佐野さんの急角度なエリアに思わず視線がいってしまいます・・・巻末に本人直筆の後書き&サインもあります♪(佐野水柚:1991年8月28日生まれ:撮影時年齢28歳)
幼年時代の日本での記憶とイギリスでの体験をもとに、独特の世界を構築するイシグロ。気鋭の英文学者らがノーベル賞作家の全作品を時系列に通観し、その全貌に迫る。
今から八十年ほど前まで、日本には、戦争(植民地)という特殊な現実があった。この現実の奥に、作家たちは何が見えたのか。それを明らかにしたくて、作品に向かった。小説家の中島敦、歌人の會津八一、前田透。中でも、前田透は、日本占領下にあったポルトガル領チモールに駐留し、理想国家建設を夢み、チモールのため、命がけで働いた人。 戦争によって奪われた、かけがえない夢が世界中にいったいどれほどあったか。戦時下の国民を覆ったニヒリズム(重いウツであろうか)の底に、実は激しい感情が隠れていた。ファナティックな戦争賛美ばかりのさ中、静かに、国の平安や人の無事を祈る歌を詠んだ、勇気ある人がこの国にいた。こうしたことを、作品は教えてくれた。 「『山光集』の會津八一」は、第62回群像新人評論賞で、予選通過させていただいた、私にとって初めての評論。「前田透のチモールーわがベネチア客死ー」「中島敦『北方行』に描かれた「頽廃」-自然な憎悪と怨恨ー」は、ともに「文藝研究」(日本文藝研究会・東北大学)に載ったものを、書き改めた。 ウクライナでの戦争から目を背けるわけにいかない私たちに、これらの作品は様々な示唆を与え、平和とは何か考えさせてくれると思う。
1903年、第5回内国勧業博覧会が大阪で開催された。「文化」と政治が絡み合った国民国家形成期に、「異文化」展示が果たした役割とは。植民地パビリオン台湾館と学術人類館の展示にあらわれる征服地や人種の概念から、国民意識と一体となった帝国意識を解明。日本帝国臣民という形に収斂していくナショナル・アイデンティティの問題を考察する。
序章(問題設定/方法的立場/先行研究の検討と本書の構成)/第一章=博覧会という「場」-第五回内国勧業博覧会と大阪ー(経済博覧会から「帝国の博覧会」へー第五回内国勧業博覧会の特徴ー/第五回内国勧業博覧会と「貧民街」移転問題/伝染病と博覧会/都市から「東洋の商都」へ/第五回内国勧業博覧会という「場」)/第二章=植民地パビリオン台湾館(台湾館設置の意図/「他者」表象の技法/台湾認識の構図)/第三章=調査・収集という知ー台湾旧慣習調査と伊能嘉矩ー(領台初期の旧慣調査活動/伊能嘉矩の実践と台湾原住民認識/伊能嘉矩と台湾館)/第四章=パビリオン学術人類館(学術人類館の様相/学術人類館をめぐる議論の位相)/第五章=人類学と「展示」-人類学者、坪井正五郎の思想ー(人類学とは何か/「人種」とは何か/人類学の大衆化/展示という実践)/終章(調査・収集から展示へ/「われわれ」とは誰か/日本「帝国」史記述をめぐって)
新日本歌人、民主文学、歌人後援会の「歌の風」に出した四一五首をまとめる。
圧倒的な目力で見る者を魅了する猫たちのかわいい表情がつまったポストカード。
末っ子だった漱石、夏目金之助が母を失なったのは14歳のときである。プルーストは漱石・夏目金之助より4歳下である。プルーストも若くして最愛の母を亡くしている。後に、その満たされない母への思慕の思いが、文学作品に影響を与え昇華させたように思える。
戦争と虐殺の世紀を生き延び、さまざまな「無用の苦しみ」を問うことから生じたレヴィナスの哲学。そのテクストに刻み込まれた「時間」「所有」「存在」「他者」とは何を意味するのか。倫理学の第一人者である著者が、難解といわれる二つの主著『全体性と無限』『存在するとはべつのしかたで』のテクストを緻密に読み解く。現代を生き抜く強靭な思考を浮かび上がらせる名著。
石見銀山が世界遺産に登録されて、我が国もちょっとした世界遺産ブームである。その走りともいえるのが、白川郷・五箇山の合掌造り集落である。手の平を合わせた形をした合掌造りを見ると、日本文化のすごさと深さを感じる。本書は、長年白川郷を研究してきた著者が、観光旅行者・生活者・研究者などのさまざまな「まなざし」から白川郷の「先」にあるものを探った本である。日本の文化と世界遺産に関心をお持ちの方に自信をもってお薦めする一冊。
「最後の博物学者」、「知の巨人」、そして…「エコロジーの先駆者」南方熊楠。閉塞するアカデミズムから離脱、多様性、開放性、自由、楽しさを源とした熊楠の「生物の世界」への探求を解き明かす。
南方熊楠への招待状
第1章 自由ミナカタ学 安田忠典
第2章 「南方二書」と紀南の神社林 田村義也
第3章 「南方二書」と紀伊半島の森林の現在 土永知子
第4章 神社合祀反対と継承される獅子舞ー南方熊楠と上富田の神社 三村宜敬
第5章 蟻のマンダラー高山寺蔵新出土宜法龍宛南方熊楠書簡一通 末木文美士
第6章 けものたちへの視線ー世界の動物園・博物館をめぐる旅 松居竜五
第7章 熊楠と菌類図譜 細矢剛
第8章 南方熊楠コレクションーエコロジストとしての視点を探る 吉村太郎
第9章 南方熊楠と同時代の生物学者たち 郷間秀夫
第10章 絶滅に抗う方法ーオオカミと「地域絶滅」という問題 志村真幸
物語のなかの南方熊楠
あとがき
イラスト、写真、モチーフ、文字、配色。ターゲットに「刺さる」ビジュアル作りのアイデア集。
色彩理論の基本から、様々なグラデーション技法、実際のデザイン・プロジェクトまで、理論と実践の両面からグラデーション・デザインを網羅。
100以上の世界のデザイン実例を通して、グラデーション・デザインの実際を知ることができるリファレンスブック。
グラデーション・デザインの全貌をひもとく/1色のグラデーション/2色のグラデーション/多色のグラデーション
最高のアイデアが理想の形で具現化できる!
制作に関わる基礎知識から、
人物や動物のデッサン、
構図の意図を引き立てる照明や色彩、
英雄の旅や記号論を使った創作論、
作品に一貫性をもたせる編集方法まで。
ビジュアルで物語にのめり込ませるための、
理論と実践がつまった一冊。
『アラジン』『ライオン・キング』『ポカホンタス』などのディズニー作品をはじめ長年ハリウッドのストーリーボード・アーティストとして活躍してきた著者が、観客や読者を「楽しませる」ための具体的な方法について、あらゆる原理やテクニックを、自らの経験を交えながら丁寧に解説していきます。
日本では「絵コンテ」と同義で使われることも多いストーリーボードですが、本書では実際の制作現場と同じ手法を用いて、『千夜一夜物語/アラビアンナイト』を題材にしたオリジナルのストーリーボードを使って図示していきます。
映画、アニメーション、ドラマ、CM、ゲーム、ミュージックビデオにおける映像制作の現場や、漫画におけるネームの作成でも役に立つ知識が詰まった、実践的な1冊になっています。
[本書で得られること]
◎ストーリーボードの歴史や種類、制作プロセスといった基本的な知識
◎絵が上手に描けなくても、ストーリーをデッサンで視覚化する技術
◎観客の目と耳を導き、感情移入できるキャラクターのつくり方
◎動きや表情の変化でキャラクターの内外面を表現する方法
◎構図における照明(光と影)、色彩、線などの配置方法
◎英雄の旅や三幕構成といった物語創作に欠かせない基本的な理論や、
記号論、マーフィーの法則、ドラマティック・アイロニーなどを取り入れた応用手法まで
◎作品全体を通して一貫性のある編集方法
フランシス・グレイバスは本書で、映画制作のための、とりわけ監督のための工夫や技術について、わかりやすくて刺激的な考察をまとめている。一見単純に思える質問をたくさん投げかけるという彼のアプローチには、彼が教えようとする優れたストーリーテリングと同じ効果がある。私たちを引き込み、自分で考えさせるという効果だ。この業界に属する人もそうでない人も、映画制作というジャングルの中を苦労して進むのに役立つアイデアを、この本からまったく見つけられない人などまずいないだろう。
ロイ・E・ディズニー (ウォルト・ディズニー・カンパニー 元副会長)
フランシス・グレイバスはディズニー屈指の才能豊かなストーリーボード・アーティストであり、そんな彼をストーリー・チームに迎え入れられた私たちは幸運だった。そんな彼の豊かな経験は分かち合ってしかるべきも…
右翼、民族派、国士の視線からの三島由紀夫烈士
自衛隊東部方面総監部に於いて壮烈な割腹自決を遂げ、一世を驚愕せしめた不世出の作家、三島由紀夫先生は令和七年一月で「生誕百年」迎えた。
三島先生の世界観・精神を考察する時、「文学」があり、「芸術」があり、「肉体と性」があるが、我々が最も重要としているモノが「民族主義的行動の世界」である。
あの壮絶無比の自刃も「行動」の総決算であったと思えてならない。
本書は、壮烈な自刃に集斂される三島由紀夫先生の「行動の世界」に焦点を定め、「烈士」たる三島先生の側面の探究に挑み出版するものである。
なかでも、フィリピンでの実弾射撃訓練や池上本門寺での青思会行動訓練等…一般誌ではなかなか目にする事の出来ない行動右翼の秘蔵画像は必見である。
米一流紙のニッポン・ウォッチング。
各コラムニストボブ・グリーンの原点がここにある。22歳の鋭敏な感性が鮮やかにとらえた、ダスティン・ホフマン、ラスヴェガス、カウボーイ、シカゴ・セヴン、ニクソン、プレスリー、マイナー・リーグ、そしてシナトラ。
ボブ・グリーンは、ごく初期のころから、みずからのコラムの特徴について人に聞かれるたびに、自分は「アメリカのスナップ写真(ショット)」を撮りつづけているにすぎないと言っていた。本書には、ジャーナリストとして早熟なボブ・グリーンが22歳の時に書き上げた8編のルポルタージュが収められている。彼の処女作品集である。ダスティン・ホフマン、ラスヴェガス、カウボーイ、シカゴ・セヴン、ニクソン、シナトラ…。ボブ・グリーンの原点がここにあるのだ。