2000年9月設立の日本認知言語学会(JCLA)の学会誌。今後さらなる進展が期待される認知言語学研究の分野に、大いに貢献することが期待されている。年1回刊。
ナムイ=チベット族が話すナムイ語のゾロ方言音論、語および名詞形態論、動詞形態論、構文、語彙一覧等を記した本格的研究書。
第1章 序論
第2章 音論
第3章 語及び名詞形態論
第4章 動詞形態論
第5章 その他の構造
2000年代、認知言語学は「量的転回」と呼ばれる方法論的転換期を迎えた。内省による分析を基盤に据えながら、仮説の性質に応じて実験、コーパス、統計などを柔軟に組み合わせる実証的研究への羽ばたきである。本書は、空間移動表現の類型論、フレーム意味論、構文文法、メタファー・メトニミーという認知言語学の主要テーマにおける、そうしたアプローチの有効性を示すものである。
本書は、広島大学大学院総合科学研究科教授吉田光演先生が、2020年3月に定年を迎えられるに際し、国内外のドイツ語学・言語学研究者が寄稿した記念論文集である。吉田教授は、言語学者・教育者として多大な功績を残され、多くの言語を対象に専門分野は多岐にわたる。本書に収録された論文は、音韻論、統語論、意味論、語用論から言語教育、コーパス言語学、通訳理論まで様々な分野に広がっており、言語学研究の学際性を例証するものである。
まえがき
学際的科学としての言語学の発展に向けて 吉田光演
Is the OV-VO Distinction due to a Macroparameter? Gisbert Fanselow
Whatʼs Unique in Bavarian Syntax?: Thoughts on the Occasion of a Performance of Bachʼs St Matthew Passion Josef Bayer
The Thetic as Judgment, Integrational Focus, and Predications of Feeling Werner Abraham
The Weakness of the Definite Article in German Elisabeth Leiss and Werner Abraham
定性をめぐってードイツ語と日本語の「主語」 田中愼
再帰構文再考 小川暁夫
提示文における述語と主語名詞句の制限ー「が」を用いた文とドイツ語の提示文の比較 岡本順治
ドイツ語の分裂文におけるesについてー英語やイタリア語とは異なる派生 保阪靖人
擬似複合判断文としての総称文ー「花は咲く」の意味論的考察 藤縄康弘
Dort liegt/liegen eine Menge Bücher auf dem Tisch.-数量表現と動詞の数の一致の背後にあるもの 宮下博幸
Morphosyntax and Prosody in Prepositional Phrases in German Jiro Inaba
フリーソフト「数のおけいこ」の利用によるドイツ語数詞の聞き取りおよび読み上げ時の反応速度の向上について 岩崎克己
日本語及び中国語類別詞の統語的・意味的分析 毛利史生
可能世界意味論におけるmustとhave toの比較ーポライトネスの視点を組み込んで 合田優子
通訳におけるリプロダクションの効果についてー日中通訳を例として 崔春福・李林霏
『懐風藻』極高頻度漢字について 廖継莉
日本語の(代)名詞 - 名詞表現にかかる制約の文脈依存性と前提 橋本将
度数詞nurとalleinの意味的スケールに関する一考察 筒井友弥
「この道を行く」 森芳樹
吉田光演教授 研究業績一覧
あとがき
執筆者一覧
言語教育の教授法と指導理論。カリキュラム開発とシラバス編成。第二言語習得。四技能(聞く、話す、読む、書く)の指導法。コンピュータ支援言語学習。言語教育における教師教育。英文法と発音。言語テスティング、リサーチ・メソッド、基礎統計学。言語学概論:音韻論、音声学、統語論、意味論、形態論など。談話分析。社会言語学:言語社会学、コミュニケーション能力など。心理言語学:学習理論など。約3,500の項目を収録。最新の研究を反映させて約360項目を新たに加えている。
英語の品格を「品」と「格」に分けて解説。丁寧度と正式度を組み合わせた品格度で適切な表現を紹介。あなたの品が問われるビジネス英語をケース別に紹介。気持ちをきちんと伝えられるようになる品格のある感情表現が充実。英語自体の品格を言語学的に分析。雲の上に住むイギリス上流階級が使う正真正銘の品格のある英語を紹介。
19世紀以降の伝統的言語学において用いられた述語1500を解説したもの。排列は術語の日本語訳による五十音順。巻末に古今東西の言語学者420名の経歴・業績を記した人名解説、欧文と和文の総索引がある。-世界最大の言語および言語学の百科全書。
第一級の心理言語学者が邂逅したサプライズ群を蒐集し、筆者の経験も交えながら、解説、考察を加えた手引書として、多岐にわたるテーマは、第1部でミスコミュニケーションや日本人の英語聴解処理など情報処理の諸問題を扱い、第2部で学習原理の基本を踏まえ、知能と言語学習の根源と道標を示す。第3部では、模倣と言語運用のサプライズを垣間見る。いずれも心理言語学徒が成長するための萌芽であり、次代への道しるべである。
社会言語学の各領域におけるトピックを集成し、それぞれの裏付けとなったデータを図表の形にして掲げ、日本語と英語・中国語・韓国語で簡潔な解説を加えた。近年、大学等での授業科目として「社会言語学」が取り上げられることが多くなった。本図集は、そのための教材として新たに編修したものである。日本語をもとにして、英語、中国語(繁体字)、韓国語による要約も掲げているので、対照しつつ外国語学習としても活用できよう。
認知・機能言語学の代表的アプローチの見取り図。ラネカー、ゴールドバーグ、ヴィエルジュビツカなど新しい言語科学の世界を果敢に切り開いてきた学者たちの代表的な論文10篇を集めた論文集。日本で本格的な紹介がなかったギヴォン、クロフト、チェイフ、ホッパー、ヴァン=ヴェイリンも収録。発達心理学、言語習得の分野で多大の業績をあげているトマセロが「マイベストCD」の感覚が編集したというオールスター論文集。各論文の冒頭に日本語版オリジナルの解題を付す。英語学、日本語学を問わず言語学関係者必読。
学習心理学と言語心理学を1冊で学べる概説書。「学習・言語心理学」のテキストとしても最適。基本的に見開き2頁完結の形で構成しており、見やすく、読みやすくなっている。
序
第1章 学習と言語の心理学
第2章 生得的行動・初期学習・馴化
第3章 古典的条件づけ1
第4章 古典的条件づけ2
第5章 オペラント条件づけ1
第6章 オペラント条件づけ2
第7章 さまざまな学習
第8章 言語の諸相
第9章 言語の獲得
参考図書ーより深く学びたい人のために
引用文献
音変化、連濁、言い間違い、アクセントの変化など、日本語の音声をめぐる素朴な疑問について丁寧に検討し、音韻論の基本的な考え方と分析方法を解説。日常使う言葉に見られる面白い現象を豊富に盛り込んだテキスト。
外国語教育学や第二言語習得の論文において多く使われている手法を網羅的に紹介し、
実際に論文を書く時に活用できるようわかりやすく丁寧に指南したベストセラーの増補版。
調査的面接法入門の章と、構造構成的質的研究法(SCQRM)入門の章が新たに加わったばかりでなく、
質的な研究手法の以外にも、カッパ係数やSEMのFit 指標の表も盛り込まれています。
研究を志す大学院生、中学・高等学校教員、大学教員、教育産業従事者に必携の一冊。
今回の増補のポイント!
☑︎APA第7版に完全対応
☑︎新たに「ベイズ統計入門」「量的手法のさまざまな展開」の章を追加
社会の多様性と言語との相関,多様な展開を見せる社会言語学の広がりと発展,そして次代への新たな方向を示す。〔内容〕言語による対人関係の構築,言語の相互行為,コミュニケーションの諸側面,言語と社会制度,社会的構築物など。
序章 [井上逸兵]
第1章 変位理論で見る日英語のバリエーション [松田謙次郎]
変位理論とは?/変位理論で何がわかるか(1):日本語/(2):英語
第2章 法と言語 [堀田秀吾]
法と言語と法言語学/実際の分析例
第3章 メディア翻訳の社会言語学 [坪井睦子]
グローバル社会とメディア翻訳/国際ニュースにおける翻訳の介在/引用・伝えられた発話・翻訳/メディア翻訳とイデオロギー/中東報道とメディア翻訳:前イラン大統領アフマディネジャードの発言/メディア翻訳研究と社会言語学的課題
第4章 報道の社会言語学 [多々良直弘]
メディアにより創られるニュースと文化的価値観/テレビ報道におけるコミュニケーション行動/スポーツ実況中継の日英比較
第5章 マルティモーダルの社会言語学 [片岡邦好]
マルティモーダルの社会言語学にむけて/データおよび分析方法/分析と考察
第6章 字幕・吹替訳ディスコースの社会言語学 [井上逸兵]
字幕・吹替翻訳の特性/コーパス化とアノテーションの諸問題/ポライトネス研究の射程/日本語の非対話/さらなる展開
第7章 社会語用論 [小山 亘]
社会語用論とは何か/言語間比較と社会文化間比較/英米「標準語」の比較社会語用論/クラス・教室と階級,エスニシティ,そして移民の言語/日本的再生産とその言説
第8章 社会統語論の目論見 [吉川正人]
統語論とは何か/「社会」と「文法」の接続/社会統語論の目論見