◆実務と研究を架橋し、新たな共生社会を拓く【ジェンダー法学】の専門誌◆
第7号は3つの特集から成る。〈特集1〉女性差別撤廃条約40周年に4論文(秋月、山下、浅倉、軽部)、〈特集2〉ノルウェーにおける性の多様性に1論文(矢野)と講演の翻訳(矢野・齋藤)、〈特集3〉DSDsを考えるに2論文(ヨ・ヘイル、石嶋)を掲載。「立法・司法の動向」は、「日本学術会議の提言の意義」として性暴力に対する今後の刑法改正に向けた重要な提言(後藤)。最新テーマで迫る。
〈他者は「私」の影でしかないのでも、「私」が他者の影でしかないのでもない。他者はその人自身の影を持つ、もう一人の人間なのだ〉
フロイトのエディプス・コンプレックス論にも見られるとおり、草創期の精神分析では、男性を主体(=能動)とし、女性を客体(=受動)とする構図で理論が積み上げられた。しかし、時代とともに女性をとりまく環境と女性のあり方が変化し、フロイトの女性論は今日まで多くの対立を生んできた。
ベンジャミンはこうした精神分析の男性中心主義の乗り越えに、女性固有の優位点を謳い上げ、女性の権利を振りかざすことはない。問題の根源は、精神分析の「一人の人間がどのように環境や周囲の人間を利用し、うまく折り合いをつけ、最終的に自分の欲望を満たすか」という一者心理学的な基本姿勢にあるのである。
フロイトの女性論、そしてそれに向けられたフェミニズム思想の批判的言説を再検討し、対立を乗り越える共通の基盤を切り開く。精神分析における「ジェンダーの戦争」の終結への序章となる重要書。
謝辞
はじめに
第1章 身体から発話へ、精神分析の最初の跳躍ーーフロイト、フェミニズム、そして転移の変遷
第2章 「内容の不確かな構築物」--エディパルな相補性を超える、ジェンダーと主体
第3章 他者という主体の影ーー間主観性とフェミニズム理論
補論 精神分析と女性ーージェシカ・ベンジャミンの登場まで 北村婦美
解説 北村婦美
文献
索引
あなたは、将来どんな仕事をしたいと思っていますか?本巻では、「女性用の仕事」「男性用の仕事」という区別はないということを述べました。男女とも、自由に職業を選ぶことができる力をつけてほしいのです。今までは、女の人は家庭を守り、男の人は家族を養うことがよいと思われていました。しかし、世界中の国々で、それはおかしいと思う人が増えています。あなたも性にとらわれず、自由に自分の人生を描いてください。本当に自分に合う仕事が見つかるといいですね。
立ち後れる日本のジェンダー平等。コロナ禍のしわ寄せを受けるケア労働を始め、格差是正を求める新しい労働世界実現の道を拓く。
第1章 コロナ化の生活の変化
第2章 労働分野のジェンダー格差と「ケアレス・マン」モデル
第3章 エッセンシャル・ワーカーの困難
第4章 ジェンダー平等に関わる労働法制の展開
第5章 時間と資金の新しい考え方 「ケアレス・マン」モデルからの脱却
第6章 暴力とハラスメントのない世界を
第7章 日本のジェンダー平等を国際基準に
暴力や戦争を批判的にとらえ、考察していく上で、フェミニズムやジェンダー論のもつ意味は大きい。本巻は、「暴力」の歴史を問い直し、その構造や行使される過程をジェンダーの視点から明らかにすることにより、歴史の新たな側面に光をあてる。
現代社会には今なお根深い差別が存在する。「あからさまな」差別と対比され、あいまいな、無意識で見えにくいが重大な結果をもたらす差別を「マイクロアグレッション」として明確に位置づけ、その内容・メカニズムや影響、対処法を明らかにした、いま必読の書。
紀伊國屋じんぶん大賞2023 第1位 『布団の中から蜂起せよ』高島鈴さん応援!
【概 要】
本書は、映画やドラマ、漫画やアニメ、現代アートなどビジュアル要素のある作品を、「ジェンダーの視点」で批評してみようとお誘いする本です。
「なんかモヤモヤした!」「すごくかっこよかった!」といった感想から一歩踏み込んで、「なぜモヤモヤしたのか」「どのようにカッコいいと感じたのか」を言語化してみると、「作品を見る」という体験がもっと豊かになります。
第一部では、それぞれの作品で「セクシュアル・マイノリティの登場人物や同性愛がどのような言動をしているか(what)、どのようなカメラワークで描かれているか(How)」「その背景には何があるのか」などについて、「あっこ先生」と「もえさん」の会話を通して学ぶことができます。
本文内には、専門用語の解説や参考文献の案内があり、ジェンダーやフェミニズムに関する専門的な知識がなくても読み進めることができます。
第二部では第一部のもととなった論文や映画の応援コメントなどを掲載しており、本格的な批評文にも触れることができます。大学などでのレポート作成やSNSでの発信にも役立つでしょう。
本書を読めば、
普段何かを見るたびに感じていた「モヤモヤ」「いいね!」に対して、「そういうことだったのか!」と納得してスッキリするだけでなく、
「いろんな映像作品を見て分析したい!」
「好きな作品をもっともっと応援したい!」
「S N Sで作品批評をしてみたい!」
……と、自分の気持ちを言葉で表現する「ワクワク」に目覚めるはずです。
アメリカ留学中のクィア理論との出会いから、自身のルーツがBLの祖先である「24年組」の「美少年漫画」だと気づいたことがきっかけで、BL論を研究し、映画、アート、クィア領域研究倫理などについて執筆してきた著者による、ジェンダー批評入門講義が始まります!
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・映画『LOVEMYLIFE』で「何が描かれているか」より「どう描かれているか」に注目する
・映画『砂の女』の「女」と「男」という二項対立を揺るがす映像表現とは?
・ドラマ・映画『おっさんずラブ』から差別と偏見の構造を考える
・二人の人間の新しい関係の可能性を探る、漫画『作りたい女と食べたい女』
・世界のLGBT映画史につらなる映画『his』
・ステレオタイプから自由になる、映画『おろかもの』の登場人物たち
・現代アート「サエボーグ」のパフォーマンスから、アートの次元で「身体」を眺める……など
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中国の政治イデオロギーとの関連をとおした家族研究の学説史から、中国の主流社会の農村・都市部女性の生、また少数民族や国際移住当事者など様々な中国女性の生の変容を考察した、現代中国の家族研究、ジェンダー研究論集。
すべての女性に捧げるーー真のジェンダーフリーはここから始まる この小さな器官をもっと知れば幸せをつかめる! 喜び、幸せ、愛……。クリトリスは女性に秘められたもっとも美しく偉大な面を教えてくれます。より自信をもてるようになり、素晴らしい人生への扉を自分の手で開けることができるのです。最新研究をもとに、複雑で謎に満ちた器官の秘密を解き明かす。ジェンダー先進国フランス発、女性の新たな生き方を導くライフスタイル・ブック。★世界でのメディア掲載実績・雑誌「アロー・ドクター」 “愛の日、ヴァレンタインにおすすめの一冊 ポジティブなセックスのために”・雑誌「ELLE」2018年3月7日号 “クリトリス、そして女性の性について語ったこの本、皆に読んでほしい!”・健康雑誌「トップサンテ」・助産師専門誌「サージュ・ファム」・「ソワール・マグ」2018年4月3日 ベルギーの新聞「ソワール」紙のWebマガジン。著者インタビュー掲載。 ※コーナータイトルは編集部より翻訳紹介
江戸時代の日常生活には、つねに感染症の脅威があった。梅毒・結核・インフルエンザ・コレラ・麻疹・疱瘡…。これらは日々の暮らしにいかなる影響を与えたのか。医療の進歩や都市生活と商業主義の展開、出版メディアの発達など、生活環境の移り変わりによる感染症へのまなざしの変化を描き、現代にも通じる社会と感染症との共生する姿を考える。
序章 「須佐之男命厄神退治之図」(葛飾北斎画)の世界/1 慢性感染症(黴毒(梅毒)-性感染症をめぐるディスクール〈「大風に類する」病/黴毒の広がりと警戒/黴毒への羞恥/病原としての下層社会と遊廓〉/労瘵(結核)-「恋の病」考〈はじめにー「恋の病」という言説/明清医学の導入/医学書の中のジェンダー/心を病む人々/文芸史料の中の労瘵〉/「癩」-「家筋」とされた病〈中世から近世への転換/病者の特定化ー一七世紀後半/「悪血」の排出ー一八世紀以降〉/2 急性感染症(流行り風邪(インフルエンザ)-江戸の町の疫病対策〈医学史からみた流行り風邪/流行り風邪の通称と背景/疫病対策の転換〉/麻疹ー情報氾濫が生む社会不安〈麻疹養生法の広がりー享和三年(一八〇三)/麻疹がもたらす特需ー文政六年(一八二三)/文久二年(一八六二)の流行)以下細目略/疱瘡(天然痘)-共生から予防へ/コレラー新興輸入感染症の脅威
ジェンダーとエスニシティの交差に、映画が隠蔽/開示(イン/アウト)する欲望とは何か。
スクリーンに表象されるその複雑さに対し、9つの視座からアプローチする。
本書では、映画が映し出すジェンダーとエスニシティの交差を軸に、映画が隠蔽/開示する欲望を考察する。トルコ系ドイツ人移民、インド系英国人女性、アラブ系アメリカ人男性。或いは「日本」というエスニシティ。グローバルな世界の中で、その複雑さは、如何に表象されるのか。そして、そこには如何なる意味が付与され、どのようなメッセージを見出すことができるのか。9つの視座からその困難にアプローチする。
男性特権にいかに向き合うか、「弱者男性」論は差別的か、自らの「痛み」を消さない男性学はあるかーー。
著者が近年さまざまな媒体で発表した、フェミニズムやトランスジェンダー、そしてメンズリブなどジェンダーに関わる重要な考察を一冊にまとめた、著者初の男性学批評集。
加害と疎外が複雑に絡み合う「男性問題」のジレンマを、丁寧に解きほぐす一冊。
◆目次◆
はじめにーーこれからの男性解放批評のために
【1】
男が男を省みるーー加害性と疎外の複雑なねじれ
「痛み」を消さない男性学を
男性特権にいかに向き合うか
澁谷知美+清田隆之編『どうして男はそうなんだろうか会議』を読む
【2】
私の性被害
村上春樹『女のいない男たち』を読む
村上春樹『街とその不確かな壁』を読む
「真の弱者は男性」「女性をあてがえ」--ネットで盛り上がる「弱者男性」論は差別的か?
インセルとは誰か?
批評と男性性ーー男性解放批評に向けて
渡部直己『子規的病牀批評序説』を読む
松浦理英子と男性解放批評
魯迅と暗黒男性批評
トランスジェンダー/フェミニズム/メンズリブーー『笙野頼子発禁小説集』に寄せて
日本的男性性とアパシーーー交差的な対抗運動のために
【3】
男性解放批評とは何か?--終わりに代えて
あとがき
◆著者略歴◆
杉田俊介 (すぎた しゅんすけ)
1975年生まれ。批評家。『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)でデビュー。以後、文芸評論や労働・貧困問題について著述。著書に『非モテの品格』『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』(ともに集英社新書)、『男がつらい!』(ワニブックス)、『宮崎駿論』(NHKブックス)、『糖尿病の哲学』(作品社)など多数。差別問題を考える雑誌『対抗言論』(法政大学出版局)では編集委員を務める。
実務と研究を架橋し、新たな共生社会への展開をはかる、待望のジェンダー法学の研究雑誌。既存の法律学との対立軸から、オルタナティブな法理を構築。創刊号は特集「ジェンダー法教育と司法」と題し、司法分野におけるジェンダー法教育の現状と課題にせまる6本の論稿を収録したほか、「立法と司法の新動向」として、婚外子差別に関する裁判・立法・行政の動向を紹介する論稿も収録。
ここ10数年で社会環境は大きく変化し1つの企業・組織で継続的・安定的に「キャリア」を築くことは困難となり、自らの価値観・職業観・人生観に基づいてキャリアを形成する必要が出てきました。価値観の多様化した時代に自分らしいライフキャリアを手に入れるにはどうしたらよいのでしょうか?日本はジェンダーギャップ指数が低いことが話題に上りますが女性より男性の方が幸福度が低い珍しい国でもあります。課題解決の上で着目すべき視点が、「男性はスカートをはいてはいけないのか」問題なのです。本書では、2名のキャリアコンサルタントが社会事象の中でのジェンダーについて過去・現在・未来を展望してジェンダーを取り巻く「今」を知り、ジェンダーに対する考え方のアップデートにつなげることを目的に作られました。社会通念としてのジェンダー規範は、ある時代のある場所における、考え方のひとつであり、常にアップデートされるものなのです。
◆人権論の観点からジェンダー問題を学ぶための基本書◆
LGBTQ/SOGI、ジェンダー平等と憲法14条、政治とジェンダー、家族とジェンダー、夫婦別姓、リプロダクティブ・ライツ、ドメスティック・バイオレンス、性暴力、教育・学術とジェンダー等々、司法や法学におけるジェンダー・バイアスを明らかにする。真の男女共同参画社会を築くための指針。
『概説ジェンダーと人権』
辻村みよ子・糠塚康江・谷田川知恵 著
【執筆者紹介】
辻村みよ子(つじむらみよこ):東北大学名誉教授・元明治大学法科大学院教授・弁護士
1 〜 4,8,13,14担当
糠塚康江(ぬかつかやすえ):東北大学名誉教授
6,7,9,10,15 担当
谷田川知恵(やたがわともえ):明治大学法科大学院,一橋大学,早稲田大学ほか非常勤講師
5,11,12 担当
【目 次】
はじめに
1 ジェンダー法学の目的と課題
2 人権と女性の権利の展開ー女性差別撤廃条約からSDGsへ
3 世界各国の男女共同参画政策
4 日本の男女共同参画政策の展開
5 LGBTQ/SOGI
6 ジェンダー平等と憲法14条
7 政治とジェンダー
8 雇用・社会保障とジェンダー
9 家族とジェンダー
10 リプロダクティブ・ライツ
11 女性に対する暴力とドメスティック・バイオレンス
12 性 暴 力
13 ストーカー,セクシュアル・ハラスメント
14 セクシュアリティーとポルノ・売買春
15 教育・学術とジェンダー
資料編
1 女性差別撤廃条約
2 男女共同参画社会基本法
略年表(『ジェンダーと法』関連年表)
事項索引
判例索引
◆実務と研究を架橋し、新たな共生社会を拓く【ジェンダー法学】の専門誌◆
第6号は2つの特集、1「LGBT/SOGI施策」に6論文(谷口、遠藤、神谷、二宮、鈴木賢/TAKACO、鈴木秀洋)、2「子の面会交流」に企画趣旨と3論文(山崎、高田、光本)、シリーズ「比較家族法(2)」では4論文(二宮、渡邊、小門、石嶋)、「立法・司法の動向」は、敗訴判決にスポットを当てて一石を投じる浅倉論文と、選択的夫婦別姓の動向(二宮)を掲載。最新テーマで迫る。
ベッカー「新家庭経済学」における女性労働の分析とその後のフェミニスト経済学の発展を丹念に追い,さらに社会的ケアの理論的分析,福祉国家におけるワーク・ライフ・バランスや家族政策等ジェンダー政策の精査を行う。ジェンダー,ケアの経済学の本格的著作。
序 章 福祉国家・市場・家族のジェンダー分析
第1部 「家族の経済学」とジェンダー
第1章 「新家庭経済学」における家族
第2章 フェミニスト経済学の成立
第3章 フェミニスト経済学における家族分析
補論 産業革命期イギリスにおける家族と児童労働
第2部 社会的再生産とケア
第4章 家族政策の主流化と経済的シチズンシップ
第5章 労働のフレキシビリティとケア
第6章 社会的ケアとケアレジーム
第7章 ドイツにおける家族政策の「転換」と企業の対応
第3部 福祉国家の変容と家族政策の主流化
第8章 新たな福祉政治の登場
第9章 日本におけるワーク・ライフ・バランス政策
第10章 ワーク・ライフ・バランスの射程
現代中国のジェンダー構造は、伝統中国や社会主義中国から如何に変化し、経済格差はどのように性別と関連し、消費社会はセクシャリティのあり方にどのような変化をもたらしたのか。
特に1995年の北京国連女性会議以降の20年間に焦点を当て、中国のジェンダー研究の第一線で活躍する研究者による最新成果を紹介する。
序 小浜正子
第一部 現代中国におけるジェンダー・ポリティクスの新局面ーシンポジウムの記録
解 題 小浜正子
中国社会の変容と女性の経済参画ー北京会議から二〇年 金 一虹(朴紅蓮訳)
ジェンダーをめぐるフェミニスト・国家・男性の協働/不協働ー反DV法制定過程を例に
馮媛(遠山日出也・朴紅蓮訳)
現代中国のジェンダー言説と性の政治経済学 宋少鵬(及川淳子訳)
コメント1 阿古智子
コメント2 足立眞理子
コメント3 伊田久美子
リプライ
第二部 北京国連女性会議から二〇年間の中国女性学
解 題 秋山洋子
〈女性意識〉と〈社会性別意識〉-現代中国フェミニズム思想の一分析
王政(秋山洋子訳)
グローバル化のもとでの中国女性学と国際開発プロジェクトーあわせて本土の資源と「本土化」の問題を語る 李小江(秋山洋子訳)
現代中国における三種の女性話語 屈雅君(福島俊子・秋山洋子訳)
[紹介]フェミニスト行動派の運動とその特徴ー二〇一二年二月〜二〇一六年四月 遠山日出也
第三部 中国における日本軍性暴力問題にどう向き合うか
解 題 秋山洋子
女性・平和・民族自省ー陝西師範大学で日本軍性暴力パネル展を開催して 屈雅君(秋山洋子訳)
苦難のうちに立ち止まってー日本軍性暴力パネル展の南京における挫折と内省 金一虹(大橋史恵訳)
メディアの中の「慰安婦」ディスコースー記号化された「慰安婦」と「慰安婦」叙述における記憶/忘却のメカニズム 宋少鵬(秋山洋子訳)