小学校四年生のさよは、母さんと二人暮らし。ある日、図書館で出会った『七夜物語』というふしぎな本にみちびかれ、同級生の仄田くんと夜の世界へ迷いこんでゆく。大ねずみのグリクレル、甘い眠り、若かりし父母、ミエル…七つの夜をくぐりぬける二人の冒険の行く先は。
まもなく、日本の高齢者の9割が下流化する。本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。そして今、日本に「下流老人」が大量に生まれている。この存在が、日本に与えるインパクトは計り知れない。
北関東のある町で、中学二年生の名倉祐一が転落死した。事故か、自殺か、それとも…?やがて祐一が同級生からいじめを受けていたことが明らかになり、家族、学校、警察を巻き込んださざ波が町を包む…。地方都市の精神風土に迫る衝撃の問題作。
小説家の父、美しい母、そして瀬戸内寂聴をモデルに、“書くこと”と情愛によって貫かれた三人の“特別な関係”を長女である著者が描き切る、正真正銘の問題作。作家生活30周年記念作品。
肺ガンで、余命半年という宣告を受けた48歳のサラリーマン、藤山幸弘。死を迎えるまでの半年を何に費やすかー。「自分の人生と関わった人に、“遺書”を残したい。遺書のスタイルは様々あっていい。死ぬことより、忘れられることのほうが怖い」と決意した藤山は、思いを伝えられなかった初恋の人や、若き日にケンカ別れした旧友をはじめ、過去の忘れがたい人々を訪ねてゆく。秋元康が初めて挑んだ新聞連載小説の文庫化。
われわれはいつから「政治」に興味がなくなってしまったのだろうかー。政治は、もはや遠い世界の出来事ではない。ウェブを駆使して社会を動かせる時代は、もうそこまで来ている!本書では動員の革命、政治家のSNS利用、ネット選挙、オープンガバメントなど、近年のめざましい動きを追い、「どうせ何も変わらない」という閉塞感を抱えた現代人へ向け、ネット界の寵児が政治への新しいアプローチを説く。
アメリカの中高生が学ぶマネーのしくみ!ビットコイン、ユーロとドル、ヘッジファンドーきちんと説明できますか?
いい書評とダメな書評の違いは?書評の役割、成り立ちとは?一億総書評家時代の必読書。
座敷わらしの存在に戸惑いつつも、高橋一家は家族の絆を取り戻していく。彼らを目覚めさせたのは、悲しい座敷わらしの言い伝えだった。本当の幸せに気付いた五人は、それぞれに新しい一歩を踏み出してゆく。家族の温かさと強さが心に響く、希望と再生の物語。
平安の昔、石や虫など自然と通じ合う力を持った風穴たちが、女院八条院様と長閑に暮らしておりました。以来850年余。国の規制が強まり監視ドローン飛び交う空のもと、カザアナの女性に出会ったあの日から、中学生・里宇とその家族のささやかな冒険がはじまったのです。異能の庭師たちとタフに生きる家族が監視社会化の進む閉塞した時代に風穴を空ける!心弾むエンターテインメント。
吉田くんとのデートで買ったチョコレートバーの味、熱帯雨林にすむ緑の猫への憧れ、年上の女の細くて冷たい指の感触…。17歳の気持ちを、あなたはまだおぼえていますか?10人の女子高校生がおりなす、残酷でせつない、とても可憐な6つの物語。
警視庁特命係ー“陸の孤島”“人材の墓場”と呼ばれるこの窓際部署に所属するのは、切れすぎる頭脳をもつ変わり者の杉下右京と、熱血漢で人情家の亀山薫、ふたりだけ。右京の深く鋭い推理と、薫の神憑り的な山カンで、様々な難事件を解決していく。人気ドラマ待望のノベライズ!連続ドラマ以前のプレシーズン3話を収録。
これは、最期のその瞬間も「私」より「公」を思ったすごい日本人たちの物語だ!靖國神社全面協力「英霊の言乃葉」初の選集。
家の中は綿埃だらけで、洗濯物も溜まりに溜まり、生え際に出てきた白髪をヘナで染める時間もなく、もう疲労で朦朧として生きているのに母は死なない。若い女と同棲している夫がいて、その夫とのことを考えねばならないのに、母は死なない。ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?親の介護、姉妹の確執…離婚を迷う女は一人旅へ。『本格小説』『日本語が亡びるとき』の著者が、自身の体験を交えて描く待望の最新長篇。
人工呼吸器を着けながらも自由を貫いた重度身体障害者と、生きる手ごたえを求めて介助に通う主婦や学生ボランティア。ともに支え合い、エゴをぶつけ合う、そこは確かに「戦場」だったー。札幌在住の大型新人が放つ渾身の長編ノンフィクション。
友だちを殺めたのは、11歳の少女。被害者の父親は、新聞社の支局長。僕は、駆け出し記者だったー。世間を震撼させた「佐世保小6同級生殺害事件」から10年。-新聞には書けなかった実話。第十一回開高健ノンフィクション賞最終候補作を大幅に加筆修正。
議論を描けば会議が変わる!ミーティングやワークショップを効果的に進行する必須スキルを豊富なビジュアルを用いて解説する初めての入門書。
ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は“コートの男”を追う。しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。“コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。人間存在を揺るがす驚愕のミステリー!
この人たちと働きたい。「良い経営者」22人の資質と人間的魅力に迫る。
つぎに「くる」といわれ続けて10年の万年初版作家・青田耕平は小学生の息子と二人暮らし。将来への不安は募るばかりだが、ついに直木賞の候補に選ばれる。周囲の変化に戸惑う耕平。だが一方で3年前に不可思議な交通事故で死んだ妻を忘れることができない。「あれはほんとうに事故だったのだろうか」。寂しさから逃れられない父と子がたどり着いた妻の死の真相とは。変わりゆく親子の変わらない愛情を描く、感涙の家族小説。家族の愛情が孤独な魂を包み込む渾身の感動大作。