奴隷制、南部再建期、黒人の大移動、公民権運動…『パラダイス』で読み解くアフリカ系アメリカ人の歴史。白人によって書かれた「黒人不在の歴史」に異議を唱え、作品で歴史の再構築を試みるトニ・モリスン。アメリカ建国から200年目で物語が始まる『パラダイス』に描かれる「黒人の歴史」を読み解き、モリスンの創作世界に迫る。
まちにアートがやってきた! 県庁担当職員が見た
3年に一度の都市型芸術祭=トリエンナーレの政策と意義
あいちトリエンナーレ。この10 億円以上の税金を使う大がかりなアートプロジェクトの方向性は正しいのか。横浜や神戸のように都市型芸術祭を創造都市政策上に位置づけたからといって、必ずしも継続性が担保されるわけではない。このような文化事業は首長の交替や経済情勢などにより容易に政策転換されてしまう可能性がある。
著者は愛知県職員として、2009 年からあいちトリエンナーレの隣接都市空間の展開と企画コンペを担当。メーン会場となった名古屋市中区長者町地区では、トリエンナーレをきっかけに地区内外で若者らのコミュニティが次々と生まれ、その数、自発性、変容のスピード感などが、他のアートプロジェクトに比べ半歩抜きん出ているように思われた。その一方であいちトリエンナーレ開催後、札幌市・さいたま市・京都市など多くの都市型芸術祭が新たに開催・計画されたが、これらの国際展に対して均質化・陳腐化が指摘されている。
本書は、長者町地区で起きた地域コミュニティ形成の面での効果と「トリエンナーレが何を目指すのか」、ひいては都市型芸術祭の今後の方向性に焦点を当て、その意義と継続の道筋を示す。
【目次】
第1章 都市型芸術祭の比較
1990年以降のアートプロジェクトの展開/都市型芸術祭の流行と都市政策上の位置づけ/継続する仕組みの検討と今後の方向性/都市型芸術祭(国際展)とアートプロジェクト/経営政策と政策/効果とアウトプット・アウトカム・インパクト
第2章 あいちトリエンナーレの政策決定から開催まで(2006-2009)
課題設定過程ーなぜ政治の議題として浮上したのか/「愛知の文化芸術振興に関する有識者懇談会」の政策立案過程/ 文化芸術課の政策立案と知事の政策決定過程
第3章 あいちトリエンナーレ2010開催とその後(2009-2013)
2010開催の効果/2010開催により長者町地区で何が起きたのか/ソーシャルキャピタルによる分析/まちはなぜアートを受け入れたのか
第4章 あいちトリエンナーレ2013開催とその後(2013-2015)
2013開催の政策決定と長者町地区の動向/2013開催の効果/2013開催により長者町地区で何が起きたのか/2013長者町会場の分析/今後の課題
第5章 トリエンナーレは何をめざすのか
あいちトリエンナーレの政策評価/都市型芸術祭は何をめざすのか
ビジネスにおいて芸術(アート)の必要性が増してきている。その際に鍵となるのが、デザインやブランドを通してアートをビジネスにつなげる「プロデューサー」の役割である。アート・プロデューサーの意義・必要な要件を解説する。
デューイが「経験概念」を駆使してまとめた芸術論の集大成。社会を変革するものとしての芸術、鑑賞をかぎりなく楽しくする芸術へと読者を誘う。
生き物
生き物と「霊妙なもの」
一つの経験をするということ
表現活動
表現的事物(作品)
本体と形式
形式の自然史
エネルギーの組織化
すべての芸術に共通する本体
芸術の多様な本体
人間の貢献
哲学に対する挑戦
批評と知覚
芸術と文明の進歩
地域住民とアーティストの共同制作など、2000年以降の大阪の文化政策を契機に生み出された〈芸術運動〉の調査から、文化政策の現状、創造の現場が直面した困難と可能性、アクティヴィズムとの連関を論じて、社会を変える契機になる芸術活動のあり方を照らす。
はじめに
第1章 地域文化の担い手たち
1 C/P(カルチャーポケット)
2 大阪市芸術文化アクションプラン
3 アートプロジェクトの記録とメディア
第2章 文化政策と市民社会ーー大阪の事例を中心に
1 日本の文化政策
2 大阪市と新世界アーツパーク事業
3 大阪府立現代美術センター
4 芸術と市民社会
第3章 まちなかのアートーーブレーカープロジェクトを中心に
1 美術館からまちへ
2 ブレーカープロジェクト
3 芸術と地域社会
第4章 芸術をめぐる制度とオルタナティヴ
1 大阪の〈芸術運動〉
2 芸術と制度
3 芸術とオルタナティヴ
第5章 創造の現場のコンフリクト
1 芸術の境界をめぐって
2 芸術という労働
3 アクティヴィズムとアート
第6章 文化生産の社会学
1 芸術運動のとらえ方
2 芸術は社会を変えるかーーおわりにかえて
あとがき
ホキ美術館コレクションシリーズ最新刊。写実絵画の殿堂「ホキ美術館」の所蔵品から紹介する精緻で、超リアルな『風景画集』 。
芸術系大学と地域のコラボレーションによる地方創生。
いま全国各地で、文化の創造性を地域発展の原動力とする取り組みが試みられている。
東京藝術大学における「取手アートプロジェクト」。
同じく東京藝術大学と東京都東部地域製造業との連携により新製品開発をめざす取り組み。
金沢美術工芸大学と鯖江市の眼鏡産業の連携。
京都市における芸術系大学と小中学校、地域との連携事例。
本書は、芸術系大学が市民・地域産業・公共団体との連携、協働のなかで、新しい時代の地域イノベーションを生み出している事例に着目。市民の芸術への関心や多様な文化資源を活用し地域の新たな発展を考える最新刊。
第1章 わが国の芸術系大学と地域連携
第2章 市民による文化の創造的享受と芸術系大学 東京藝術大学と取手アートプロジェクト
第3章 大都市圏ものづくり産業の振興と芸術系大学 東京藝術大学とTASKプロジェクト
第4章 グローバル化のもとでの地場産業と芸術系大学 金沢美術工芸大学と鯖江市眼鏡産業
第5章 「京都芸術教育コンソーシアム」と芸術系大学
第6章 芸術系大学と市民の創造的協働ーその成果
第7章 文化の創造性を源泉とする地域イノベーションの発展に向けて
アマチュア作陶家のためのろくろの技法書。今までの技法書とは違い、プロの陶芸家がいつも何気なく使っている技を大公開。作品例も、プロの陶芸家が普段創っている、型、デザイン、色ともに洗練された一級品ばかりです。
中世から近現代にわたって、ビザンツ、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココなどの各建築様式を体現しながら、建築家たちによる技術の粋を極めた壮大な大聖堂がヨーロッパの各都市に建設されてきた。外観だけでなく、内部の構造、身廊から祭壇に至る眺め、天井画、装飾、彫刻、ステンドグラスなど、細部まで精密に撮影された美しい写真の数々に私たちは圧倒され、その静寂にひたり、沈黙する。静寂、癒し、至福ーヨーロッパ中を旅する構成で、主要11カ国125都市を網羅し、最も美しく最も重要な151聖堂・教会を収録した、かつてない規模の驚異的な写真図鑑。職人たちの技術と情熱、ヨーロッパ文化の極致ともいえる至宝をくまなく紹介する。
年画は部屋に貼り、新年を祝い楽しむ印刷物。ここには幸福や豊かさを求める庶民の夢や願望が描かれている。中華の伝統文化と価値観・思想が凝縮され、幅広い階層に親しまれている。大衆の文化・娯楽として見過ごされてきた周縁の藝術、中国木版年画の魅力を、約一五〇点のフルカラー図版と絵解きで伝える。
京都国立博物館平成知新館のハシモト流歩きかた。京都がわかる。美術がわかる。こんな国宝があったんだ!
写真が誕生する以前、疾病を記録した細密イラストが雄弁に語りかけるー人々はいかに病気と闘っていたか、患者が社会からどのように見られていたのか。ブリティッシュ・ブック・デザイン・アンド・プロダクション・アワード最優秀作品賞受賞。
アートは「最先端の思考」と「感性の技術」。シリコンバレーのCEOたちが実践。イノベーティブな発想を生む感性の鍛え方がわかる。「現代アート」を通じて、アート思考を訓練する方法。社会をサバイブする真の知性、感性とは何か。
クンデラが愛する、小説、絵画、音楽、映画の数々。ラブレー、ドストエフスキー、セリーヌ、カフカ、ガルシア=マルケス、フェリーニ…。小説を書くことで確信した、モダン・アートへの揺るぎなく、粘り強い擁護のために編まれた、決定版の評論集。
“遊び”の創造で育てあい、育ちあう。
数学と芸術は、どのような共通点をもつであろうか。一般に、絵画や彫刻は目で鑑賞し、感性的に反応するものであり、数学は頭脳と知性で対応するものだ、と言われる。確かに、このような側面もある。しかし、感性と知性という両極端に、これほどはっきりと裁断できるものであろうか。本書は、これらの問題に答えて、パルテノン神殿から現代の抽象芸術まで主に視覚芸術を対象に、そのなかに数学的思考・精神の流れをさぐろうとする。たとえば、シンメトリー、ハーモニー(調和)、プロポーション、運動、構造などの概念を、文化史的・精神史的に考察する。読者は、本書のこのような考察を通じて、人間の創造行為のすばらしさに驚嘆されるであろう。知的スリルに富む、エキサイティングな小篇である。
写真が登場して170年、そこから現代に至るまで、数多くの写真家が新たな表現を求めて多種多様な技法を用い、名作を生み出してきた。第1部:コラージュ、フォトモンタージュ、ディストーション(歪曲)など、写真(イメージ)に手を加えて新たな表現を生み出した作品、第2部:ネガフィルムと印画紙の変遷と、それに関わる表現と技法のバリエーション、第3部:カメラとレンズという撮影機材を駆使したさまざまな表現、という三つのテーマを軸に、写真という表現手段の歴史と現在を、東京都写真美術館所蔵の名品によって辿る。