ボディ・ピアシング、拒食・過食、ゆがめられ萎縮する性。本来なら、ひとを癒し、快くするはずの行為が、身体への攻撃として現象している現在。本書では、専門の現象学研究に加え、モード批評などで活発な言論活動を展開し、最近では臨床の知としての「臨床哲学」を提唱する著者が、このような身体状況を濃やかに描写する。●第1章ーパニック・ボディ ●第2章ーからだの経験 ●第3章ーからだの幸福 ●第4章ー生の交換、死の交換 ●第5章ーからだのコモンセンス ●第6章ー<ゆるみ>と<すきま> 著者は、私たちの身体は、今、一方では<私>という個の中に閉じ込められ、また、一方では<私>という存在から遠く隔てられているという、引き裂かれた状態にあるという。では、そもそも身体に深く浸透しているはずの<智恵>や<想像力>、そして<他者との関わり>の中にある身体性の回復はいかにして可能か。リアルな問いを投げかける一冊。
ホーキング博士の難解な宇宙論がブームになったことは記憶に新しい。そんな難解な理論の代表格が、ホーキング理論の基礎でもあるアインシュタインの「相対性理論」ではないだろうか。 実は、相対性理論は彼がいなかったら成立しなかったというわけではない。その発表とともに世界の学者たちが「ああ、そうだったのか」と、直ちに理解したのである。別の見方をすれば、相対性理論は天才しかわからないものではなく、素直に考えればなるほどそうだったのかと誰でも思えるものなのだ。 本書は、従来の解説書と違い、数式をできるだけ使わず、イラストや図解を多用することで、スラスラと理解できる入門書。あなたをアインシュタインの不思議で謎に満ちた世界へと誘います。 全体を10章に分け、「アインシュタインの生涯」「遅れる時間の不思議」「双子のパラドックス」などのテーマごとに解説。楽しく読み進むだけで理解できるように構成された画期的な一冊。
日本海軍とは、いかなる歴史をたどった組織であったのか。東郷平八郎、秋山真之、山本権兵衛、山本五十六、角田覚治ら、海軍史にその名を刻む名提督・名参謀の真実の姿とは。そして、戦史に残る、数々の名勝負・名場面は、どのような人々の決断によって、展開されていったのか……。 本書では、勝海舟による創始から、日清・日露戦争の勝利によって、日本を世界の第一級国に押し上げた、“栄光の明治時代”、軍縮条約に対する意見の衝突によって、次第に組織に歪みを生じてゆく、“苦悩の大正時代”、そして、開戦反対派の努力もむなしく、太平洋戦争に参戦、あげくの果ての徹底的敗北により、組織解体に陥る、“悲劇の昭和時代”にいたるまで、波瀾に満ちた、日本海軍の興亡史を、代表的人物の言動を中心にしながら、ドラマチックに描き上げてゆく。 「海軍に厳しい海軍ファン」である著者の目が、海軍の功罪をあます所なく示してくれる、海軍ファン必携の書。
鎌倉末期、備前長船で生まれた剛刀「のきばしら」。足利将軍斬殺という嘉吉の乱を引き起こし、千利休の手により石灯籠を斬る。やがて江戸時代、転生した娘とともに質屋夫婦の命を救い、幕末には“人斬り”岡田以蔵の手に渡る。維新動乱のなかで女剣士の仇を討って、ついに終戦前夜の皇居に現れる…。一振りの剣をめぐる時空を超えた物語を、気鋭の執筆者7人が書き継ぐ、珠玉の連作時代小説。
エレベーターに乗り込んで、階数ボタンを押すやいなや「閉」ボタンを押してしまう。発車間際の電車に滑り込む。一分一秒を惜しむより、“今”という時間に愛をこめ、自分を見つめる余裕を持ってこそ、人生は豊かになるのです。 本書は、その深い信仰と慈愛のことばで多くの人を導いてきたシスターが、何気ない日常に溢れている真の幸福に気づくための生き方、考え方をやさしく説くエッセイ集です。 自分から挨拶する、誰かが落としたゴミを捨てる、トイレットペーパーの新しいロールを付け替える。それだけで“今”という時間が輝きますー面倒なことをした後のささやかな満足感が、幸せの素。だからこそ、小さなことにも愛をこめ、当たり前のことにも感動できる、そんな心の習慣を大切にしてください……聖書のことばを織り交ぜながら、著者がやさしく語りかけます。 生き方を見つめ直し、新しく生まれ変わりたいすべての人に贈る、心洗われる生き方論。
歴史の真相を探るとき、そこには必ず「そこに至るまでの過程」と、「その原因となった火種」を見出すことができる。昭和16年12月8日未明の真珠湾奇襲に始まる太平洋戦争開戦にも、もちろん「そこに至るまでの過程」があった。本書は、日本がなぜ、太平洋戦争開戦を決定するに至ったのか。その過程を克明に描いた歴史ドキュメントである。 一般的に「太平洋戦争への道」といえば、満州事変から論じられることが多いが、著者は「“海軍がなぜ開戦にノーといなかったか”遠因をさぐるため」に、あえて昭和5年のロンドン海軍軍縮条約批准をめぐる統帥権干犯問題を第1章においている。それは、「複雑に絡んだ昭和史の謎を解く鍵は統帥権という“魔物”にある」からだという。 手記や資料から歴史的事実のみを徹底的に拾い出しつつ、11年間におよぶ昭和史の転換点をドラマのように活写した文章は、長年『文藝春秋』の編集に携わった者の芸そのものである。
このところ、世の中は鬱としていて、新聞やテレビの報道では景気の悪いニュースばかりが続いている。サラリーマンにとっても、身近なリストラや賃金カットなど不安な話題があふれ、ともすると無気力になりかねない環境にある。そんな中で、心の健康を保ち、気分を引き立たせるにはどうすべきか。そして、日々充実を感じ、さらに1年を、ひいては生涯を充実したものにするためには何が必要か。 本書は、松下幸之助が折々に語った人生や仕事、経営や国家・社会に関する英知と洞察にあふれる言葉を厳選して「一日一話」の形にまとめたものである。 困難な時代を幾度も乗り越えた人生経験、また経営者としての数々の体験から得た考え方は示唆に富み、苦境のときはもちろん、日常においても我々に新たな発見と喜びをもたらしてくれる。いかなる状況にあっても、「なんとかなる」という前向きな希望を与えてくれる語録集である。
けなされて育つと、子どもは人をけなすようになる。愛してあげれば、子どもは人を愛することを学ぶ。世界10カ国で愛読、数百万人が共感した子育ての智恵。
今日はひょうたん沼のかえるたちの運動会。みんなは大はりきり! 10ぴきのかえるは、綱ひきの赤組代表です。 「よーいしょ、よいしょ、もう一息だ!」そう思った時、真まっ黒な黒雲が、ぐんぐん近づいてきて……。 ぴゅうううう……。突然の竜巻に、運動会はめっちゃめちゃ。しかも、沼一番の年寄りがえるが、トロフィーと一緒に風にとばされてしまったのです。 10ぴきは、年寄りがえるを探しにいくことになりました。じゃまな大石は大玉転がしみたいに転がしてどかし、細い橋を丸太渡りみたいに渡って、山の中を探しまわりましたがみつかりません。くたびれたかえるたちが、もう歩けないと思ったその時、ひっくりかえるが転げおちた穴には、なんと年寄りがえるが! でも、そこは深い穴。どうやって助けようかと困っていると、かんがえるが明安を思いつきます。 「10ぴきのかえる」シリーズ第9弾。10ぴきが大活躍!
3〜4歳から大人まで楽しめる、ことばあそびの絵本。バンド「トラや帽子店」で作詞・作曲もこなす中川ひろたか氏と、イラスト・エッセイでもおなじみの村上康成氏の、人気のコンビで贈ります。 ことばの語尾をほんの少し変えたり、つけ足すだけでこんなに楽しくなる。「ことば」の不思議さ・自由さ・おもしろさを、ユーモアたっぷりに伝えます。 「こんにち……」あいさつしているのかな? 「ワニ」ワニのあいさつだったのか!/「いないいない……」次は“ばあ!”だ、と思ったら……「ばあちゃん!」 決して教育的にならず、子どもの視点に立った、ことばあそびの絵本です。このような単純すぎるほど単純なあそびが、子どもは実は大好き。とにかく「楽しさ」のみを追求した、今までにない形のことばあそび。 村上氏のユーモアでセンスあふれる絵も、楽しさをバージョンアップさせます。
不況とリストラ。死に急ぐ中高年、そして子どもたち。若者の暴力衝動の高まり、児童虐待……。圧倒的な閉塞感と無力感に覆われた現代。こんな時代に、それでも意味と希望を見失わずに生きていくことはできるのか? もし可能だとすれば、その条件は何なのか?▼千葉大学助教授を務めるほか、子どもや母親たちへのカウンセリング、悩める教師たちのサポート活動など、幅広い活動を展開する著者は、自称「時代と闘うカウンセラー」である。「個を越えたつながり=個が生きるつながり」を基本コンセプトとし、「人生で起こることは、どんなことにも意味がある」というトランスパーソナル心理学のエッセンスを9つのヒントにまとめて解説する。▼愛と憎しみ、喜びと悲しみ、歓喜と絶望など、内なるすべてのメッセージに耳を傾けること、そして深く自己肯定して生きるための「私を越えた視点」を育むことを熱く語りかける一冊である。
●第1部 生きる意味を見出す ●第2部 自分の弱さと向き合う ●第3部 人生の闇の声を聞く ●第4部 死を見つめる
とても興味があるけれど、むずかしくて理解できない……そんな代表的なものが、アインシュタインが提唱した「相対性理論」だろう。ところが、現代物理学にはその相対性理論よりも難しく、奇妙で、なおかつとても面白い理論がある。それが「量子論」。▼一番身近な例をあげると、最近はほとんどの人が持っている携帯電話やパソコンのもっとも重要な部品ともいえる半導体チップの中を支配している法則である。こればかりではなく、素粒子などのミクロの世界に適用されるもので、人などの遺伝子など生物の構造や進化、そしてマクロの極限である宇宙の創生までを解明するとされている。▼本書は、その量子論のポイントが一目で理解できるように、図やイラストを多数使って初心者向けにわかりやすく解説した格好の入門書。最先端物理学の不思議な世界を手軽に味わうことができる。▼監修は宇宙物理学を世界的にリードしている東京大学の佐藤勝彦教授。文庫書き下ろし。
●序章 量子論の世界へようこそ ●第1章 量子の誕生 量子論前夜 ●第2章 原子の中の世界へ 前期量子論 ●第3章 見ようとすると見えない波 量子論の完成 ●第4章 自然の本当の姿を求めて 量子論の本質に迫る ●第5章 枝分かれしていく世界 解釈問題を追う ●第6章 究極の理論へ向けて 量子論が切り開く世界
他人の眼が気になってしかたがない。つい心にもないお世辞を言って後悔する。弱音を吐くことに罪悪感を感じる……あなたを苦しめる感情の「正体」は、心の奥底に抑圧された“依存症”だった。▼本書は、現代人の心の深部のゆがみを、幼少期の親子関係までさかのぼって解明し、自然な感情のままに生きることの大切さを説き明かす心の手引書。▼幼い頃に家庭内の温かな心のふれあいがなかった人は、自分を抑えて周囲の期待に沿わなければ愛情を得られないと思い込んでいると著者は言う。そこで「尽くすことでしか相手と関係を維持できないのは、人から尽くされたいという激しい欲求」「外面のいい人は些細なことで不機嫌になるのは、甘えの欲求を素直に表現できない苛立ち」など、自分の中で満たされなかったものの本質に気づき、偽りの生き方をやめるヒントを具体例と共に紹介。▼五月病にも効果てきめん! 悩み多きすべての人に贈るベストセラー、待望の文庫化。
●人づきあいが苦しいのはなぜか ●「甘えの欲求」は心の秘密をとく鍵である ●不安なのは本当の自分が見えないからである ●なぜかイライラしてしまう人は人生全体の方向が間違っている ●人を愛し、人から愛される能力 ●自然の感情があなたをよみがえらせる ●自分を大切にすることからすべてが始まる
「自分一人ぐらいは」という心理が集団全体にとっての不利益を引き起こす社会的ジレンマ問題。違法駐車、いじめ、環境破壊等々、現代社会で起こっている多くの問題はこの「社会的ジレンマ」と見ることができる。▼著者は数々の調査・実験・シミュレーションから、人間は常に自分の利益を大きくすることだけを考えて「利己的」な行動をとるわけではなく、多くの場合、「みんながするなら自分も」という原理で行動することを明らかにした。そしてこの「みんなが」原理こそが人間が社会環境に適応するために進化させてきた「本当のかしこさ」ではないかと指摘する。▼『信頼の構造』『安心社会から信頼社会へ』などの話題作を発表し、心と社会との関係について、認知科学・心理学・社会学・経済学など多方面からユニークな研究を展開する著者。本書も、これからの社会や教育のあり方を考える上で、お説教的な精神論の限界を乗り越える重要なヒントを与えてくれる。
●第1章 イソップのねずみと環境破壊 ●第2章 社会的ジレンマの発生メカニズム ●第3章 不信のジレンマと安心の保証 ●第4章 ジレンマを居きる ●第5章 「かしこさ」の呪縛を超えて ●第6章 社会的ジレンマの「解決」を求めて
日本はなぜ大東亜戦争を戦うことになったのか。国家存亡の危機にあって、日本人が守り抜こうとしたものは何であったのか。本書で著者は、明治維新から日清・日露戦争を経て、大東亜戦争にいたる歴史を凝視しつつ、大東亜戦争は「自存自衛の受動戦争」であったという立場から、苦悩する近代日本の姿を鮮やかに叙述する。二十一世紀に継承すべき「志」と「精神」を問いかける、国民必読の一冊。
もうすぐ21世紀である。携帯電話、インターネット……など、世の中は、日々、便利な物で埋め尽くされて行く。しかし、そんな中にあって、私たちの人生は、本当に「生きやすく」なっただろうか。刻々と移り変わる現実の中で、かえって生き惑っていないだろうか……。本書は、そのような疑問を抱く人々に、自分本来の価値を見つめ直す機会を与えるために書かれた、ベストセラー『生きがいの創造』に続く人生論である。▼本書の読者であるあなたは、案内役である著者が計画した道のりにしたがって、「本当の自分を探し出す旅」に出る。著者の案内に、時には共感し、時には疑問を感じ、時には反発しながら、あなたは、どんどん自分自身の本質を発見して行く。という構成になっている。▼世界の先達による、人生についての深い考察によって生まれた、数々の珠玉の知恵、言葉をひもときながら、わかりやすく説き明かす、悩める人必読の、人生論の決定版である。
●序章 生きがい論の基本原理 ●第1章 自然環境との関係 ●第2章 現実と真理の本質 ●第3章 人間性の本質 ●第4章 人間行動の本質 ●第5章 人間関係の本質 ●終章 本書を世に問う理由
その生涯を、神への信仰と貧者の救済に捧げたマザー・テレサ。宗教、民族、社会的地位を超えて差し伸べられた手には、どんな思いが込められていたのだろうか?▼本書は、マザーが様々な活動の中で、共働者やシスターに語った言葉やエピソードを編んだ語録集。生前親交があり、自らもシスターである渡辺和子氏が、マザーの気持ちに忠実に、わかりやすく翻訳している。▼「愛は、この世で最も偉大な贈り物なのです」「救われるためには、神さまを愛すること。そして何よりもまず祈ること」「親切にしすぎて間違いを犯すことの方が、親切に無関係に奇跡を行うことより、好きです」「死を迎える時に、愛されたと感じながらこの世を去ることができるためなら、何でもしたいと思っています」など、神との深い一致を実践する中で語られた思いの数々と、その魂の軌跡をたどり、愛の真理を説く。▼世界中が悼んだ逝去から3年。改めて、本当の豊かさとは何かを考えさせられる一書。
●聖なる人となること(聖性) ●祈り ●寛大さ ●貧しい人々の中にいるキリスト ●愛 ●家庭と家族 ●徳について ●マリア ●生と死 ●ほほえみ ●お金 ●苦しみ ●淋しさ ●神とキリスト ●使命
ぞうのパオちゃんと仲間たちの、大人気小型えほんシリーズ19冊目の最新刊。▼本巻のテーマは、お散歩です。パオちゃんたちは、公園へ出かけます。▼紅葉がきれいな秋の公園。葉っぱもいっぱい落ちています。たくさん集めて葉っぱのお布団。みんなでお昼寝していると、急に風がふき、布団は飛ばされてしまいます。▼「まてまてー」パオちゃんたちは葉っぱと一緒にくるくる回りながら追いかけます。だんだん、目が回ってきて、やっととまったと思ったら、アヒルちゃんがいなくなっちゃった!小さいから風に飛ばされてしまったのです。▼そのとき、パオちゃんの鼻に葉っぱが落ちて、はーっくしょん。葉っぱに埋もれていたアヒルちゃんは無事見つかりました。▼どんぐりも出てきて、みんなはどんぐり拾い。お家に帰ってからも、どんぐりを使ってたくさん遊んだんですよ。▼見返し頁には、どんぐりを使った遊びを8つ紹介。ぜひ、お子さんと一緒に作ってみてください。
いまだ不況感が漂う日本経済の中にあって、いまも次々と新事業に挑戦し、成果を上げ続けている稲盛和夫。しかし、そんな稲盛にも悩みがなかった訳ではない。▼米国の電子部品メーカーを買収した際、京セラを成長させてきた経営理念・経営方針に従って現地でも会社を運営して欲しいと米国の経営幹部に求めた。ところが、個人主義が徹底した米国には、日本的経営をベースにした稲盛の経営哲学は容易に受け入れられなかった。▼稲盛は自らが講師となり、京セラの経営哲学を説き、細細とした質問にも誠意をもって答えた。その結果、感動のうちに理解を得られたのである。▼本書は、その稲盛と米国側経営責任者達との勉強会のテーマとなった「人生とはいかにあるべきか」というまさに哲学的な問題から、企業の使命、働き方の指針まで、稲盛の経営哲学をまとめたものである。しかし、それは一企業人に止まらぬ普遍的な人生とビジネスの成功哲学であることはいうまでもない。
[1]人生で成功するには ●成功のための方程式 ●能力 ●熱意 ●考え方 [2]ビジネスで成功するには ●情熱 ●利益 ●願望 ●誠実さ ●真の強さ ●創意工夫 ●積極思考 ●決してあきらめない