▼ムスリムの日常の生活を規定するイスラーム法(フィクフ)を、ジェンダー視点で読み解く。
▼ムスリムの家庭における、父と母、子どもの関係やあり方を知るための重要な一冊。
イスラーム教徒の社会生活の規範を形作ったイスラーム法が、いかに「子ども」や「家族」を規定していたのか。
神の教えに基づく共同体の形成が目指されたイスラーム社会においては、共同体の未来たる子どもたちをいかに育てるかは重要な関心事であり、本書ではその具体的な生活指針を記す古典イスラーム法学書を中心に、子どもと周囲の人々をめぐる記述を分析。ジェンダー視点から、イスラーム法における家族像を探る。
序論
1 法学書を子ども観から読み解くーー本書の目的
2 本書の特徴と意義
3 イスラーム法学書の歴史と概要
第一章 人間の成長段階と法的能力
1 イスラーム法における子どもの概念
2 身体的成熟と法的能力の変化
3 弁識能力という指標
4 未成年者としての「子ども」と法的能力
第二章 父の権限と子への義務
1 実子の確定
2 子の宗教と新生児儀礼
3 父子相互の権利と義務
4 父は子に対して絶対の権限をもつのか
5 父という存在の考察
第三章 母の役割と「子の利益」
1 母の授乳は義務なのか
2 乳母の雇用をめぐる問題
3 監護をめぐる母の権利と子の権利
4 「子の利益」を守るという価値観
第四章 子どもへのクルアーン教育
1 子どもへの教育を示す言葉
2 クルアーン教師の雇用規定
3 マーリク派法学者による教育専門書
4 マーリク派法学者の教育論
5 ムスリム社会の担い手としての子どもたち
結論ーーイスラーム法の子ども観が映すもの
あとがき
注
参考文献
索引
視点を変えるとこれほど違う新たな日本が見えてくる。歴史学における“ジェンダー主流化”への一里塚。
プライド・パレードの参加者は数万人。首相はじめ、同性婚をした大臣など、たくさんの政治家も参加する。
若者たちはメディアが押し付けるジェンダーロールを批判し、国営放送ではポルノの虚構ではなく、一般公募のカップルのセックスを放映する。
そんなノルウェーにも、Me Too の波がやってきた。
次々と暴露される、各界でのセクハラ被害。問題は政界にも広がり、未来の首相候補といわれる政治家への告発も次々とよせられる。
ジェンダーギャップ指数世界3位のノルウェー。さらなる性の平等を求める現地をレポートする。
教育におけるジェンダー問題は、公平さをいかに図るか、公平さとは何かという問いをめぐり展開している。本書ではムスリム女性の教育の歴史と現状から、教育における女性像や家族像、社会に埋め込まれたジェンダーに至るまでを各地域の事例をもとに考察する。
「イスラーム・ジェンダー・スタディーズ」シリーズ刊行にあたってーー3『教育とエンパワーメント』
はじめに
第1部 【歴史編 女子教育のための改革・思想・運動】
第1章 公平と配慮ーーオスマン帝国とトルコ共和国における教育と性差[長谷部圭彦]
コラム1 女子教育と女性教師の伝統ーーオスマン帝国の場合[秋葉淳]
第2章 イランにおける近代女子教育の成立[山崎和美]
第3章 戦間期(1918〜39)の仏領アルジェリアにおけるムスリム女性解放に関する言説ーー原住民小学校教員組合の機関誌分析から[マルコ・ソッティーレ]
コラム2 ビント・シャーティウーー近代と伝統のはざまで[池田美佐子]
第4章 マレー・ムスリムの女子教育はなぜ必要とされたのかーー世紀初頭から1960年代までのマラヤにおける女子教育観の錯綜[久志本裕子]
第5章 インドネシアにおけるムスリマのためのスカウト運動の誕生と展開[服部美奈]
第6章 エジプトのイスラーム女子教育ーーアズハル系女子学校教員の語り[内田直義]
第2部 【現状編 社会変容と教育】
第7章 トルコにおける「敬虔なムスリム女性運動」--宗教学校とスカーフ着用をめぐる二つの流れ[イディリス・ダニシマズ]
コラム3 イスラームにもとづくセクシュアリティ教育教材の開発ーーオランダにおけるムスリムの挑戦[見原礼子]
第8章 庶民の夢は潰えたのかーーエジプトで進む教育のダブルスタンダード化[鳥山純子]
第9章 カタールにおける欧米系外国大学分校とイスラーム女子学生の就学[中島悠介]
コラム4 ジェンダーギャップ最下位の国ーーイエメン[大坪玲子]
第10章 バングラデシュへき地農村におけるジェンダー格差解消への課題ーー教育普及後20年の追跡調査から[日下部達哉]
第11章 マレーシアの公立大学における「リバース・ジェンダー・ギャップ」--進む女性の高学歴化、その光と影[鴨川明子]
第12章 インドネシアの「家族の肖像」--小学生用教科書の中のジェンダー[小林寧子]
コラム5 インドネシアのモスクにおける学習活動とともに生きる女性たち[中田有紀]
コラム6 ウズベキスタンにおける女性の学習とコミュニティー活動[河野明日香]
第13章 中国における女性のためのイスラーム教育ーー差別を超える処方箋か?[松本ますみ]
コラム7 アフガニスタン女子教育支援の経験[原智佐]
寺に生まれ、仏教研究者、そしてジェンダー研究者である筆者。
人間親鸞をこよなく敬愛するがゆえに、宗教的自立を探究するがゆえに、
親鸞における、そして仏教界における女性差別を鋭く問いただす。
日本人の女性差別観の根本を明らかにする画期的な一冊。
「親鸞は、わたしが浄土真宗本願寺派の寺に生まれたときから身近なものでした。
その親鸞、仏教をジェンダーの視点で考えることができたのも、フェミニズムのおかげです。
ジェンダーの視点をもちながら、親鸞思想をよりどころとして生きてきました」(本書「はじめに」より)
はじめに
第1章 東本願寺ギャラリー展での女性差別問題
経過
「大谷派の女性差別を考えるおんなたちの会」シンポジウム
真宗女性のつながり
第2章 わたしのターニングポイントーフェミニズムとの出逢い
専業主婦
フェミニズムとの出逢い
「女人五障」
「変成男子」
第3章 ジェンダーの視点で学んだわたしの課題
家制度
檀家制度下における業論
第4章 「女人禁制」
穢れ
「女人五障」も「女人禁制」
第5章 親鸞思想とわたし
親鸞との出逢い
世俗と仏法
第6章 宗教的自立
宗教的自立を阻むもの
宗教的自立とは
あとがき
すべての女性に捧げるーー真のジェンダーフリーはここから始まる この小さな器官をもっと知れば幸せをつかめる! 喜び、幸せ、愛……。クリトリスは女性に秘められたもっとも美しく偉大な面を教えてくれます。より自信をもてるようになり、素晴らしい人生への扉を自分の手で開けることができるのです。最新研究をもとに、複雑で謎に満ちた器官の秘密を解き明かす。ジェンダー先進国フランス発、女性の新たな生き方を導くライフスタイル・ブック。★世界でのメディア掲載実績・雑誌「アロー・ドクター」 “愛の日、ヴァレンタインにおすすめの一冊 ポジティブなセックスのために”・雑誌「ELLE」2018年3月7日号 “クリトリス、そして女性の性について語ったこの本、皆に読んでほしい!”・健康雑誌「トップサンテ」・助産師専門誌「サージュ・ファム」・「ソワール・マグ」2018年4月3日 ベルギーの新聞「ソワール」紙のWebマガジン。著者インタビュー掲載。 ※コーナータイトルは編集部より翻訳紹介
実務と研究を架橋し、新たな共生社会への展開をはかる、待望のジェンダー法学の研究雑誌。既存の法律学との対立軸から、オルタナティブな法理を構築。第2号は特集「労働法とジェンダー」と題し、この30年間のジェンダー平等・障害者雇用差別禁止法制の発展と現状を検討する8本の論稿を収録したほか、「立法と司法の新動向」として、第4次男女共同参画基本計画策定作業のモニタリンと第3次のそれと比較・検討する論稿も収録。
「労働」をキーワードとして、現代女性の生活状況を、男女共同参画社会・キャリア・家族・育児・介護等をめぐる法制度・事例を踏まえ解説。また、Society5.0実現に向けた取り組みやAI・IoTの導入により変容しつつある社会状況を踏まえ、今後、女性の生活はどのように変化していくのかを展望するとともに、「ジェンダー」という視点を通して社会を見る重要性・意義を解説した一冊。
まえがき
第1部 労働現場でのジェンダー問題
第1章 現代社会と労働──雇用形態・産業・配属部門・学歴別に見た比較から
1 雇用形態別に見た労働者の現状
2 産業別・配属部門別に見た労働者の現状
3 産業別・学歴別に見た男女労働者の違い
第2章 働き方改革と労働者のための法律──労働基準法・パートタイム労働法・男女雇用機会均等法・女性活躍推進法
1 一億総活躍社会の実現に向けて
2 働き方改革
3 労働基準法における規定
4 多様な働き方
5 労働者のための法律の概要
第3章 職場でのハラスメント──セクハラ,パワハラ,妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント
1 セクシュアル・ハラスメント
2 パワー・ハラスメント
3 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント
第4章 キャリア形成──多様なキャリア開発とワーク・ライフ・バランス
1 多様なキャリア
2 リーダーになる
3 IoT社会で求められるリーダー像
第5章 ライフイベントと育児・介護休業法──家族内の役割分担を考える
1 結 婚
2 育児・介護休業法の概要
3 育児・介護休業制度利用者の増加
4 育児・介護休業法と関連する社会保険の概要
第2部 Society 5.0とジェンダー格差
第6章 ダイバーシティ社会とLGBT
1 ダイバーシティ社会実現に向けて
2 ダイバーシティから見た問題点
3 LGBTに対する社会の取組
4 LGBT当事者が求めること
第7章 科学技術の発展とジェンダー格差の解消──科学技術基本法がもたらす効果
1 科学技術基本法
2 ジェンダー格差解消のための事業
3 大学進学時からの支援──女性の理工系進学者を増やすために
第8章 人工知能が仕事を奪う!?
1 人工知能の定義と歴史
2 人工知能の概念
3 事務系作業の人工知能
4 人工知能を基盤とした近未来の働き方
第9章 「便利な社会」がもたらす変容──IoTを基盤としたSociety 5.0での生活と仕事
1 インターネット社会の到来
2 IoTがもたらす社会・生活の変化
3 IoT社会の実現とSociety 5.0
4 新たな価値の創出と人間関係の重視──Society 5.0における仕事で重視されること
あとがき
参考文献
索 引
ジェンダーとエスニシティの交差に、映画が隠蔽/開示(イン/アウト)する欲望とは何か。
スクリーンに表象されるその複雑さに対し、9つの視座からアプローチする。
本書では、映画が映し出すジェンダーとエスニシティの交差を軸に、映画が隠蔽/開示する欲望を考察する。トルコ系ドイツ人移民、インド系英国人女性、アラブ系アメリカ人男性。或いは「日本」というエスニシティ。グローバルな世界の中で、その複雑さは、如何に表象されるのか。そして、そこには如何なる意味が付与され、どのようなメッセージを見出すことができるのか。9つの視座からその困難にアプローチする。
ジェンダー,メディア,アート,ファッションという観点から浮かび上がってくる現代社会とは?
学術・アート・ファッションといった様々な分野で活動する専門家らが今世紀の新展開を見据え,現代社会の多様性と創造性を論じる。明治大学情報コミュニケーション学部ジェンダーセンターの運営委員として携わってきた編者たち等が中心となり, 学内外の研究者と共同で行った研究成果。
デジタル社会の新地平を探る
序文 牛尾奈緒美
第1部 今世紀転換期のジェンダー研究
第1章 日本におけるジェンダー研究の新展開ーー非正規化と多様化の中で 江原由美子
第2章 フェミニズムにおける過程的インターセクショナリティと闘争ーードイツと日本の比較 イルゼ・レンツ [訳者:加藤穂香]
第3章 歴史学におけるジェンダー研究の展開ーーアメリカ史の場合 兼子歩
第4章 スポーツ・ジェンダー学における新展開 來田享子
第5章 日本における性的マイノリティ受容の陥穽 風間孝
第6章 セクシュアル・ハラスメント研究のこれまでとこれから 高峰修
第2部 デジタル社会における多様性とメディア,アート,ファッション
第1章 メディア論と芸術の変容 大黒岳彦
第2章 メディアアートの過去・現在・未来ーーキュレーターの軌跡から 四方幸子
第3章 デジタルテクノロジーとジェンダーーーソーシャルメディア,データ,人工知能をめぐる権力論に向けて 田中洋美
第4章 デジタル社会におけるファッションメディアとジェンダー表象 高馬京子
第5章 社会現象としてのファッションーーデジタル化により加速する記号化 小石祐介
対談1 生命・身体・社会へーー境界を問うアートの新地平 森永邦彦/シャルロッテ・クロレッケ/岩崎秀雄/シュー・リー・チェン/四方幸子
対談2 日常,アイデンティティ,メディアーー境界を問うファッションの新地平 アニエス・ロカモラ/小石祐介/門傳昌章/高馬京子
明治大学情報コミュニケーション学部ジェンダーセンター沿革・活動記録 作成:石田 沙織
暴力や戦争を批判的にとらえ、考察していく上で、フェミニズムやジェンダー論のもつ意味は大きい。本巻は、「暴力」の歴史を問い直し、その構造や行使される過程をジェンダーの視点から明らかにすることにより、歴史の新たな側面に光をあてる。
男でもなく、女でもない、人の性は身体のどこで、どのように、生成されるのか!?生物学者が案内する新たな性の編成へ。
実務と研究を架橋し、新たな共生社会への展開をはかる、待望のジェンダー法学の研究雑誌。既存の法律学との対立軸から、オルタナティブな法理を構築。創刊号は特集「ジェンダー法教育と司法」と題し、司法分野におけるジェンダー法教育の現状と課題にせまる6本の論稿を収録したほか、「立法と司法の新動向」として、婚外子差別に関する裁判・立法・行政の動向を紹介する論稿も収録。
琉球大学国際沖縄研究所が主体となって5年計画で進めてきたプロジェクトの成果を集成する全3巻シリーズ。最終巻となる第3巻では、沖縄から広がる境域の文化とアイデンティティの混淆に焦点をあてる。
ジェンダーギャップの基本を図解でわかりやすく解説した入門書です。ジェンダーについては高校までで学ぶようになりましたが、すでに社会人になっている人はきちんと学ぶ機会があまりありませんでした。そこで最低限の常識として知っておいてほしいことをコンパクトにまとめています。正しい知識を身に付けることで、あらゆる年齢性別の人が職場や家庭でよりよい関係を築けることを願います。
CHAPTER1 ジェンダー入門
CHAPTER2 日本の職場の現状
CHAPTER3 職場とジェンダー
CHAPTER4 結婚とジェンダー
CHAPTER5 子育てとジェンダー
CHAPTER6 性的マイノリティとジェンダー
CHAPTER7 ハラスメント
CHAPTER1 ジェンダー入門
CHAPTER2 日本の職場の現状
CHAPTER3 職場とジェンダー
CHAPTER4 結婚とジェンダー
CHAPTER5 子育てとジェンダー
CHAPTER6 性的マイノリティとジェンダー
CHAPTER7 ハラスメント
◆実務と研究を架橋し、新たな共生社会を拓く【ジェンダー法学】の専門誌◆
第6号は2つの特集、1「LGBT/SOGI施策」に6論文(谷口、遠藤、神谷、二宮、鈴木賢/TAKACO、鈴木秀洋)、2「子の面会交流」に企画趣旨と3論文(山崎、高田、光本)、シリーズ「比較家族法(2)」では4論文(二宮、渡邊、小門、石嶋)、「立法・司法の動向」は、敗訴判決にスポットを当てて一石を投じる浅倉論文と、選択的夫婦別姓の動向(二宮)を掲載。最新テーマで迫る。
京マチ子から渡哲也、山田孝之、そして綾瀬はるかまでーー。
俳優たちが体現し、破壊し、そして生み出された「女らしさ/男らしさ」とはなにか?
ジェンダー・セクシュアリティのあり方、「女らしさ/男らしさ」の価値観が一変した戦後日本。移りかわる理想像を俳優たちはいかように体現し、人びとはそこから何を見出したのか。古典から近年の話題作まで、映像内の身体表現を俊英がつぶさに読み解き、浮き彫りにする。
おしゃれな女性なら誰でも出かける、
魅惑のロンドン、ウェストエンド !
お買い物は女性の気晴らし?
どのようにウェストエンドは、
「大量消費の場」、「買い物と娯楽の中心」となり、
中・上流階級の女性の娯楽、社交生活、政治の拠点となったのか──。
──百貨店の誕生から、既婚女性財産法、フェミニストの運動、
演劇と女性のショッピングとの結びつき、
そして、ショーウィンドウを粉々に割った女性参政権運動まで──
19世紀〜20世紀初めのロンドンで、
女性たちがどのように「家庭」という女性の領域から、
「街」という公的領域に飛び出し、
ショッピング(娯楽)を楽しむようになったのかを明らかにする。
経済と文化における女性の役割の本質を理解する、
19世紀イギリス史(特にジェンダー史、消費文化史)研究の必読書!
はじめに──「ロンドンをひとりで歩くということ」
………………【訳:成田芙美】
第1章 「誘惑の間」──ユニヴァーサル・プロヴァイダーと
郊外という娯楽
………………【訳:佐藤繭香】
第2章 消費の裁判ーー結婚、法律、
女性の信用買い(クレジット)
………………【訳:三井淳子/東洋大学非常勤講師】
第3章 「街歩きのご婦人方のための休憩所」
--フェミニズムと公的領域における快適
………………【訳:佐藤繭香】
第4章 大都市めぐり──ウェストエンドを読む、買う、
旅する
【訳:藤田昇代/埼玉工業大学工学部基礎教育センター非常勤講師】
第5章 「買い物の新時代」
──エドワード朝ロンドンにおけるアメリカ式百貨店
【訳:坂口美知子/獨協医科大学基本医学 語学・人文教育部門講師】
第6章 消費という行動──ミュージカル・コメディと
交換の欲望
………………【訳:佐藤繭香】
おわりに──板ガラスの政治
………………【訳:成田芙美】
2018年から小学校、2019年から中学校の「特別の教科 道徳」の授業が始まった。使わざるを得ない教科書の批判的読みの中から教材に含まれる「いじめと人権の問題点」を明らかにし、道徳授業の実践的な進め方、授業のつくり方を提案する。