する車椅子の女性。もう一人は怪物を探しているアルビノの少年だったー。日本最大級の小説賞「第5回ネット小説大賞」でメディア賞を受賞した新感覚サスペンスホラー、待望の第2幕!
地域を支えてきた中小企業の経営者が、なぜ次々と死ななければならないのか!?自身も倒産して自殺寸前まで追い込まれ、仲間の経営者たちが自ら命を絶つのを目の当たりにした佐藤久男は、自殺率ワースト1位だった秋田でNPO法人を立ち上げ、「民」「学」「官」の連携によって、実際に、自殺者を大幅に減らしていった。秋田で、被災地で、日本各地で、佐藤は何を考え、何をしてきたのか。日本における自殺対策は、この男を抜きには語れない。
お釈迦さまが散歩の途中、極楽の蓮池の下をのぞき込むと、カンダタという男が血の池でもがいているのが見えた。人を殺したり放火をしたり、さまざまな悪事を働いた末に地獄に落ちたカンダタを見てお釈迦さまは、彼が生前、蜘蛛を踏みつぶそうとして思いとどまったことを思い出した。そこでお釈迦さまは、彼をめがけ蜘蛛の糸を地獄の底へたらしたがーー。
蜘蛛の糸
地獄変
羅生門
鼻
緑豊かなアラグリンの谷を支配する、氏族の族長エベルが殺された。現場には血まみれの刃物を握りしめた若者。犯人は彼に間違いないはずだった。だが、都から派遣されてきた裁判官フィデルマは、納得出来ないものを感じていた。七世紀のアイルランドを舞台に、マンスター王の妹で、裁判官・弁護士でもある美貌の修道女フィデルマが、事件の糸を解きほぐす。ケルト・ミステリ第一弾。
不思議な空気のアンプルに守られて、快適な釣鐘型の家に暮らすミズグモ。その生態を通して、生命や知性の源・継承へ思いをめぐらす。メーテルリンクのもうひとつの博物文学の名品、本邦初訳。幼い頃の記憶を綴った最後のエッセイ「青い泡」も収録。※外装カバー少ヤケ、中身には問題ありません。