統合的な治療実践とは? パーソンセンタード・アプローチ,認知行動療法,関係療法および催眠療法を,存在,感情の処理,愛着,思考,無意識という5つの概念に基づき,統合的に用いることを提案。豊富な事例と物語とともに,悲嘆と喪失,不安,抑うつなどクライエントの悩みに対してどう取り組むのか,そのポイントを実践的に示す。
[原書]Basia Spalek & Mark Spalek (2019). Integrative Counselling & Psychotherapy: A Textbook. Routledge
◆本書の主な目次
01 メンタルヘルスと幸福のための「存在」:統合的なアプローチ
02 感情的・心理的な苦悩への統合的な対処
03 統合的な概念としての「愛着」
04 統合的な治療の観点からみた「思考」
05 「意識的な心と無意識の心」への統合的な取り組み
06 死別と喪失への統合的な取り組み
07 不安への統合的な取り組み
08 抑うつへの統合的な取り組み
09 関係性への統合的な取り組み
10 恥と罪悪感への統合的な取り組み
バクテリア、植物、昆虫、ヒト…生物たちの多様性を目の当たりにすると、いろいろな謎が浮かんでくる。生物の「形」は、他の生き物たちとの「関係」のなかでいかに作用しているのか?生き物と環境の「関係」を「分子」から探ると何が見えてくるだろうか?「分子」から「人間活動」が環境に及ぼす影響を理解するには?「人間活動」は「生態系」のなかでどのように位置づけられるのか?さまざまなピースが織りなす生き物たちのジグソーパズルに生態学が挑む。
国家管轄権外区域とは、国際法上どこの国の権限も及ばない区域を意味し、具体的には公海および深海底から構成される。この国家管轄権外区域がなぜ重要であるのか。そこにはマグロやサケ等の水産有用種や、サメやウミガメ等の希少種が多数生息している他、経済的な利益をもたらし得る海洋遺伝資源が多く存在することが知られており、海洋の生物多様性を考えるときに非常に重要な海域であるからである。
このような背景の下、国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)の保全や海洋遺伝資源の開発をめぐっては、1990年代より活発に国際的な議論が行われてきた。
本書では国家管轄権外区域の環境を守るためには不可避のBBNJの現況や問題を、海洋法、科学、政府間交渉など多角的な観点から第一線の専門家が解説する。
【目次】
はじめに:阪口 秀
第1部 国連海洋法条約の展開とBBNJ
1 国連海洋法条約の展開とBBNJ:坂元茂樹
第2部 海洋生物多様性をめぐって
1 細り行く海の恵みと国際社会 :井田徹治
2 深海の生物多様性に関する研究の歴史とBBNJ交渉:白山義久
コラム●BBNJ交渉と、他の条約との関連:白山義久
3 海洋遺伝資源の利活用の進展 :竹山春子 ・西川洋平・丸山浩平
4 公海域における水産資源管理と海洋保護区:森下丈二
5 深海底の鉱物資源開発と国際海底機構(ISA)の役割:岡本信行・藤井麻衣
コラム●北極の現状と中央北極海における公海水域の未来:幡谷咲子
第3部 海洋生物多様性を守るために - 国連におけるBBNJ交渉
1 国連におけるBBNJ交渉の展開 :西本健太郎
2 海洋遺伝資源をめぐる論点と展望:本田悠介
3 区域型管理ツールの活用のために:八木信行
4 環境影響評価をめぐって:瀬田真
5 能力構築と海洋技術移転:藤井巌・前川美湖
コラム●BBNJ交渉の裏側:樋口恵佳
おわりに:前川美湖
生物は何故こんなにもたくさんの種類がいるのか、それぞれの生物群の特徴はどのようなものか、また多様な生物を生むメカニズムは何か等、“生物の多様性”に焦点を当ててわかりやすく解説した、大学学部初年級向き生物学の教科書。
本書の姉妹書に、生命の普遍性に焦点をあてた教科書『生物講義 -大学生のための生命理学入門ー』がある。
1.地球上にどれだけ多様な生物が生きているか
2.生物多様性はどのように認識されてきたか
3.生命の起源と原核生物
4.真核生物の起源
5.原生生物にみる多様性
6.陸上生物相の出現
7.陸上の植物の多様化
8.菌界にみる多様性
9.動物の起源と多様化
10.生物の多様性をつくる原理
11.多様化にみる生物の進化
12.生命系を生きる
雑草たちはそれぞれ個性的な種分化(進化)の歴史を抱え、大地を支えて生きている。
オオバコはなぜ耕地に侵入しないのか。
ツユクサは雑草になるためにどんな戦略をとっているか。
人がつくり出す空間で生きることを選択した雑草たちの生存戦略は?
花・葉・種子などの形態的変化や染色体数の変異をたんねんに読み解き、
地理的・生態的分布から、雑草たちの進化の謎に迫る。
日本の文化的伝統に依拠しつつ、グローバリズムと対決した“土俗的”思想家たちの群像を描く。橋川文三、大川周明、鶴見俊輔、北一輝、竹内好、埴谷雄高、室井光広、蓮沼門三ほか。東北・会津の地から発する渾身の評論集!
まえがき
《変革への視座》
第一章 永井陽之助の予言ーーラディカルなリアリズム
第二章 ナショナリズムは幻想なのかーー橋川文三の言説とアポリア
第三章 大川周明は革命家なりーー大アジア主義の今日的意義
第四章 日本のナショナリズムと沈黙する民ーー吉本隆明、江藤淳、葦津珍彦
第五章 保田與重郎の「述志の文学」--草莽浪人の義挙と明治維新
第六章 尾高朝雄の「ノモスの主権」--日本の国体は理念的天皇制
第七章 知の探究者鶴見俊輔ーー戦後のリベラリズムの旗手
第八章 北一輝とは何者であったのか
第九章 いま、竹内好を読むーー〈民衆〉と王道に根差す東アジア共同体へ
第十章 会津が生んだ天才ーー小室直樹の人と思想
第十一章 多様性のラディカリズムとレーニン主義の復権
《土俗からの出立》
第一章 峠を越えなかった野口英世の母
第二章 東北学の泰斗山口弥一郎ーー柳田国男の高弟の一人
第三章 柳津虚空蔵尊謎の歴史ーー自由コミューンのアジール
第四章 埴谷文学と祖父の墓ーー南相馬小高を訪ねて
第五章 保科正之公の朱子学と山鹿素行の古学
第六章 「戦友別盃の歌」の大木惇夫が浪江に疎開
第七章 傑物後藤新平の須賀川時代
第八章 明治の骨格を築いた渋沢栄一
第九章 日米の架け橋たらんとした朝河貫一
第十章 室井光広さんの死を悼むーー土俗の力を文学で表現
第十一章 蓮沼門三と藤樹学ーー根本にあるのは「孝経」
主な参考文献
初出一覧
あとがき
なにをもって多様というか、テレビ番組と音楽から浮かび上がる選択肢の実像。
年齢、民族や文化、国際問題、宗教や思想、多数派の中の少数派など、スリランカ出身の社会学者で経済学博士のにしゃんた氏が国際的な視点からの「多様性」の考え方を解説。
ひとくちにメガシティといってもその実態は多様である.本巻では,都市地域生態圏という括りを提案し,地球上の18のメガシティを比較分析する.なかでも都市範囲,人口,居住環境,都市計画に着目し,その共通性と多様性を明らかにし,全球全史上にメガシティを位置づける.
シリーズ刊行にあたって(村松 伸)
重要用語解説
第1章 総説:全球都市全史からの示唆
第2章 メガシティの多様性と共通性:都市地域生態圏,人口圏
第3章 都市地域生態圏にみた18メガシティの動態
第4章 居住環境の地球史:メガシティの地域性と連動性
〈座談会〉全球18メガシティを比較する
【付録】18メガシティ総覧:その発展経路と居住環境
Megacities Vol.2 Evolution and Diversity of Megacities
Shin MURAMATSU, Naoko FUKAMI, Kyota YAMADA & Yuta UCHIYAMA, editors
“種の絶滅”という自然の危機がこのまま進むと私たち人間はどうなるのか?人間にしのびよる見えない危機。
2016年6月に開催された環境法政策学会第20回学術大会シンポジウム「生物多様性と持続可能性」の全記録。自然保護地域の保全と管理のあり方やABS国内措置、海洋における生物多様性の保全、生物多様性や自然保護に関する訴訟等を総括的に検討。
本書は,群集生態学と生物多様性科学に関する理論やモデル,実証研究のうち,特に「水平群集」と呼ばれる共通の栄養段階にある生物グループに関するものを体系的に整理し,理解するための枠組みを示した本である。
【これまでの群集生態学の教科書と比べて新しい点】
1. 従来理論の体系化
多様な群集生態学と生物多様性の理論をたった4つのルール(選択,浮動,分散,種分化)をもとに整理し,群集生態学を体系的に学ぶことを可能にした。
2. 分かりやすい
難解な数式はなるべく避け,簡潔な文章で解説されている。さらに,読者自身が理論を再現・独習できるように,必要なR言語のコードとその解説も提供されている。
3. 最新の情報
原著が刊行されたのが2016年であり,最新の理論と豊富な実証例が掲載されている。近年の研究トレンドが把握できる。
こうした点から,本書はこれから群集生態学を学ぼうとする大学院生や実務者を含め,幅広い読者に役立つ内容となっている。
(原題:The Theory of Ecological Communities)
「生物多様性」をテーマにしたシリーズの第7巻。
第I部の総論では、脊椎動物の一般的定義、他の動物群との関係、系統と分類の対応付けの不一致、脊椎動物の多様性について概説する。続く第II部は脊椎動物の各論であり、いわゆる魚類と呼ばれる群について、最新の系統体系に基づいた分類を紹介することから始まり、爬虫類と鳥類の関係についての最近の考え、哺乳類の形態適応までをやや詳しく述べる。第III部では脊椎動物各群の特徴について図を加えて解説を行う。
第 I 部 脊椎動物の系統
1.脊椎動物の多様性と進化
第 II 部 各綱ごとの多様性
2.魚類の多様性と系統分類
3.両生類にみる多様性と系統
4.爬虫類にみる多様性と系統
5.鳥類にみる多様性と進化
6.哺乳類にみる多様性と系統
第 III 部 動物群ごとの特徴 -図版解説とコラムー
1.魚類:無顎上綱
2.魚類:顎口上綱
3.両生綱
4.爬虫綱
5.鳥綱
6.哺乳綱
里親制度、象牙の合法的供給、サファリ・ハンティング、医薬品開発、金融取引税、宝くじが、生物多様性の保全に役立つ!?生き物をまもるカギは経済学にあった!