SVO言語のなか、唯一と言われるほど珍しく、名詞の修飾語がその前に来ている中国語の話。
音韻単位の小さなものから大きなものへと音韻現象や諸課題を紹介し,その底流にある抽象的な原理や制約を考察。〔内容〕音の体系と分類/音節とモーラ/日本語のアクセントと英語の強勢/形態構造と音韻論/句レベルの音韻論/最適性理論
1.音の体系と分類(新谷敬人)
2.音節とモーラ(川越いつえ)
3.日本語のアクセントと英語の強勢(吉田優子・三間英樹)
4.形態構造と音韻論(西原哲雄・菅原真理子)
5.句レベルの音韻論(菅原真理子)
6.最適性理論(菅原真理子)
ー速記文字で80の言語と文化にふれるー
線や点といったシンプルな符号を駆使して、会話などの人の言葉を素早く写しとる速記術。本書は独学で工夫を重ねてアルファベットを中心に独自の速記文字を開発した著者が、その多言語兼用の速記術を各言語ごとに例文を載せながら分かりやすく解説した、日本で唯一の佐藤式速記術のテキストです。フランス語やイタリア語などのお馴染みの言語はより詳しく、それ以外にもクルド、チベット、マケドニア、バスクなどバリエーション豊かな80言語の速記術を掲載。姉妹編の『60言語の簡単速記術』と併せご活用ください。
目次
14言語の簡単速記術
ドイツ
フランス
スペイン
イタリア
ブラジル
ルーマニア
ロシア
ブルガリア
ポーランド
チェコ
ハンガリー
フィンランド
トルコ
スウェーデン
13言語の簡単速記術
ペルシャ
アラビア
ハングル
中国
オランダ
ハンガリー
現代ギリシャ
デンマーク
ノルウェー
ウクライナ
セルビア、クロアチア
現代ヘブライ
リトアニア
19言語の簡単速記術
リトアニア
ラトヴィア
エストニア
インドネシア
マレー
フィリピン
ベトナム
ヒンディー
ベンガル
タイ
ラオス
ビルマ
カンボジア
モンゴル
ネパール
ウルドゥー
エスペラント
英語
日本語
44言語の簡単速記術
英語
日本語
18言語の簡単速記術
エジプト アラビア
ラテン
ウズベク
ウイグル
パンジャービー(パキスタン)
パンジャービー(インド)
シンハラ
タミル
台湾語
上海語
広東語
グルジア
スワヒリ
アムハラ
アイスランド
アイルランド
英語・日本語の簡単速記術
英語・日本語
17言語の簡単速記術
英語・日本語
ドイツ
フランス
アイヌ
古典ギリシャ
古典ヘブライ
現代ギリシャ
現代ヘブライ
バスク
カルターニャ
ロマ
テルグ
マラーティー
アゼルバイジャン
カザフ
スロベニア
ハウサ
ヨルバ
12言語の簡単速記術
スペイン
イタリア
ロシア
クルド
ブラジル
チベット
アルバニア
アルメニア
イディッシュ
スロヴァキア
マケドニア
ベラルーシ
著者略歴
ことばへの権利とはなにか
ことばや障害が原因となって社会的に排除される現象や、社会言語学として提示されているさまざまな記述を再検証し、さらに問題として認知すらされていない、ことばやコミュニケーションにかかわる諸問題を発見し、少数者/情報弱者にひらかれた新しい言語観を提示する。
認知言語学とは、ことばを通じてこころのはたらきを理解しようとする研究である。本書では、「カテゴリー化」「メタファー」「構文知識」といった認知言語学の主要な概念を体系的に説明し、さらにこの分野を文化人類学、発達心理学のような隣接領域との関わりからも広く展望する。分析例には日本後、英語とともに数多くの言語を取り上げ、ことばの普遍的特徴からのアプローチを試みる。認知言語学の基本的な考え方や分析方法を学ぶ人のためにテキスト。
言語とは、思想とは、学問とは…。ことばと社会の中で格闘する異端の言語学者が、縦横にその自己形成の軌跡を語り、日本の言語学の戦後を問いなおし、現代の知的状況を照射する。
まえがきより(一部省略・修正)
第1章は,クリスチャン・マティスンの論考で,音声から日常のディスコースへと探究の領域を移動しながら体系機能言語理論を概観し,言語とかかわるための体系機能的なストラテジーを導入している。ストラテジーとして導入される音声ヨガやディスコース日記,ディスコース地理と意味の潜在性をとらえる理論が言語を探究するのに必要な「言語のセンス」を高め,後続する章の探究を支援している。
第2章では,日本語の体系機能文法を意味分析のリソースとしてもちいて,日本語の意味・文法システムとそのシステムの具現化をテクスト環境に位置づけ記述している。それは,テクストの底辺にある意味をあらわにするのに体系機能的なテクスト分析が有用であり,言語の専門家でなくともテクストの意味づくりを知ることができるということの一例でもある。
第3章は,照屋がマティスンと開発をすすめているレジスター研究の概要を示したものである。英語教育,日本語教育,言語学教育に実践応用している枠組みでもある。意味のまとまりとしてのテクストに焦点をあて,異なるコンテクストで展開する社会意義活動を8つのフィールド(活動領域)に類型化し,あるフィールドで展開するテクスト群があるレジスター的な意味文法的素性をもちながら,テクストタイプとして具現していることを例示している。
第4章は,ジョン・ベイトマンのマルチモダリティ理論と方法論に関する論考である。意味づくりの様式である意義モードを理論・実証的に再考し,意義モードを物質と形式,ダイナミックなディスコース意味論が密接に相関したまとまりとして定義づけ,それが存在論的基盤となってはじめてマルチモーダルメディアとジャンルの緻密なマルチモーダル分析が可能となることを提示した。
第5章の奥泉香の論考は,意味表現様式の異なるひとつ以上の様式,モードによって具現されたマルチモーダルテクストのなかから絵本を国語科教育の学習対象としてとりあげ,絵本のイメージと言語が相補的に,かつ独立してつくりだす意味を系統的に提示している。国語科の授業で示された中学生の意味づくりが,体系機能的なマルチモーダル研究とマルチモーダルリテラシーの必要性を示唆している。
第6章は,ハイジ・バーンズの論考で,第二言語発達を把握することに焦点をおきながら,公共一般や特殊な場面での言語使用に不自由を感じない第二言語の使用者を育成するために,指導による言語発達をどのように想定するべきなのかという疑問を専門家に投げかけ,それと同時に,体系機能理論をベースにした方法論だけでなく,教育実践につなげていく枠組みを提示している。
第7章は,公開講座のためにハリデー先生が準備なされた未出版の原稿を照屋が翻訳した。ハリデーは,言語の性質と機能についての意識を獲得することは,教育をうけた一般大衆でも可能であり,言語がもつ意味づくりの機能を理解することが21世紀への挑戦につながっていくことを,体系機能言語学的な観点から多言語を複雑な環境社会体系のなかに位置づけている。
言語と言語学を愛してやまなかった著者による珠玉の精選エッセイ集。ラーメンの命名論からスラブの文字までことばの面白さと奥深さを語る、目からウロコの17篇に書き下ろし1篇収録。
本書は、形態論研究におけるインターフェイスに焦点を当てた研究書兼概説書である。形態論の枠組みを中心にして周辺の言語学研究の諸分野とのインターフェイスを分析した最新かつ概説的な論考が5編収録されている。対象とする言語、現象ともに多様なものとなっており、充実した内容となっている。形態論研究を中心としながらも、英語学、日本語学、言語学の研究者、また、大学院生、学部生など、幅広い読者を対象としている。
第1章 形態論と音声学・音韻論とのインターフェイス
西原哲雄
1. 形態論とは何か
2. 形態論の基本概念
3. 第I 類接辞と第II 類接辞
4. 語彙音韻論の枠組み
5. 語彙層の数について
6. 順序付けのパラドックス
7. 英語のリズムルールと音律範疇の形成
8. 英語の口蓋化と音律範疇の形成
9. 音韻語形成の役割
10. 生成音韻論と語形成過程
11. 連濁と形態構造
12. まとめ
第2章 方言でみるカテゴリーと形式のインターフェイス
島田雅晴
1. はじめに
2. 方言に基づく研究の論点
3. 機能表現の方言間比較
4. 言語接触がもたらす変化
5. まとめ
第3章 形態論と強勢のインターフェイス
時崎久夫
1. 形態論と語強勢
2. 接尾辞優先
3. 右側主要部規則とパラメター
4. 派生語・複合語の語順と語強勢・句強勢
5. まとめ
第4章 語彙意味論と語形成のインターフェイス
由本陽子
1. 導入
2. 動詞のLCSと接頭辞付加規則
3. 名詞のクオリア構造と名詞転換動詞
4. 修飾関係解釈と「名詞+名詞」型複合語
5. まとめ
第5章 日本語の形態論と他部門のインターフェイス
西山國雄
1. 品詞の認定に見る形態論・統語論・意味論のインターフェイス
2. 形態素の認定に見る形態論・音韻論・統語論のインターフェイス
3. アクセントに見る音韻論・形態論・統語論のインターフェイス
4. 連濁に見る形態論・音韻論・意味論・統語論のインターフェイス
5. 複合に見る形態論・統語論・意味論・音韻論のインターフェイス
6. 並列表現に見る形態論・統語論・意味論・音韻論のインターフェイス
7. まとめ
『ナラティブ研究の実践と応用』は、「語り」すなわち「ナラティブ」の分析を通じて、社会が抱える問題の理解や解決を目指すナラティブ・アプローチの成果を一冊にまとめたものです。ナラティブ研究では、語られた人生の出来事や経験を読み解き、問題解決のために活用します。一人一人の語りを精緻に読み、解釈する手法は、質的研究の一つとして定着していますが、近年では言語コーパスの充実により、「質」と「量」の融合研究も注目を集めています。ナラティブ研究の理論と手法が日々アップデートされる中、研究領域は広がり、特に教育、医療、心理学等の分野で成果を上げています。本書は、このようなナラティブ研究の知見を、各分野の実践例とともに紹介しています。
Part 1「教師・ALTのナラティブ」には、言語教師として成長するALTおよび英語音声指導に奮闘する小学校教師の語り分析と、「教師のナラティブ」に関するコラムを収めています。Part 2「外国語学習者・グローバル人材のナラティブ」には、「英語学習」、「グローバル人材育成」、「留学」、「欧米とアジア」といった現代的テーマに関する論考とコラムを掲載しています。Part 3「社会を読み解くナラティブ」では、文学作品、ノンフィクション、高齢者のライフレビュー、そして大学生の語る「葛藤ナラティブ」の分析に加え、医療現場および現代社会における語りをテーマとするコラムが掲載されています。
本書には、教育、グローバリズム、文学、医療、人間関係等多岐にわたるテーマにおいて、ナラティブ研究の汎用性と専門の垣根を超えて学ぶ学際研究の成果が示されています。ナラティブ研究の導入・発展に加えて、外国語教育、留学指導、グローバル人材育成に関わる教師・研究者、そして文学、心理学、医療、社会学分野の研究者にとっても重要な示唆を得られる一冊となっています。
人と人との相互行為はそもそもどのように成り立っており、それは人間社会の仕組みとどう関係しているのか。ラオスでのフィールドワークの成果を生かしつつ、記号論の枠組みを活用し「関係性」に焦点を当てることで、今日まで十分に接点が見出されていなかった記述言語学、会話分析、民族学、言語人類学、社会言語学、認知科学など多くの学問領域の統合をめざす野心的な試み。