希望なき時代を射る、苦く強烈なメッセージ。
南から北まで、お気に入りの桜を見に行きませんか。お花見がもっと楽しくなる絵本。
古来、人々の暮らしとともにあった野生の桜。人が愛で、観賞するために生まれた栽培の桜。都心の新宿御苑と、多摩森林科学園を中心に東京で出会える一〇〇種類の桜をたどる。歴史や、名前の由縁を紐解く物語とともに。
かつて、わたしが一度だけ行ったことのあるふしぎな谷のお話です。
まだ山が枯れ木におおわれる春の手前、林の中の尾根道を歩いていたわたしは、のぞきこんだ谷を見ておどろきました。そこだけが満開の桜にうめつくされていたのです。
聞こえてくる歌声にさそわれてくだっていくと、谷底で花見をしていたのは、色とりどりの鬼たちでした。鬼なのに、ちっともおそろしいという気がしません。まねかれるまま、わたしは花見にくわわります。目の前のごちそうは、子どもだったころ、運動会の日のお重箱に母がつめてくれたのとそっくりです。
「かくれんぼするもの、このツノとまれ」
ふいに、一ぴきの鬼がとなえると、鬼たちはたがいのツノにつかまって長い行列になりました。列の最後の鬼のツノにつかまったわたしは、かくれんぼの鬼をすることになります。わたしは、林の中をかけまわってさがすのですが、なかなか鬼たちをみつけることができません。
そのうちに、だんだんふしぎな気持ちになってきました。わたしがおいかけているのは、ほんとうに鬼なのでしょうか。だって、いま、あの木のうしろにかくれたのは、わたしのおばあちゃんのようでした。こっちの木のかげには、おかあさんが。そこの木のうらには、おとうさんがかくれました。それは、みんな、みんな、もうこの世をさってしまった人たちなのでした。
でも、そうか。みんな、ここにいたのか。桜の谷であそんでいたのか──。
そうわたしが思ったとき、風がふきわたり、谷じゅうの桜がいっせいに花びらをちらします。
気がつくと、わたしはひとりぽつんと雑木林の中に立っていました。満開の桜はきえていましたが、ヤマザクラの枝さきに、大きくふくらんだ花のつぼみが見えました。どこかで、あの鬼たちの歌声が聞こえるようでした。
時は明治。
華族令嬢の桜子が恋した青年・春親の正体は“吸血鬼”だった。
それでも彼の秘めた優しさに惹かれ、
自らの血を差し出すと、身体は悦びに打ち震えーー。
『君だけが僕を満たしてくれる』
淫愛と安らぎに溢れる幸せな日々を過ごすふたりだったが、
残酷な事件により桜子は命を落としてしまう……。
恋しい人の生まれ変わりを信じ、
春親は孤独に耐えながら独り生き続ける。
そして現代、
百年の時を超えた純愛物語が再び動き出すーー!!
まえがき
1 ソメイヨシノ革命
1 「桜の春」今昔
桜、桜、……/昔の桜景色/江戸の桜/ソメイヨシノはすべてクローン/花見の時空/多品種型と単品種型/吉田兼好の花見/ソメイヨシノ革命
2 想像の桜/現実のサクラ
花と名/「桜」とよばれた理由/ヨシノの由来/「名」の力/想像の美・現実の美/「吉野の桜」はなかった/言葉と想像力/絵に画いたような……/説話の宇宙/理念の重力/起源と反起源の遠近法
2 起源への旅
1 九段と染井
明治三年のソメイヨシノ/三つの年代/創建当時の境内/ソメイヨシノ説の典拠/染井と九段と上野/土地愛の多重性/「四季の遊び場」
2 ソメイヨシノの森へ
吉野桜の出現/「日本」と桜/新しさの魅力/公園と公共/戦争と事業/普及のメカニズム
3 桜の帝国
起源への視線/ナショナリズムの科学/伊藤銀月と井上哲次郎/桜らしい桜/大正期の飯田/日本らしさと桜らしさ/「桜の国土」の生成/「桜の国土」の拡張/風土と民族
4 逆転する時間
始源の桜の誕生/書き換えられる歴史/「山桜」の同心円/日本らしさの超自然学/旧い桜・新しい桜/逆転する時間/見出された起源
3 創られる桜・創られる「日本」
1 拡散する記号
花の時間と人の時間/拡散する物語/桜語りの戦後/想像される「歴史」/「みんな」のモノローグ/空転する言葉/不死のゼロ記号
2 自然と人工の環
桜のエコノミー/嫌われる理由/「日本の自然」は一つでない/自然・人工の反転/美しさの根底/「桜」とは何か/「桜」の自己創出/ありえた「桜」とありえた歴史/「日本」の自己創出/ソメイヨシノの明日
あとがき
桜のがいどぶっく・がいど
ソメイヨシノの起源をめぐる新たな展開ーー本書五刷に際して(二〇〇九年一二月)
「なぁ、俺とやらないか?」──あろう事か魔王ルーファスの第一声はそんな言葉だった。『完璧な令嬢』として育てられたライラは王子に恋をし、自分は幸せになれると信じて疑わなかった。しかし、その気高い心は身を滅ぼし、彼女は失意の底へ。そこにとどめのように魔王の生贄に選ばれたと国から知らされ、ライラは魔界へ堕とされる。しかし、待ち受けていたのは想像に反して魔王と思えないのんびりとした性格のルーファス。彼はライラに熱心に求婚し、代わりに彼女の復讐を叶えると言う。魔王と契約結婚をしたライラは、復讐をしては魔王に抱かれる生活に。復讐を果たす事でライラは幸せになるのか?それとも、魔王に愛されて幸せになるのか?
いよいよ東大二次試験! 一年間、「自分を変えたい」という気持ちで猛勉強してきた早瀬と天野は、こじれかけていた関係を修復し、互いに感謝しあう。引っ込み思案でプレッシャーに弱かった自分、お調子者でこらえ性のなかった自分はそこにはない。日本の最高峰・東大を目指すことで完全に変わった二人が挑んだ東大二次試験。Webで結果を待つ早瀬と天野、東大へ掲示板を見に行った小杉と藤井。歓喜の瞬間が最高の演出で届けられる。そして、桜木が自身の進退をかけた合格者数13人という無謀な挑戦はーー?
抑えきれない自分の気持ちを吉乃に打ち明けたサクラ。人間と紅茶王子、いつかは離れ行く運命を背負った2人の恋の行方は…? そして、3つ目の願いを決めた奈緒とジョルジにも別れの時が近づいてきていて…? 想いと願いの第10巻!
2017年8月刊。
「写真で腹くっつくなんね(写真でお腹はいっぱいにならない)」。東日本大震災で蘇った父の言葉。自分にできることは、それでも咲いた桜を人々の心に届けることだと信じ、著者は被災地を巡って桜を撮り続けてきました。
変遷する東北沿岸部の風景と困難を生き抜いた人々の言葉を織り交ぜながら、希望の象徴として人々を励まし続けてきた桜の10年を写真で記録したフォトエッセイ集。青森・岩手・宮城・福島の4県、30市町村の桜を収録。
■桜の陰で
■2011 傷つきながらも咲いていた
いつもより濃い花の色 岩手県陸前高田市
夜明けの誓い 岩手県陸前高田市
■2012 存在 爪痕深き中に
命を救った神社の石段 岩手県大船渡市
■2013 見えないものと戦いながら
線量計の警告音 福島県南相馬市
畑とクロちゃん 福島県南相馬市
子どもたちの“花供養” 福島県南相馬市
伝統の蹄音(ていおん) 福島県南相馬市
津波がもたらしたもの 岩手県陸前高田市
海と生きる決意 岩手県大槌町
埋もれた桜 岩手県大槌町
■2014-2015 桜の下の笑顔
旧友との再会 宮城県亘理町
語り部タクシーの黒田さん 宮城県仙台市
笑顔の桜 宮城県塩竈市
■2016-2017 復興の陰で 消えていく桜たち
消えゆく桜 宮城県南三陸町
桜を伐る気持ち 宮城県気仙沼市
■2018 希望を信じる
大空に向かって 福島県浪江町
■2019 取り残された場所を想う
夜の森の桜 福島県富岡町
日和山公園での再会 宮城県石巻市
時化11:25に向かって 宮城県石巻市
■2020 未来に手渡したい、桜と記憶
「桜の島」になる日 宮城県東松島市
震災は続いている 宮城県東松島市
■静かな桜 あとがきにかえて
京都で出会ったのは神使と謎の拝み屋さん!?
古都京都で始まる人生どん底OLの恋物語
もう俺の手は汚れちまったんだ。
一生逃げるか、別人として生きていくかーー
江戸を追われた男のある目的の前に立ちはだかる邪魔者とは?
青柳剣一郎は、剣術の師・真下治五郎から元足袋屋の主人・幸助の力になってほしいと内密に頼まれる。治五郎の眼には深い事情を抱えているように映ったのだ。早速剣一郎が調べると、主人は数年前に店を畳んで行方知れずになっていた。さらに、人相も異なる。そんな折、不審な遊び人風の男が幸助の元に現れ……。治五郎が会っている幸助は何者か? 意外な因縁が浮上する!
2度目のプロポーズには残酷な選択肢がついていた
アリゾナのもとに、亡き夫の親友デクランが1年ぶりに現れた。ある予告を実行するためにーー。最後に会ったのは夫の葬儀の日。彼は不躾にも悲しみの渦中にある私にプロポーズをし、断られると1年後に改めて申し込みに来ると宣言していたのだ。潤沢な財産をちらつかせれば誰とでも結婚する女だと思っているあなたとは、今でも一緒になる気はないわ! 身構えるアリゾナに、憎らしいまでに美しいデクランは告げた。断る余地のない、残酷な選択肢のついたプロポーズを。
父・広吉を襲った恐ろしい魔の手から逃れるため、
柳橋から姿を消した娘船頭の桜子と、棒術の師匠・小龍太。
異国船「上海丸」に乗り込んだ二人は、経験したことの
ない食べ物、風物に出合い目を見開かれる。
そんな中、長崎の出島に招かれ、オランダ人の絵描きコウレル
がのこした「二枚の絵」を目にした桜子は、強い衝撃を受ける。
果たして、そこにあった不思議な縁とは?
4カ月連続刊行の新シリーズ、
物語が急展開、目が離せない第三巻です。
序章
第一章 旅の始まり
第二章 海戦はいかに
第三章 文届く
第四章 文使いの悲劇
第五章 出合い
終章
桜日梯子、初めてのファンブック!画集やキャラ解析、また主要キャラ出演の描き下ろし漫画を収録した完全保存版の1冊!
店を畳む決意をしたパン屋の父と私。引退後の計画も立てていたのに、最後の営業が予想外の評判を呼んでしまいーー。日常から外れていく不穏とユーモア。今村ワールド全開の作品集!
高2の涼は「医者になれ」と命令する父親に強く反発していた。死にたいほどに自暴自棄だったある日、「じゃあ、君の心臓をちょうだい」と、瞳子と名乗る女子が現れる。驚く涼を前に、キラキラ輝く笑顔で彼の夢を励ます瞳子。本性を明かさない彼女だったが、涼はその出会いを機に、父親にも少しずつ心を開いていく。しかし突然「あの桜が咲く日、私の命は終わる」と告げられた涼。そして瞳子が宣言したその日ーー。衝撃のラストに、狂おしいほどの涙!
事故で親を亡くし、幼い頃に一度会ったきりの祖父を探し続ける朱良。彼女に時々視える「何か」。その何かがついに朱良に牙を向けた!その時助けてくれた幽世の鬼が、まさかの祖父!だったのだが、何やら異様に若い?
世代を越えて歌われ続ける名曲が揃ってます。友との思い出、感謝の気持ち、未来へのエールなど、さまざまな思いが込められた楽曲の数々。歌いながら気持ちを伝えるもよし、弾きながら昔を懐かしむもよし、使う人それぞれにお楽しみください。
※本書は「ピアノソロ 中級 こころに残る 卒業・旅立ち名曲集」(GTP01096556)と同じ内容です。
織りと本と桜の木。ゆったりと大切にしてきた時間が主役の普通の暮らし。