一族の家業であった繊維業界に材を取った、構造変化に伴う新旧のあつれきをえぐるスリリングな人間ドラマであり、産業小説でもある表題作をはじめ、自伝的要素の濃い未刊行小説四編。
命を賭して信じる道に突き進めぬ者が、どうして士族を名乗れようか。久保田宗八郎は、虚しさを感じていた。株式会社、開かれた言論、徴兵制度。西南戦争前夜、すべてが急速に欧米化してゆく。銀座煉瓦街で親しく交わる、若様、巡査、耶蘇教書店主。そして、深い縁で結ばれた元遊女比呂と、互いに恋情を確かめ合った可憐な綾ー。名手が、時代に翻弄される人びとの哀しみを描く。
十年ぶりに戻った祖国は、まるで無道の国だった。ジョン万次郎がそんな幕末の世で果たそうとしたことは何だったのか…。
12年前に爆死したはずの兄が花火を打ち上げる?高瀬千津琉の依頼で博多に同行した大鷹鬼平巡査が見たのは伝説の大花火と男の射殺死体。伊予大洲、市川大門、花火の里をめぐって明かされる12年前の謎。鬼平は千津琉を救い、事件を解決できるか?好調シリーズ第3弾。
写真という表現手段で、一瞬に咲いて、一瞬に消え闇にもどる“一瞬”を定着させたこの写真は、カメラという魔法のボックスに工夫のボックスを加えて撮られたものである。
北欧から南仏まで、フェラーリ、プジョー、メルセデスと車を乗り継いでの痛快な道中。つかの間の人生の輝きを求めて、疾走する、めくるめく物語。
1985年9月11日、彼女は27歳の若さで星になった。惜しまれて逝って6年、7回忌にはじめて世にでる写真集。