初学者が手話言語学の基礎知識を得るための入門書。「言語学の基本知識を持たない」「手話言語学の基本を勉強したい」ろう者と聴者のために、日本手話ということばの仕組みを豊富な写真入りで平易に解説。日本手話DVD付。
社会言語学という学問の全体が論理的にわかるよう、変異を扱う方向と談話を扱う方向を組みあわせる体系的な枠組みを採用した新しい入門書。各章に【推薦図書】と【調査の課題】があり、大学生向けテキストに最適。もちろん独習にも。
■「まえがき」より
この本は社会言語学についての入門書として企画された。大部分の読者にとって、社会言語学という学問に触れるのは初めてと考え、前提の知識なしに、読めることを目指した。
従来の社会言語学の概説書の多くは、取り上げる対象や分野に偏りがあった。そこで、本書では、社会言語学という学問の全体が論理的に分かるような体系的な枠組みを採用した。この枠組みでは、変異を扱う方向と談話を扱う方向を組み合わせ、かつ地表上に広がる面積の大きさによって、配列したので、個々の現象を一定の研究分野に位置づけることができる。本書全体として大から小へ向かうという流れ、ストーリー性がある。世界全体を見渡す大きな視点から話が始まり、1言語の中の方言差や性差、集団差、敬語、文字のように、個人の使い分けの話になり、個人のことばの並べ方に移っていく。従来の社会言語学概説書と違うところは、言語相対論を冒頭におき、文字についての独立の章を設けたこと、談話についてしかるべき位置を与えたことである。
国名をテーマにしたフェスティバル「国フェス」。
国際交流・理解を謳い、期間限定でそこに持ち込まれる多種多様なモノ・コト・価値の数々。それらの談話ーー言語・非言語を含む、有意味な記号活動のすべてーーを、マルチモーダル談話分析、言語景観研究、地理記号論の三つの視点を基盤に複数の手法で精査し、複雑に展開される相互作用を紐解いていく。
国フェス研究が、在日外国人コミュニティとホスト社会を架橋する可能性に向けてーーーー。
■序
■第1章 国フェスの社会言語学的研究ーー意義と方法
■第2章 調査の手順と国フェス事例の概要ーー開催の趣旨と経緯
(ナマステ・インディア/ブラジルフェスティバル/ラオスフェスティバル/ベトナムフェスティバル/アイ・ラブ・アイルランド・フェスティバル/おいしいペルー/コートジボワール日本友好Dayアフリカンフェスティバル/カンボジアフェスティバル/台湾フェスタ/アラビアンフェスティバル/ディワリ・イン・ヨコハマ/One Love Jamaica Festival/日韓交流おまつり/ミャンマー祭り/ベトナムフェスタin神奈川/その他の国フェス)
■第3章 国フェスのチラシのマルチモーダル談話分析
--A4紙一枚に凝集される国フェス
■第4章 国フェス会場に展開される国名・地名ーー想像の国家空間
■第5章 トークショーでの二言語使用ーー通訳が介在する相互作用
■第6章 参加型の言語関連活動ーー文化資本としての当該国言語
■第7章 音楽ライブでの多言語使用ーー多言語シンガーと観客の相互作用
■第8章 感染症対策を講じた国フェスから見えること
--「新しい日常」における国際交流イベントの課題と展望
■第9章 結論ーー多様性が価値づけられる多言語公共空間形成過程への示唆
コラム
あとがき
引用文献
認知言語学の体系は少しずつ形をとり始め、その過程は現在もまだ進行中と言ってよい。そこには、その若さの故の不確定さも多く内蔵されているが、新しいことの起こりうる可能性も豊かに内包している。「百花繚乱」とも言える認知言語学研究の各テーマを、第一線で活躍する研究者が解説する。
執筆者:山梨正明、崎田智子、堀江薫、金杉高雄、守屋三千代、李在鎬、小松原哲太、安原和也、澤田淳、米山三明、杉本孝司、仲本康一郎、井上京子、黒滝真理子、吉村公宏、森雄一
第1章 認知科学と認知言語学 山梨正明
第2章 認知言語学と談話分析 崎田智子
第3章 認知言語学と言語類型論 堀江 薫
第4章 認知歴史言語学 金杉高雄
第5章 認知言語学と日本語教育 守屋三千代
第6章 用法基盤モデル 李 在鎬
第7章 メンタル・スペース理論 小松原哲太
第8章 概念ブレンディング理論 安原和也
第9章 フレーム意味論 澤田 淳
第10章 概念意味論 米山三明
第11章 形式意味論 杉本孝司
第12章 ファジー意味論 仲本康一郎
第13章 カテゴリー化とプロトタイプ 井上京子
第14章 事態把握とモダリティ 黒滝真理子
第15章 イディオムと構文 吉村公宏
第16章 日本語のレトリック 森 雄一
【「序章 本書の概要」より】
本書は日本語のアクセントとイントネーションを、鹿児島方言およびその近隣方言と東京方言の調査研究をもとに、一般言語学と対照言語学の視点から分析したものである。アクセントとイントネーションはともに音の高さ(ピッチ)が作り出す音声現象であるが、語の特性(アクセント)か、句や文の特性(イントネーション)かという違いを持つ。本書は計4つの章からなり、最初の3つの章では主にアクセントを、最後の第4章ではイントネーションを考察する。
いずれの章も過去20余年間に日本語で書いた論考、英語で書いた論考、そして今回新たに書き下ろした原稿の3つがもとになっている(前2者については文献欄を参照されたい)。日本語や英語で発表していた論考についても、今回データと分析を再検討し、また最近の研究動向を踏まえて少なからず改稿を行った。またopen data scienceの一歩として今後の検証が可能になるように、調査に用いた語彙・例文を章末の補遺に記載し公開することにした。
使える日本語が増える!
言葉の使い間違いがなくなる!
言葉の「語源」がわかる日本語勉強本!
衣食住や伝統、文化からできた言葉など、語源を知ることで、
言葉の使い方がもっとよくわかり、文章表現力が高まります。
物語の脇役を添える研究者生活の実態を投じた架空世界と、認知言語学という学問領域で展開される現実世界が、相互に交錯する形で、認知言語学と呼ばれる学問領域の内実を講義形式で描いた小説風認知言語学入門である。
第1講 認知言語学とは何か?
第2講 プロファイリング
第3講 スキャニング
第4講 ズーミング
第5講 ブリーチング
第6講 メトニミー
第7講 参照点能力
第8講 フレーム
第9講 カテゴリー化
第10講 シネクドキー
第11講 スキーマ化と拡張
第12講 メタファー
第13講 ブレンディング
第14講 スプリッティング
第15講 まとめ
本書は、形態論研究におけるインターフェイスに焦点を当てた研究書兼概説書である。形態論の枠組みを中心にして周辺の言語学研究の諸分野とのインターフェイスを分析した最新かつ概説的な論考が5編収録されている。対象とする言語、現象ともに多様なものとなっており、充実した内容となっている。形態論研究を中心としながらも、英語学、日本語学、言語学の研究者、また、大学院生、学部生など、幅広い読者を対象としている。
第1章 形態論と音声学・音韻論とのインターフェイス
西原哲雄
1. 形態論とは何か
2. 形態論の基本概念
3. 第I 類接辞と第II 類接辞
4. 語彙音韻論の枠組み
5. 語彙層の数について
6. 順序付けのパラドックス
7. 英語のリズムルールと音律範疇の形成
8. 英語の口蓋化と音律範疇の形成
9. 音韻語形成の役割
10. 生成音韻論と語形成過程
11. 連濁と形態構造
12. まとめ
第2章 方言でみるカテゴリーと形式のインターフェイス
島田雅晴
1. はじめに
2. 方言に基づく研究の論点
3. 機能表現の方言間比較
4. 言語接触がもたらす変化
5. まとめ
第3章 形態論と強勢のインターフェイス
時崎久夫
1. 形態論と語強勢
2. 接尾辞優先
3. 右側主要部規則とパラメター
4. 派生語・複合語の語順と語強勢・句強勢
5. まとめ
第4章 語彙意味論と語形成のインターフェイス
由本陽子
1. 導入
2. 動詞のLCSと接頭辞付加規則
3. 名詞のクオリア構造と名詞転換動詞
4. 修飾関係解釈と「名詞+名詞」型複合語
5. まとめ
第5章 日本語の形態論と他部門のインターフェイス
西山國雄
1. 品詞の認定に見る形態論・統語論・意味論のインターフェイス
2. 形態素の認定に見る形態論・音韻論・統語論のインターフェイス
3. アクセントに見る音韻論・形態論・統語論のインターフェイス
4. 連濁に見る形態論・音韻論・意味論・統語論のインターフェイス
5. 複合に見る形態論・統語論・意味論・音韻論のインターフェイス
6. 並列表現に見る形態論・統語論・意味論・音韻論のインターフェイス
7. まとめ
仏語と日本語の比較において、一部の名詞複数形は数量表現として定義できないことを示す。仏語と日本語における名詞複数形が示す多様な表現価値に着目し、「複数」と「複数形」という言語形式とのかかわりについて考察。
序 論 フランス人の親は常に子供が複数いるのか
第1章 言語学における「複数」概念の定義およびその限界
──「複数形」の「複数」とは何か
第2章 フランス語の不定名詞句複数形における「複数」概念
──日本語の畳語複数形との比較から
第3章 フランス語の不可算名詞複数形における「複数」概念
──日本語の畳語複数形の再検討
第4章 日本語の接尾辞「─たち」が表す「複数」の意味
──フランス語の総称名詞複数形との比較
第5章 存在否定文の主語名詞句複数形が表す「複数」の意味
──フランス語では「幽霊」は存在しないのに,日本語では存在するのはなぜか
第6章 フランス語の結びの挨拶の名詞複数形が表す「複数」の意味
結 論
参考文献
あとがき
索 引
言葉を字義どおり真にうけてはいけない。言葉には、人に危機をもたらすものが多いからです。本書では、言葉には〈生きたもの〉と〈死んだもの〉があるということ、さらに言語が私たちの現実感覚から大きく離れ、多用されるとき、私たちの思考は麻痺する、ということを、ランボー、志賀直哉、レヴィ=ストロースの言語感覚を例にひきながら、わかりやすく解きあかしていきます。【目次】第一章 数学の言語とランボー/第二章 生命ある記号/第三章 死をもたらす言語/第四章 志賀直哉と言語
第一章 数学の言語とランボー/第二章 生命ある記号/第三章 死をもたらす言語/第四章 志賀直哉と言語
近年のレキシコン研究は、単に語彙の分析にとどまらず、意味と語用のインターフェイス、構文や語形成との関係を視野に入れた新たな探求が展開されている。本書は、レキシコン理論における「語彙の情報とは何か」という究極の問いに答えるべく、概念意味論、生成語彙論、分散形態論、形式意味論などの理論的枠組みや、実験、定量的分析といった研究手法に基づく論考を収録し、レキシコン研究に新たな視点をもたらす意欲的な論文集である。
執筆者(五十音順):青柳宏、岸本秀樹、木戸康人、工藤和也、佐野まさき(真樹)、澤田淳、澁谷みどり、田中秀治、富岡諭、中谷健太郎、日高俊夫、森山倭成、山田彬尭、依田悠介
第I部 語の意味と文の構造
第1章 意味合成の領域とレキシコンからシンタクスへの写像
工藤和也
第2章 「場所格交替」再訪 -多義性と強制に基づく項交替ー
岸本秀樹
第3章 韓国語における受動文の派生と二重使役の衰退について
青柳 宏
第4章 「ではないか」構文における節構造と上方再分析
森山倭成
第5章 とりたて詞の焦点拡張と多重生起 -複文における対比のハを中心にー
佐野まさき(真樹)
第II部 語用論的意味をめぐって
第6章 日本語の指示詞の意味と語用論 -ソ系指示詞の直示用法を中心にー
澤田 淳
第7章 「普通に」における語用論的意味 -客観化・対人化ー
日高俊夫
第8章 「Vすることを始める」の持つ「習慣性」-統計モデリングを用いた容認度判断の検証ー
山田彬尭
第9章 テシマウは本当に完了のアスペクト形式なのか
中谷健太郎
第III部 語や形態素の意味・構造・機能
第10章 ダケの語彙的意味 -度数の意味から排他性へー
富岡 諭
第11章 動詞「掘る」の多義性について
澁谷みどり
第12章 5種類の接辞「っこ」の意味と機能
木戸康人
第13章 分散形態論と語彙的V-V複合語の意味構成
田中秀治
第14章 日本語数表現に見る異形態
依田悠介
可能世界意味論の登場とクリプキの「新しい指示論」によって、言語哲学は70年代に根本的な変化を迎える。増補改訂版第3巻が登場!
50年代末の可能世界意味論の登場によって様相論理の評価は一変し、70年のクリプキ「名指しと必然性」によって可能世界の概念は哲学全般に大きな影響をもたらした。クワインの様相論理批判の行方と、指示の理論と可能世界意味論との関係というふたつの謎を軸に、言語哲学の展開を論じる。大河入門書の増補改訂版、待望の第III巻。
増補改訂版へのまえがき
第一版へのまえがき
第二部 可能世界意味論と様相の形而上学
第4章 様相の論理学
4・1 創始者による無視ーーフレーゲとラッセル
4・2 意味論以前の様相論理
4・3 カルナップと様相論理の意味論
4・4 クワインの様相論理批判
第5章 可能世界意味論
5・1 基本的発想
5・2 様相命題論理のモデル論ーー到達可能性
5・3 様相量化論理のモデル論ーー個体と世界
第6章 可能世界意味論の応用と哲学的基礎
6・1 自然言語の意味論
6・2 哲学的概念分析への応用
6・3 可能世界とは何か
6・4 貫世界同一性
第7章 直接指示の理論
7・1 固有名と記述ーー「標準理論」
7・2 「標準理論」への批判
7・3 新たな標準理論に向かって
終 章 必然性とア・プリオリ性
可能世界意味論とは結局何だったのか
ア・ポステリオリな必然性
ア・プリオリな偶然性
浅い必然性と深い必然性
第二部への文献案内
補 註
後記 二〇二四年
1 パラコンと可能世界
2 規格化と意味論的分析
3 存在論とイデオロギー
4 ホモフォニックな意味論とヘテロフォニックな意味論
5 意味論における複数的語法と様相的語法
6 様相虚構主義
索 引
日本語ラップをこよなく愛する言語学者が、韻に込められた「ことば遊び」を分析する言語学エッセイ。Mummy-D、晋平太、TKda黒ぶちへのインタビューも収載。
本文より:
学生時代の私は、ただ日本語ラップが好きだった。好きなラップを聴いているうちに、いつしか自分で韻の仕組みを分析するようになっていった。その頃は、何か見返りを求めていたわけではなく、ただただ好奇心に導かれて研究していた。しかし、そんな研究は少しずつ有名になっていき、いつの間にか自らの分析をプロのラッパーたちに披露する機会にも恵まれ、メディアに出演する機会も多く頂くようになった。
近年では、日本語ラップを大学教育に取り入れる意義を強く感じるようになり、数多くのラッパーを授業にお招きして、様々なことを言語学者としてーーそして大学に身を置く教育者としてーー考え続けている。日本語ラップから我々が学べることは、多岐にわたる。日本語の構造を見つめ直すこともできれば、アメリカの社会状況を理解することもできる。さらに、コロナ禍のようなストレスが溜まる状況で前向きになれる力ももらえる。本書では、これらの「ラップを学問する効用」について具体的に伝えていきたいと思う。
ーー第1章「日本語ラップと言語学者」より
第1部 日本語ラップと言語学者
第1章 言語学って何ですか?
第2章 朝礼:先生の長い思い出ばなし
第3章 エピソード0:言語学者、日本語ラップの韻を分析する('06)
第2部 言語学的ラップの世界
第4章 講義1:レジェンドラッパーたちを大学の授業に招く
コラム:晋平太先生に教わる自己紹介ラップ!
第5章 講義2:ヒップホップの誕生とその歴史
第6章 講義3:制約は創造の母である
第7章 講義4:日本語ラップは言語芸術である
コラム:あるラッパーとの思い出
第3部 日本語ラップの現在地(インタビュー聞き手:川原繁人・しあ)
第8章 TKda黒ぶち「ネガティブこそ武器になるラップの世界」
第9章 晋平太「子どもからお年寄りまで、誰もが楽しめる日本語ラップ」
第10章 Mummy-D「歴史を紐解いて考えるMummy-Dが見てきた日本語ラップの本質」
アウトロ(おわりに)
音韻論と他の部門とのインターフェイスは、句や文の広範な音韻現象と統語論、意味論、語用論との関わりを解明することを目的として言語理論ともに発展してきたダイナミックな研究分野である。本書では、対象を音韻論と統語論のインターフェイス(第I部)と英語の抑揚をめぐる諸問題(第II部)に絞り、現在までの研究の流れを整理し、それぞれのテーマについての2人の著者の研究成果も提示しながら今後の研究の展望を示す。
第I 部 音韻論と統語論のインターフェイス
第1章 音韻論と統語論のインターフェイス:概観
第2章 統語構造と音韻構造
第3章 強勢
第4章 音韻論と統語論の相互作用
第5章 音韻と統語の相関と類型論
第II部 英語の抑揚をめぐる諸問題
第6章 序
第7章 伝統的研究と記述研究
第8章 基本抑揚型の設定と抑揚の「意味」
第9章 英語の下降・上昇調と上昇調をめぐる諸問題
第10章 英語の音調句をめぐる問題
生成形態論の目標は、各種の複雑語を自動的に生成する体系の構築である。その一環として本書は、日英語の名詞化、形容詞化、動詞化の主要な現象を詳細に分析・記述した後で、記述的一般化を「分散形態論」の枠組みで理論的に説明する。即ち、語彙部門を解体し関連情報・操作を適所に最適に分散する機構から、範疇化の基本的・普遍的特性と語彙的・個別的特性を帰結として導く。「詳細な事実観察に基づく理論の構築」を主眼とする。
第1章 生成形態論の基本概念
第2章 分散形態論の文法体系
第3章 形態機構ー統語出力の再調整機関ー
第4章 名詞化の分析
第5章 形容詞化の分析
第6章 動詞化の分析
第7章 範疇化の統一的説明
第8章 チャレンジングな問題ー句の包摂ー
第9章 結び
現代的な意味論や語用論といった分野は分析哲学から派生したため、言語学と哲学は密接な関係にある。本書は言語学において議論されることが少ないプラグマティズムという哲学の概念が言語分析の基礎概念として機能することを示すと共に、その帰結を論じることを試みる。本書はプラグマティズムに加え、身体性、フレーム理論、ネオ・サイバネティクスといった概念との関係について詳細に論じる初の学際的な研究書でもある。